最高気温40度超えの酷暑日に、夜も30度以上が続く熱帯夜! 今年の夏は記録的な猛暑が続き、「なんとなく身体がだるい」「寝ても疲れがとれない」など、夏疲れしている方も多いのでは?

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毎回さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月〜木曜朝9時26分放送)から、医師で医学博⼠の御川安仁先生に「夏疲れしない体作り」についてうかがいました。

体が疲れる原因は?


だるさなど体の疲れの原因のひとつは、「ミトコンドリアの機能低下」と御川先生。「ミトコンドリア」は、ヒトの赤血球以外のほぼ全ての細胞内にある小器官で、エネルギーの源「ATP(アデノシン三リン酸)」や、ストレスに対抗するホルモン「コルチゾール」を生成。人間にとっての"エネルギー工場"なのです。

しかし、ミトコンドリアは年齢とともに減少。さらに、若年者も含め様々な環境要因、生活習慣などで機能は低下傾向に。夏疲れの予防・解消のためには、ミトコンドリアを増やし、活発に働く体にすることが大事なのです。

夏疲れしない体作り【食事】


まずは、夏疲れしない体のための食事の注意点は?

【1】カフェイン、甘い物、冷たい物の取りすぎ注意
「カフェインや甘い物は交感神経が刺激され自律神経(※注1)が乱れるので、摂り過ぎに注意。また、冷たいものは内臓を冷やすため、交感神経が優位になって疲れの原因に。身体を内側から温めると自律神経が安定するので、水はなるべく常温で、白湯など温かい飲み物ならさらに良いです。常にお腹を冷やさず、腸内環境を良くしておくことが大切なのです」

※注1:体の機能をコントロールする「自律神経」には、心と体を活動モードにする「交感神経」と、休養・回復モードにする「副交感神経」の2種類があり、バランスを取ることが大切。

【2】質の良いたんぱく質、糖質、脂質を摂る
「たんぱく質は、肉や魚など動物性のものと、大豆製品などの植物性、どちらもバランス良く摂りましょう。糖質は、砂糖ではなく、ご飯や玄米、野菜などから正しく摂ることが大切です。脂質は、亜麻仁油などオメガ3脂肪酸など質の良い油を。また、オメガ3脂肪酸のDHAやEPAは青魚などに多く含まれます。小麦や乳製品は、腸内環境を良い状態に保つためには摂り過ぎないようにしましょう」



夏疲れしない体作り【生活習慣】


睡眠や入浴など生活習慣の注意点は?

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【1】 睡眠7~9時間! 規則正しい生活を
「太陽とともに生活することが理想です。睡眠は7~9時間、長すぎても短すぎてもよくありません。朝起きて太陽の光を浴びると、 "セロトニン"が分泌されはじめ、14時間経つと睡眠ホルモン"メラトニン"に切り替わります。そのため朝7〜8時に起きるなら、14時間後の夜9〜10時に眠るのがベスト。仕事などの関係でこの時間に眠るのが難しい人は、寝る前にサプリなどでメラトニンを摂取したり、日中にセロトニンを出すために一定のリズムを刻む運動をしましょう。散歩や縄跳び、呼吸法やガムを噛むなどでもOK」

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【2】 暑い時こそしっかり入浴
「暑い時こそシャワーだけで済ませず、湯船につかりましょう。夏は熱中症予防のためにも、入浴により正しく汗をかける体にすることが大事です。

お湯の温度は熱すぎず、40度くらいのぬるま湯で。入浴して"深部体温"(脳や内臓など身体の内部の温度)が上がると、副交感神経が高まり、その後1〜2時間ほどで自然と体温が下がります。深部体温が下がるタイミングで眠気がおこるので、睡眠の1〜2時間前に入浴するのがオススメです」

【3】 寝る前はスマホやテレビを見ない
「スマホなどのブルーライトにより、せっかく分泌されたメラトニンの生成が低下してしまいます。寝る1時間前にはスマホの使用をやめましょう。

また、熱中症予防や寝不足解消のため、寝苦しい時はエアコンをつけましょう。冷やしすぎも良くないので、設定温度ではなく"室内温度"が27〜28度になるように調整を。エアコンの除湿機能や、扇風機を上手に併用するのも良いですね」

夏疲れしない体作り【運動】


暑い中、動くのもおっくうになりますが、やはり適度な運動も大事。

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「ハードなものではなく、軽く息が上がる程度の運動を。散歩やストレッチ、屈伸や腕振りなど、少し心拍数が上がるくらいのものを行いましょう」


食事、生活習慣、運動、すべてをバランスよく。以上のことを参考に、夏疲れしない体を手に入れましょう!

※この記事は御川安仁医師の見解に基づいて作成したものです。

取材協力:御川安仁先生。ナチュラルアートクリニック(四ツ谷)院長、統合医療・栄養療法医師。災害や救急に対応できる科であった岡山大学麻酔・蘇生学教室に入局し、東日本大震災では災害派遣医療チーム(DMAT)のチームリーダーとして出動。国立国際医療研究センター救急部 臨床研修指導医、川口市立医療センター救命救急センター 医長、愛宕病院ER-救急蘇生センター救急部長などを歴任。2005年より「病気にならないようにする、できるだけ薬を使わずに治療する」ために補完代替医療を学び、2015年に開院。「自己回復力」を高め、病気にならない体をつくるための医療を続けている。著作に「体が勝手に元気になる だる消しスープ」(アスコム)、「疲れがとれない原因は副腎が9割」(フォレスト出版)。
ナチュラルアートクリニック

(取材・文/みやざわあさみ)

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