2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回はヴィッセル神戸編をお届けする。

◆開幕4連勝も2度の3連敗で失速
勝ち点23/7勝2分8敗
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昨シーズン、クラブ史上最高位となる年間7位でフィニッシュした神戸。シーズン前の積極補強によってクラブ史上最高位の更新および悲願の初タイトル獲得が期待された今季は、開幕4連勝を飾る見事なロケットスタートを見せた。だが、前半戦で2度の3連敗を喫し、急失速したチームは、一時ネルシーニョ監督の解任報道が出るなど、厳しい前半戦となった。

チーム失速の大きな要因となったのが、1試合平均1点止まりとパンチを欠いた攻撃面。清水エスパルスとの開幕戦で主砲FWレアンドロが全治6カ月の重傷を負う大誤算に加え、鹿島アントラーズに旅立ったFWペドロ・ジュニオールの後釜候補がことごとく期待を裏切った智将ネルシーニョ監督は、システム変更や選手の組み合わせで改善を試みるも、得点力不足解消は今夏の補強に委ねられることになった。また、前半戦で気になったのは、首位鹿島にこそ勝利したものの、トップハーフにいる強豪との直接対決で2勝1分け6敗と大きく負け越している点。また、得点力不足と関連し、先制を許した試合の戦績が1勝1分け8敗と反発力に欠けた戦いぶりだった。

◆ポジション別採点
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【GK&DF】50点/100点満点
17試合で22失点。昨シーズンの同時期の25失点から改善傾向にあり、前半戦最終戦の川崎フロンターレ戦で喫した5失点がなければ、より評価できる数字となったはずだ。Jリーグ2年目の守護神キム・スンギュが相変わらずの安定感を誇り、新加入のDF渡部博文と若きディフェンスリーダー、DF岩波拓也のセンターバックコンビの連係も上々。サイドバックに関してはDF高橋峻希とDF橋本和の昨季レギュラー組を軸に、MF松下佳貴とDF伊野波雅彦のマルチロール、若手DF藤谷壮がきっちりバックアップした。

【MF】50/100点満点
[4-4-2]を基本に複数のシステムを使い分けた中、大黒柱のMFニウトンと新加入のMF大森晃太郎の攻守両面に渡る奮闘が光った。その一方で、MF藤田直之が離脱を強いられたボランチと右サイドハーフに関してはメンバーを固定できず、前者はMF高橋秀人、MF三原雅俊ら、後者はMF中坂勇哉、FW小川慶治朗らが出場機会を分け合っており、後半戦に向けては新加入組の多い、前線とのバランスを考慮し、最適なメンバーの組み合わせを見つけたい。

【FW】30/100点満点
17試合で17ゴールと1試合平均でちょうど1点と迫力不足だった攻撃陣。もちろん、昨シーズンの得点王である主砲レアンドロの長期離脱が響いたことは間違いないが、チーム最多タイの3ゴールを挙げたFW渡邉千真以外のパフォーマンスが今一つだった。とりわけ、FW田中順也とMFウエスクレイ、FW大槻周平の新加入組はいずれもノーゴールに終わり、後半戦から加入するFWルーカス・ポドルスキ、FWハーフナー・マイク、終盤戦の復帰が見込まれるレアンドロらからポジションを奪うのは難しい情勢だ。

◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー
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MFニウトン(30歳/No.7)
明治安田生命J1リーグ:16試合(先発16回)/1ゴール

大森や渡部の新加入組の活躍も印象的だったが、攻守両面で存在感を放ったニウトンを選出した。アジリティや運動量に優れているわけではないが、卓越した戦術眼を生かした気の利いたポジショニングと圧倒的なフィジカルを武器に中盤の守備に安定をもたらした。加えて、攻撃では巧さと強さを兼ね備えた持ち上がりや得意の空中戦で多くの決定機に絡んだ。

◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー
FW田中順也(29歳/No.21)
明治安田生命J1リーグ:15試合(先発9回)/0ゴール

ルヴァンカップでチーム最多の4ゴールを奪ったものの、リーグ戦ではノーゴールと期待外れの前半戦となった。2列目での起用も見込まれたものの、レアンドロの長期離脱を受けて、2トップの一角で起用されたが、渡邉との連係に難を抱え、得意の左足のパワフルシュートも影を潜めた。和製ポドルスキと評される田中だが、後半戦からは本家ポドルスキの加入によって厳しい立場に立たされることになる。

◆救世主ポルディにハーフナー&主砲レアンドロ! J屈指のFW陣に期待
前半戦終了時点で首位と勝ち点13差という状況を考えれば、今シーズンの最終目標はクラブ史上最高位の更新およびAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得に下方修正せざるを得ないところだ。それでも、後半戦に向けてはクラブだけでなくJリーグ待望のスタープレーヤーであるポドルスキ、Jリーグとエールディビジで実績十分のハーフナー・マイクという、得点力不足解消の切り札となる2選手が加入する。加えて、シーズン終盤には主砲FWレアンドロの復帰も見込まれており、期待感に満ち溢れている。

後半戦巻き返しのポイントは、百戦錬磨の指揮官がポドルスキの起用法やシステムを含め、早い段階で最適な攻撃の組み合わせを見い出せるか、という部分に尽きる。加えて、やや手薄となっている最終ラインに関しては、レギュラー陣を脅かす控え選手や若手の突き上げにも期待したいところだ。