4日に行われたDFBポカール3回戦のシャルケvsヘルタ・ベルリンにおいて、一部シャルケサポーターによる人種差別行為が発覚した。『ESPN』が伝えている。

同試合では2-2のスコアで延長戦に突入し、最終的に数的優位を生かしたシャルケが延長後半にFWベニート・ラマンの決勝ゴールで3-2の劇的な逆転勝利を手にした。

しかし、ホームチームの勝利に大きく水を差したのが、一部シャルケサポーターによる人種差別行為だった。

問題が起きたのはシャルケが2点ビハインドで臨んだ後半。一部のホームサポーターは、ヘルタのナイジェリア系ドイツ人のDFヨルダン・トルナリガに対して、執拗にモンキーチャントを浴びせていたという。

これに気付いたトルナリガはチームメートやコーチングスタッフ、審判団に対してその事実を訴えたが、試合はそのまま中断されることなく続行。さらに、90分間が終了して延長戦に入る前にも再度審判団に対してヘルタ側から何らかの対応を求める声が出ていたが、このタイミングでもその訴えは無視されることに。

そして、再三に渡る人種差別行為に対して明らかに心を痛めていたトルナリガは、延長前半にピッチサイドに出たボールを拾いにいった際、相手指揮官のデイビッド・ワグナー監督が倒れた自身を起こそうとしていたにも関わらず、ドリンクボトルを入れる空箱をピッチに叩きつける非紳士的な行為で2枚目の警告を受けて退場処分となった。

トルナリガの最後の行為は間違いなく警告に当たる行為だったが、同選手をそこまで追い込んだのは紛れもなく一部シャルケサポーターによる卑怯な行いだった。

同試合後、ヘルタを率いるユルゲン・クリンスマン監督は再三に渡る対応を求めながらも選手を守らなかった審判団やマッチオフィシャルに憤りを見せた。

「延長戦に入る前にヨルダンは人種差別被害を受けていることを伝えてくれた。彼を心から気の毒に思っているし、彼は普段ああいった行為をする人間じゃないんだ」

「我々はどうにか彼を落ち着かせようとしていた。同時に審判に対してプレーヤーを守るように求めた。彼があのような行動に出ざるを得なかった状況を考えると、本当に辛い気持ちだ」

また、チームメートのDFニクラス・シュタルクは、「ヨルダンは確かにとても感情的なプレーヤーだ。だけど、モンキーチャントといった人種差別行為は本当に残念なことだし、想像すらできないものだ」

「完全に恥ずべき行為だと思うし、僕たちはチームとしてクラブとして、さらにブンデスリーガとして彼を支える必要がある」

一方、シャルケの決勝点を記録したラマンも試合中にトルナリガの苦しむ姿を見ていた1人だ。「彼はピッチで涙を浮かべていた。そしてもうこの場を去りたいと話していたんだ」と、同選手のピッチ上での様子を語った。

なお、今回の人種差別行為発覚を受けて、シャルケ幹部のヨッヘン・シュナイダー氏は、「こういった馬鹿者に対して同情の余地は一切ない」と強い口調で糾弾するとともに、被害者のトルナリガを含むヘルタ陣営への謝罪の言葉と共に、地元警察、DFBと連携して犯人の特定に全力を注ぐことを約束している。