2020シーズンの明治安田生命J1リーグ開幕節、湘南ベルマーレvs浦和レッズが21日にShonan BMWスタジアム平塚で行われ、アウェイの浦和が3-2で勝利した。

湘南は昨シーズンのJ1を16位で終え、徳島ヴォルティスとのJ1参入プレーオフ決定戦を辛くもドローに持ち込み、薄氷の残留を決定した。浮嶋体制継続の下で臨む今シーズンに向けてはJリーグYBCルヴァンカップ初戦の大分トリニータ戦を1-0で勝ち切り、上々の滑り出しを見せた。公式戦連勝を目指すこの開幕戦に向けては大分戦から先発4人を変更。齊藤、鈴木冬の東京五輪世代の若手に、古巣対戦の山田、石原直が起用された。

一方、昨季はACLで準優勝もJ1では14位と残留争いを強いられた浦和だが、ルヴァンカップ初戦ではベガルタ仙台に5-2の圧勝を飾り、捲土重来のシーズンを印象付けた。その仙台戦からは負傷でベンチ外の杉本に代わってエースの興梠をJ1初挑戦のレオナルドの相棒に選択した。

2020年のJ1開幕を告げる“フライデーナイトJリーグ”。互いにやや様子見の入りを見せた中、ホームの湘南がファーストチャンスをゴールに結び付ける。7分、立ち上がりからサイドバックの裏のスペースを狙う意識を見せていた湘南は、左ウイングバックの鈴木冬がゴール前にクロスを供給。これに反応した石原直がフリーでヘディングシュートを放つと、古巣のゴールネットを揺らした。

石原直に今季J1初ゴールを献上した浦和はすぐさま反撃を開始。前線からボールを奪いに行くアグレッシブな姿勢から2トップに幾度か良い形でボールが入りかけるが、最後のところでうまくいかない。逆に、切り替えの部分で相手に上回られると、ショートカウンターから山田やタリクに際どい場面を作られた。

それでも、今季プレシーズンから攻撃に自信を見せていた浦和は決定力に長けた2トップの活躍で一気に試合を引っくり返す。まずは39分、左サイドの山中から絶妙な浮き球のフィードが出ると、これにオフサイドラインぎりぎりで抜け出した汰木がボックス付近まで持ち運んでグラウンダーの折り返し。興梠のダイレクトシュートはGK富居の好守に阻まれるが、こぼれ球にいち早く反応したベテランストライカーがきっちり押し込んだ。

エースの一撃で追いついたアウェイチームはさらに42分、セットプレーの二次攻撃から左サイドの山中が再び絶妙なボールをゴール前に供給。ファーサイドで相手MF石原広に競り勝ったレオナルドが難しい体勢からのヘディングシュートをきっちりと枠に飛ばし、直近のルヴァンカップに続くJ1デビューゴールとした。

2トップ揃い踏みの活躍によって浦和の1点リードで折り返した試合は後半も立ち上がりは湘南ペースで進んでいく。なかなかフィニッシュまで持ち込めない状況が続いたが、65分にゴールをこじ開ける。石原広からサイドチェンジを受けた左サイドの鈴木冬が短く内に運びながら高精度のクロスを入れると、ファーサイドでうまくDF2枚の間に入った山田がヘディングで合わせ、石原直に続き古巣への恩返しゴールとした。

さらに、畳み掛ける湘南は69分、ボックス右ライン際で石原広がDF鈴木大と競った際に鈴木大の手にボールが触れたとしてVARによるレビューが入る。そして、オンフィールドレビューで当該場面を確認した佐藤主審はノーファウルの判定からPKに判定を変更した。

J1初のVAR介入で湘南に絶好の勝ち越し機会が生まれたが、キッカーのタリクが左を狙ったシュートはクロスバーの上部を叩いて痛恨の失敗となった。

このPK失敗で試合はより拮抗した展開に変化していく中、両ベンチは積極的に交代カードを切っていく。そして、この交代策が最終的に試合を動かす。85分、浦和のロングカウンターで左サイドを個人技で突破したマルティノスがボックス手前の関根に斜めのパスを繫ぐ。ボックス中央の密集で複数のDFを相手にドリブルを仕掛けた関根が左足のシュートを放つと、少し相手にディフレクトしたグラウンダーのシュートがゴール左下隅に決まり、浦和が勝ち越しに成功した。

さらに、前述のマルティノスとの競り合いの中で負傷した中川がプレー続行不可能となり、湘南は交代枠を使い切った中でここから10人の戦いを強いられる。そして、山中に代えて槙野を投入する守備的な采配でこのまま逃げ切った浦和が湘南とのシーソーゲームを3-2で勝利。苦しみながらも今季開幕戦を白星で飾った。

湘南ベルマーレ 2-3 浦和レッズ
【湘南】
石原直樹(前7)
山田直輝(後20)

【浦和】
興梠慎三(前39)
レオナルド(前42)
関根貴大(後40)