【原ゆみこのマドリッド】夜型になってしまう…

「真夏のクラシコは時間が遅くてイヤよね」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、いえ、アメリカでプレーするインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏の国際親善大会)の試合が、ヨーロッパでは真夜中の時間帯に当たり、今季初のレアル・マドリーvsバルサ戦も日曜午前2時(日本時間同9時)からキックオフなのはすでにわかっていたからいいんですけどね。この日、ようやくはっきりしたクラシコ第2弾、8月のスペイン・スーパーカップもカンプ・ノウでのida(イダ/1stレグ)が13日の午後10時(日本時間翌午前5時)、サンティアゴ・ベルナベウでのvuelta(ブエルタ/2ndレグ)に至っては16日午後11時(翌午前6時)にスタート。これって、メトロ(地下鉄)の終電に間に合わず、タクシーも30分以上、歩いてスタジアムから離れないと捕まえられなかった、何年前かのスペイン・スーパーカップと同じパターンになりかねないかも。

まあ、そのマドリーについてはまた後でお話ししますが、今週前半の私はアトレティコもメキシコ遠征、ヘタフェもオリバ(バレンシア州にあるゴルフ&ビーチリゾート)に行ってしまったため、もう1つのマドリッドの弟分、レガネスを偵察してくることに。いやあ、実は練習場を発見するというのは彼らが1部に上がった昨年夏からの自分の課題で、その時は施設のウェブページについていたgoogleマップに沿って着いた先が何故か、ヘタフェのセントロ(中央部)だったり、経路案内にあったバスに乗ってみたところ、降りる場所がわからず、終点のレガネス・セントラル駅まで行ってしまったりと目的を達成できず。

そこで今年は昨季のブタルケ(レガネスのホーム)での試合の後、クラブの広報が「あそこに見えるカルフール(大型スーパー)の向こうだよ」と教えてくれたのを頼りに、月曜の午後6時30分からの練習を目指して、セルカニス(国鉄近郊路線)のzaraquemada(サラケマダ)駅から歩きだしたんですが、太陽に焦がされながら、広大な商業施設の敷地を外側から一周してもそんなものはまったく見当たらず。結局、ブタルケに戻ってしまい、丁度、出くわしたカンテラ(ユース組織)の用具係さんに「その先のautopista(アウトピスタ/高速道路)を超えないといけない」と聞いた時点で力尽き、その日はすごすご、撤退することに。

翌朝にも9時から午前練習があったため、これは一体、何なんでしょうかね。去年はスマホのgoogleマップに施設名のInstalacion Deportiva Butarque(インスタラシオン・デポルティーバ・ブタルケ)を入れてもヒットしなかったのが、今は駅からの経路も見られるのに気づき、再びチャレンジしたところ、いや、その高速道路、歩いて渡れる気配がないんですよ。いくら、通りすがりの地元の人に「よおく周りに注意して車を避けて行くんだ」なんて言われたって、無理なものは無理。結局、高速道路とのロータリーを超えてくれるバスに乗る羽目になったんですが、ようやくたどり着いたレガネスの練習場はかなり衝撃的でしたっけ。

だってえ、そこは市営のかなり古くなった総合スポーツ施設で、隣のコートではテニスサークルみたいな女子たちが準備運動中。兄貴分のマドリーやアトレティコなどは言うまでもなく、昨今ではラージョ(2部)ですら、立派なシウダッド・デポルティボ(練習場)を持っていることを考えると、驚きが止まりませんでしたが、セッション後は選手たちが施設の入り口に近くにあるロッカールームへ歩いて戻るため、アクセスの良さでは同じ1部の弟分と似ているかも。とはいえ、ヘタフェでさえ、選手が用具のあと片付けまで手伝っているのは見たことありませんでしたけどね。折しも翌日、RMカスティージャ(マドリーのBチーム、2部Bでプレー)とのプレシーズンマッチでバルデベバス(バラハス空港の近く)のエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノを訪ねたレガネスですが、もしや、あまりの環境の差に人生の不公平さを感じたりはしなかった?

でも大丈夫。この試合、私もいつの間にか、カンポ・デ・ラス・ナシオネスからLa Feria de Madrid(ラ・フェリア・デ・マドリッド)に名前が変わっていた駅から30分歩いて見に行ったんですが、こちらも途中で高速道路を超えないといけないものの、歩道付きの陸橋があるため、手前のロータリーを横切る時、入って来る車にさえ気をつければ十分、渡れるというはともかく、レガネスはサッカーの優劣は経済格差に比例しないということを立派に証明。ソラリ監督率いるカスティージャにはほとんどチャンスを与えず、前半37分にハビ・ゲラがヘッドで、後半38分にもコネが決め、両FWのゴールで0-2と快勝することに(http://videopdapp.realmadrid.com/2017/07/26/93b58b3b-78ac-4574-b337-cb88a4134740_1000k.mp4)。

え、2つもカテゴリー差がある上、相手は7日前に練習を開始したばかり。更に8人程、トップチームのロサンジェルス・キャンプに駆り出されている事情を考えたら、もっと得点差がついても良かったんじゃないかって?そうですね、ただレガネスはその日の午前中も練習をしていますし、アシエル・ガリターノ監督も「No deja de ser un entrenamiento de calidad/ノー・デハ・デ・セル・ウン・エントレナミエントー・デ・カリダッド(質の高い練習にすぎない)」と言っていましたからね。おまけに今週も彼らはグンバウ(バルサB)、マウロ・デ・サントス(エイバル)、エラソ(アスレティック)、シャンパーニュ(オリンポ)と補強が次々と到着。チーム再構成の真っ最中となれば、フエンラブラダ(2部B)戦に続いて2連勝というのは褒めてあげていいかと。

というのも実はその夜、というか、翌日早朝、アメリカでのプレシーズンマッチ第2戦に挑んだマドリーが先日のマンチェスター・ユナイテッド戦に続き、マンチェスター・シティにも負けて、連敗してしまったから。おまけに今度はPK戦で負けるなんて生ぬるいものでなく、後半7分、CKからオタメンディに決められたのを皮切りにスターリング、ストーンズ、ブラヒム・ディアスにゴールを奪われる始末で、終了間際にグティ監督率いるフベニルA(カスティージャの下のユースチーム)から、抜擢されて参加していた19歳のオスカルがミドルシュートで1点を返すに留まっただけ。

そう、1-4の大敗となれば、ジダン監督も「Hemos bajado la intensidad y el partido fue como fue/エモス・バハードー・ラ・イテンシダッド・イ・エル・パルティードー・フエ・コモ・フエ(ウチはプレーの強度を落としてしまい、あんな試合になった)。結果は悪いが、悪いゲームではなかったよ」と呑気にしている場合ではないかと。

うーん、このロサンジェルス・メモリアル・コリセウムでの一戦ではユナイテッドの時より少し遅れて、後半15分に選手の総取っ替えがあったんですけどね。その直前から点を取られ始めているため、カルバハル、ナチョ、バラン、マルセロの先発DF陣も後を継いだアシュラフ、テヘロ、バジェホ、テオらも同程度にミスがあったよう。幸い、試合時間が時間だっただけに、私同様、この試合を見た人が少なかったか、特にスペイン国内で批判は上がっていないものの、次の相手は宿命のライバル、バルサですからね。いくらマドーはBBCM(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウド、エムバペの頭文字)どころか、まだロナウドがバケーション中のため、BBCすら揃っていないとはいえ、シティ戦のようにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を許すようなことがあれば、それこそ何を言われることやら。

いえ、一応、シティのグアルディオラ監督は「彼らからボールを奪うのは大変だし、イスコ、モドリッチ、カセミロ、コボチッチといった質の高い選手たちの前でプレーするのは凄い努力がいる」と持ち上げてくれてはいたんですけどね。これも最後は「El Madrid nunca juega mal, fuimos muy buenos nosotros/エル・マドリッド・ヌンカ・フエガ・マル、フイモス・ムイ・ブエノス・ノソトロス(マドリーは決して悪いプレーはしない。ウチがとても良かったということだ)」と自画自賛になっていたのは何ともはや。

それでも金曜にマイアミに移動する前、UCLAのグラウンドで最後となったセッションでは右耳の状態が良くなく、試合に出ずにずっと個別練習だったセルヒオ・ラモスも合流し、シティ戦を右足首ネンザで欠場したクロースもバルサ戦には出られるかもしれないため、あまり悲観はしたくないんですが…ここまでユベントス、ユナイテッド戦で3得点とチーム全てのゴールを挙げ、2連勝に貢献しているネイマールが丁度、金曜の練習中に新加入のセメド(ベンフィカから移籍)に腹を立て、自主早退したなんてトラブルもあったようですし(https://www.youtube.com/watch?v=9i7Zap0TRc8)、いっそPSG電撃移籍決定なんて、土曜中にはムリですかねえ。

え、ここまで無視されているようだけど、アトレティコも水曜早朝にはトルーカとこの夏、最初の親善試合があったんだろうって?いやあ、頑張って、午前3時のキックオフから、前半だけは私も見たんですが、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)からも伝わってきた通り、あまりの点の取れなさ感に後半はリタイア。起きてみると案の定、スコアレスドローだったため、正解だったことが判明したんですが、シメオネ監督は「今はプレシーズンの大事な時期で足が疲れているのがわかる。Nuestro primer objetivo es reforzar el bloque/ヌエストロ・プリメール・オブヘティボ・エス・レフォルサル・エル・ブロケ(ウチの最初の目標はチームの核を強くすること)。その先は試合に勝つという大事なことに個人個人の力で応えてくれるだろう)」と、あくまで楽観的。

まあ、相手を零封できましたし、ヒザの靭帯断裂で昨季をほぼブランクで終えたアウグストが復帰するなど、収穫がなかった訳ではないですけどね。メキシコシティが海抜2600メートルと身体的に厳しい場所だったこともありますが、それにしても帰国して木曜夕方と金曜早朝7時45分から、マハダオンダ(マドリッド近郊)で行われた2セッションでは監督がゴールを入れろと選手たちを何度も叱咤。やっぱり本音はそんなところではないかと思いますが、実は1つだけ朗報もあったんです。それはサウルが3日程、予定を早めて姿を見せたことで、何せ、木曜朝のシティ戦には6月にU21ユーロを一緒に戦ったアセンシオ、セバジョス、マルコス・ジョレンテ、バジェホ、マジョラルらもマドリーのユニを着て、もうプレーしていましたからね。

いくらその大会で得点王になったとて、金曜にようやくマドリッドに戻って来たロナウド並の待遇は恐れ多いと当人が気づいたか、自主的に練習を始めたようですが、もちろん来週火曜水曜にあるアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)には間に合う訳もなし。8月11、12日にヘタフェ、レガネスと続くマドリッド兄弟チーム親善対決辺りにでもチラと顔見せができればいい方でしょうが、いやあ、MFのゴールまでアテにしないといけないとはグリースマン、フェルナンド・トーレス、コレア、ビエットら、まだ恥骨炎の手術からのリハビリをしているガメイロを除いたFWたちは一体、何をしている?

今更、愚痴っても仕方ありませんけどね。移籍が決まりそうでまだ決まらないジエゴ・コスタ(チェルシー)もようやく、バケーション中に太りやすい体質なのを思い出したか、この2カ月でついた贅肉を落とすために自主トレを始めたようですが、どちらにしろアトレティコでプレーできるのはFIFA処分が済んだ来年1月から。丁度、私が金曜に売店で見つけたアトレティコ専門誌、「Diario La Grada(ディアリオ・ラ・グラダ)」に載っていたインタビューで、バカンスは彼女とメキシコのリビエラ・マヤで過ごしたというコケも「1月に来る選手たちがチームをより強くしてくれるだろうけど、hasta entonces tenemos que dar la talla para que no se nos escape ningun objetivo/アスタ・エントンセス・テネモス・ケ・ダール・ラ・タジャ・パラ・ケ・ノー・セ・ノス・エスカペ・ニングン・オブヘティボ(それまで1つも目標を取り逃がすことないよう、ボクらが実力を示さないと)」と言っていたように、今いるメンバーで早くゴールも入るようになるといいんですが…。

そして最後に現在、オリバでキャンプ中のヘタフェも金曜夜、アルコジャノ(2部B)と最初のプレシーズンマッチに挑んだんですが、結果は1-1の引き分け。昨季の昇格メンバー中心でプレーした前半は点が入らず、後半10分にはアルバロ・ヒメネスのゴールで先制したものの、その7分後に追いつかれると、勝ち越し点は奪えませんでした。ちなみに柴崎岳選手も後半頭から出場したんですが、このランクの親善試合になると、普通のTV中継はもちろんなく、マルカ(スポーツ紙)のマッチログも大雑把なんですよ。以前、AS(マルカの競合紙)のヘタフェ番記者からは現地には行かず、地元のラジオに電話してレポを書いているなんて話も聞いたこともありますしね。よって、細かなことはまだよくわかりませんが、土曜の朝ぐらいにはヘタフェのホームページ(http://www.getafecf.com)にビデオが出るかも。そんなヘタフェも来週はマドリッドに戻って練習となるため、もっと情報が増えることを期待しています。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。