今シーズンの明治安田生命J1リーグで最も注目を集めているクラブの1つであるヴィッセル神戸は、フアン・マヌエル・リージョ監督の下で新たな時代を迎えようとしている。目指す形は、“VIPトリオ”と呼ばれる豪華なアタッカー陣を存分に生かした、支配的なフットボールだ。

ところが、注目の開幕戦では元スペイン代表FWダビド・ビジャと元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキを最前線でワイドに開かせ、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタに自由を与える[4-3-1-2]で臨み、ポゼッションこそ高めたものの、セレッソ大阪に0-1で敗北。しかし、[4-2-3-1]でビジャをトップに配した第2節サガン鳥栖戦では、同選手がスコアラーの役割を果たし、初白星を飾った。

◆バルサ化に欠かせないピース
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言わずもがなだが、今シーズンの神戸においてビジャが果たす役割は非常に大きい。C大阪戦では敗れこそしたものの、ドリブル成功率100%、アタッキングサードパス成功率78.6%、シュート3本でチームトップの数字を記録。鳥栖戦では中央のポジションということでドリブルやチャンスメイクは鳴りを潜めた半面、シュート本数は5本に増加した。

必要に応じてチャンスメイカーとなり、ストライカーとしてゴールに近付けばしっかりと得点を奪う。それがビジャという選手だ。イニエスタがバルセロナ化の指針を示す“体現者”だとすれば、その流れを“加速”させるのはビジャに他ならない。常に豊富な選択肢を用意しなくてはならないアクションサッカーの中で、打開の局面で出し手にも受け手にもなれる選手は不可欠だ。

◆驚異的なコンスタントさ
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また、スペイン代表歴代最多得点、ワールドカップ制覇、チャンピオンズリーグ(CL)優勝。輝かしい経歴を持つビジャの最大の凄さは、恐ろしい程コンスタントな部分にある。2001年にスポルティング・ヒホンでプロデビューを飾って以来、17年間のキャリアでビジャの得点数が「20」を下回ったのは、デビューシーズン含め5度のみ。そして、15ゴールを下回ったのは、骨折により半年間を棒に振った2011-12シーズンのみだ。

今シーズンの神戸では、リージョ監督が本格的に改革に取り組み始めたばかり。時間のかかる戦術故、これから様々な困難に晒されるだろう。しかし、ヒホン、サラゴサ、バレンシア、バルセロナ、アトレティコ、ニューヨーク・シティ、メルボルン・シティと渡り歩いた全てのクラブで結果を残した男は、窮地に立つことを許さない。
《超ワールドサッカー編集部・上村迪助》