ヨーロッパリーグ(EL)準決勝1stレグ、アーセナルvsアトレティコ・マドリーが日本時間26日28:05にアーセナル・スタジアムでキックオフされる。初顔合わせとなったアーセナルとアトレティコの優勝候補2チームによる、事実上の決勝戦の第1ラウンドだ。

チャンピオンズリーグ(CL)敗退組CSKAモスクワとの準々決勝を2戦合計6-3で制したアーセナルは、クラブ史上初のEL制覇と来季CL出場権獲得へまた一歩近づいた。しかし、国内リーグでは前々節のニューカッスル戦で公式戦8試合ぶりの敗戦を喫すると、20日には22年間クラブを率いてきたヴェンゲル監督の今季限りでの退任が発表され、クラブに激震が走った。それでも、直近のウェストハムとのダービーでは一時追いつかれながらも終盤のゴールラッシュで4-1の大勝。フランス人指揮官に有終の美を飾らせようと、チームは再び一丸となった姿勢を見せている。

一方、スポルティング・リスボンとの準々決勝を1勝1敗で終えるも2戦合計2-1で逃げ切りベスト4進出を果たしたアトレティコ。だが、勤続疲労や選手層の薄さが目立つチームは、国内リーグ前々節のレアル・ソシエダ戦で0-3の完敗を喫すると、前節のベティス戦もゴールレスドローで終え2戦未勝利。この結果、リーガ逆転優勝の可能性はほぼゼロとなった。そのため、新本拠地ワンダ・メトロポリターノでの最初のシーズンを良い形で終えるためにもクラブ史上3度目のEL制覇は必須だ。

共にヨーロッパのコンペティションの常連同士ながら公式戦では初対決となる。唯一、2009年のエミレーツカップで対戦した際にはアーセナルが2-1で勝利している。また、両チームに在籍した古巣対戦の選手もおらず、非常にフレッシュな顔合わせとなる。その一方で、アーセナルでは元レアル・マドリーMFエジル、チェルシーでは元チェルシーのFWジエゴ・コスタ、FWトーレス、DFフィリペ・ルイスとかつてライバルチームに在籍したプレーヤーもいる。

◆アーセナル◆
【4-2-3-1】

アーセナル予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:チェフ
DF:ベジェリン、ムスタフィ、コシエルニー、モンレアル
MF:ラムジー、ジャカ
MF:エジル、ウィルシャー、ウェルベック
FW:ラカゼット
負傷者:MFカソルラ、ムヒタリアン、エルネニー、ウィルシャー、エジル
出場停止者:FWオーバメヤン

レギュレーションの問題でオーバメヤンが登録メンバー外となり引き続き欠場する。負傷者に関してはカソルラ、ムヒタリアンに加えて、直近のウェストハム戦で負傷したエルネニーの欠場が確定。また、ウィルシャーやエジルのコンディションも危ぶまれる。

システムは局面によってジャカがアンカーに近い立ち位置を取る[4-2-3-1]の採用が濃厚だ。もちろん、2トップのアトレティコ対策として[3-4-3]のオプションもあるが、勝利が求められるホームでの初戦だけにヴェンゲル監督がサプライズを行う可能性は低い。前線の構成に関してはウィルシャーやエジルの状態次第でイウォビが代役を担うことになる。

◆アトレティコ・マドリー◆
【4-4-2】

アトレティコ・マドリー予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:オブラク
DF:ヴルサリコ、サビッチ、ゴディン、リュカ
MF:コレア、トーマス、サウール、コケ
FW:ガメイロ、グリーズマン
負傷者:DFフィリペ・ルイス、フアンフラン、FWジエゴ・コスタ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはフィリペ・ルイスとフアンフランのベテランサイドバックが共に欠場する。その一方で、筋肉系のトラブルで直近3試合を欠場したジエゴ・コスタは遠征メンバー入りを果たしており、復帰の可能性を残す。

ジエゴ・コスタの先発起用が難しいため、オプションの[4-1-4-1]の可能性はなく[4-4-2]の採用が濃厚だ。注目は中盤のメンバー構成とグリーズマンの相棒。アウェイ仕様でより守備的に戦うならば、コレア(ビトロ)に代えてガビを起用する“クアトロ・ピボーテ”も考えられる。また、前線でよりタメを作ることを考えれば、ガメイロではなく高さと強さのトーレスを起用するはずだ。

★注目選手
◆アーセナル:FWアレクサンドル・ラカゼット
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アーセナルの注目プレーヤーは、昨夏加入が内定していた意中のクラブと対峙するラカゼットだ。昨夏、アトレティコ移籍がクラブ間、個人ともに内定していたラカゼットだったが、FIFAからの補強禁止処分の影響で移籍は破談に終わり、新天地はアーセナルとなった。そのアーセナルではシーズン序盤こそ結果を残せたものの、その後は低迷するチームと共に自身も思うように結果を残せず。それでも、ヒザの手術から復帰して以降の公式戦6試合では6ゴールを挙げる活躍を見せており、レギュレーションの問題でオーバメヤンを起用できないELではエースストライカーの役目を担う。盟友グリーズマンを含め本来チームメートになるはずだったアトレティコの面々を相手にきっちり仕事を果たしたい。

◆アトレティコ・マドリー:FWアントワーヌ・グリーズマン
Getty Images
アトレティコの注目プレーヤーはグリーズマンだ。今季もアトレティコのエースとして活躍するグリーズマンだが、シーズンを通してパフォーマンスに波がある。今シーズンのリーガでは前半戦19試合で5ゴールと得点力不足に苦しんだ一方、後半戦に入ってからは2度のハットトリック(1試合は4ゴール)を含む14ゴールを記録している。ただ、直近の公式戦5試合では3ゴールを記録しているものの、試合毎のパフォーマンスのばらつきが目立っており、ややエースとして信頼感にかける状態だ。今回の一戦に向けては頼れる相棒、ジエゴ・コスタの不在が予想されており、前線で孤立を強いられる可能性が高い。その中でガメイロやコレアと連携しながら少ない決定機を確実に決め切る勝負強さが求められる。