アイルランド代表MFジェームズ・マクレーンの子供たちに対する、「歴史の授業」が物議を醸している。イギリス『デイリー・メール』が報じている。

現在、チャンピオンシップ(イングランド2部)のストーク・シティに在籍するマクレーンは、イギリスの外出禁止令にのとって家族と共に自宅待機中。その中で同選手が『インスタグラム』のストーリーに投稿した1枚の画像が物議を醸している。

マクレーンが投稿した「歴史の授業」とキャプションが付いた画像には、アイルランド共和軍(IRA)を模したフェイスマスクを着用した同選手が、2人の子供たちに授業をしている様子が写されていた。

そして、以前からアイルランド民族主義を支持するマクレーンの暴力的なイメージを助長する今回の投稿に多くのユーザーから非難の声が上がっている。

なお、現時点では今回の投稿に関する所属元のストークと、フットボール・アソシエーション・オブ・アイルランド(FAI)からの反応はない。

アイルランド北部出身のマクレーンは、これまでウィガン、WBA、ストーク・シティと在籍したイングランドのクラブにおいて、リメンブランス・デー(戦没者追悼記念日)の特別ユニフォームの着用を拒否し続けてきたことが物議を醸してきた。

リメンブランス・デーとは、1918年11月11日に第一次世界大戦が休戦したことを記念した日のことで、イギリスではおよそ90万人といわれる戦没者への追悼行事を毎年行われている。また、プレミアリーグを含めイギリスのプロスポーツなどでは、毎年この時期にリメンブランス・デーを記念して胸に赤いポピーの花を模した特別なユニフォームを着用することが多い。

だが、マクレーンは、リメンブランス・デーが第二次世界大戦を含めた2度の大戦の戦没者だけでなく、その後の地域紛争の戦没者も含まれていることが問題だと主張してきた。

「僕には2つの世界大戦で亡くなった人たちへの完全な尊敬の念がある。とりわけ、祖父を含めてよく知っているアイルランドの人たちへの想いは強いよ。その他にも正しい行いをしてきた人たちには強い哀悼の想いがあるんだ。仮に、ポピーが第一次世界大戦、第二次世界大戦で失われた魂のためだけのシンボルであるならば、僕は喜んでそのユニフォームを着用すると思う」

「だけど、僕にとっての問題はポピーが1945年以降の紛争で亡くなった犠牲者にも当てはまるということだ」

「僕のようにアイルランド北部出身で、とりわけデリー(1972年に起きた血の日曜日事件の舞台)の人たちには、ポピーは全く異なる意味のものなんだ」

なお、マクレーンが言及した『血の日曜日事件』は、1972年にアイルランド北部のデリーで市民デモを行っていた無抵抗の市民が、イギリス軍によって虐殺されたアイルランド史における重大な事件の1つ。マクレーンにとっては、そういった犠牲者と大戦の犠牲者が一緒くたにされていることに違和感を覚え、特別ユニフォームの着用を拒否している。

マクレーンがいかなる信条を持つかはあくまで個人の勝手だが、北アイルランドをイギリスから分離させるため、過去に多くの犠牲者を生む武装活動を行ってきたIRAを模した姿で子供たちと向かい合う姿は、子供を持つ親を中心に受け入れがたいものに映ったようだ。