2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回は柏レイソル編をお届けする。

◆目標を上方修正
勝ち点34 / 11勝1分5敗
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昨年に引き続き「柏から世界へ」のスローガンを掲げた下平隆宏体制2年目の柏。序盤戦は開幕から6試合で2勝4敗の苦しいスタートとなった。しかし、シーズン途中に理想を二の次に、勝利を目指してハイプレス戦術を全面に押し出したスタイルを取り入れる中で、若手が覚醒。最終的に3位でシーズンを折り返したが、第7節から怒涛の8連勝を含む10戦無敗で一時首位に躍り出るなど、後半戦に向けても期待感が持てる戦いを展開した。

ここまでのチーム状況を加味した下平監督は、シーズン途中に「勝ち点60以上、ACL出場権獲得」から「J1優勝」に目標を上方修正。MFキム・ボジョンのみを補強するにとどまっているところからも、チーム状況の充実ぶりが窺える。ユース出身の若手選手が多く占めるチーム構成だけに、安定感という面で未知数なところもあるが、2011年以来となる天下統一に期待感が高まるばかりだ。

◆ポジション別採点
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【GK&DF】90/100点満点
総失点数は折り返し地点で試合数と同じ「17」。かなりの安定感を誇った。中でも、幾度も抜群のショットストップでゴールマウスに鍵をかけたGK中村航輔の存在感は抜群。遂には、日本代表にも選出された。DF中谷進之介とDF中山雄太の若きセンターバックコンビも、昨年に引き続き安定感を誇った。また、今シーズンから加入した右サイドバックのDF小池龍太も、逆サイドのDF輪湖直樹と共に豊富な運動量で攻守に躍動。このディフェンス陣の活躍ぶりがチームを支えたと言っても過言ではない。

【MF】90/100点満点
柏一筋15年目のベテラン主将MF大谷秀和が狼狽なプレーで若手を陰からフォローする姿が印象的。その中で、ユース育ちの若きパサーであるプロ2年目のMF手塚康平や、トップ下の一角からハイプレス戦術の旗手を務めるMF中川寛斗の活躍も忘れることはできない。また、両サイドハーフのMF伊東純也とMF武富孝介も、それぞれの特色を生かしてチームの攻撃にアクセント。MF細貝萌こそクローザー起用に甘んじているが、全体の出来は上々だ。

【FW】60/100点満点
前半戦全試合出場のFWクリスティアーノが得点数、アシスト数でチームトップの7得点6アシストと攻撃陣をリード。一方で、今シーズン加入で未だノーゴールのFWハモン・ロペスや、徐々に先発出場数を減らしたFWディエゴ・オリヴェイラ、FW大津祐樹のプレーぶりに関しては、能力を考えると物足りなさが否めない。他クラブと比較しても、豪華な顔ぶれが揃っているだけに、FWクリスティアーノが孤軍奮闘している状況は打開したいところだ。

◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー
GK中村航輔(22歳/No.23)
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明治安田生命J1リーグ:17試合(先発17回)/17失点
大谷や中川、手塚の活躍ぶりも際立っていたが、ひと際、その安定感抜群のショットストップでホームの日立台を煌々と照らし続けたユース出身の若き守護神をノミネートする。前半戦は、観戦者の度肝を抜く驚異的なレスポンスを武器に好守を連発。この男が連発したビッグセーブなくして、チームの躍進と現状はなかったと言っても差し支えないだろう。6月に初めてA代表に招集されたことが示す通り、J1でプレーする全GKでもトップに君臨するほど、光り輝いていた。

◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー
FWハモン・ロペス(27歳/No.20)
明治安田生命J1リーグ:4試合(先発1回)/0得点
上述した通り、期待外れのひと言に尽きる。シーズン当初こそこの男の加入により、豪華な攻撃陣結成に期待が集まったが、蓋を開けてみれば出場したのは4試合のみで、ゴール数もわずか1得点。昨シーズンまで在籍のベガルタ仙台で10得点を記録した姿はない。また、第10節からリーグ戦の出場がなく、不良債権と化しているのが現状。だが、シーズンはまだ半分が過ぎただけ。後半戦に見違えるような姿を期待したい。

◆ゲームマネジメント力が課題
後半戦のポイントは、上述でも少し触れたように、どこまでチームとしての安定感を高めていけるか。前半戦に見せた勢いは見事だったが、若いチーム構成だけに、勢いで押し切れない相手に対して、安定感やゲームマネジメントで劣る姿が多々あった。直近でいえば、前半の最終戦となった前回王者の鹿島アントラーズとの一戦だ。良い形で先制したものの、スコアをひっくり返されると、したたかな戦いに徹してきた鹿島にそのまま痛恨の逆転負け。今後もそういった拮抗した試合や、上位勢との大一番を落とすようであれば、優勝争いを演じるチームとしては命取りだ。ようやくユース出身の若手が個々の色を出し始めた中で、チームとしても良い順位でシーズンを折り返しただけに、戦い方という面でも勢いだけでなく、確実に勝ち点を拾う術を身につけていきたいところだ。