ドイツサッカー連盟(DFB)は、アメリカで抗議活動が広がる白人警官による黒人男性暴行死に関連するメッセージを公式戦中に発した4選手に関する調査に乗り出した。『ロイター通信』が伝えている。

現在、アメリカでは今月25日にミネアポリス近郊で起きたアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさん(享年46)の暴行死事件を発端に、白人による黒人への差別行為に対する抗議活動が大きな広がりを見せている。

そして、その抗議活動はヨーロッパにも広がりを見せており、先週末に行われたブンデスリーガでは、ドルトムントのイングランド代表MFジェイドン・サンチョと、モロッコ代表DFアクラフ・ハキミが、「ジョージ・フロイドのために正義を」と書かれたメッセージTシャツを披露。

また、シャルケのアメリカ代表MFウェストン・マッケニーは「ジョージのために正義を」と書かれた特別な喪章を腕に巻き、ボルシアMGのU-21フランス代表FWマルクス・テュラムは、アメリカでの人種差別に対する抗議活動の代名詞の1つとも言えるヒザを付くパフォーマンスを披露し、人種差別撲滅に向けたメッセージを発していた。

前述の4選手の行為はクラブ公式SNSがハッシュタグを付けて拡散するなど、基本的には賛同を得ている。

だが、DFBは欧州サッカー連盟(UEFA)が人種差別撲滅に向けて掲げる『No To Racism』とはやや趣が異なり、政治的な問題を含むため、国際サッカー評議会(IFAB)の「試合中に着用するキットに政治的、宗教的、あるいは個人的なスローガン、声明、またはイメージを含めることができない」との規則に抵触するかどうかを確認するための調査を行う意向を明らかにした。

ただ、DFBのライナー・コッホ副会長は、「今回の調査は試合中およびピッチ上でこういったアクションを行うのが、適切であるかどうかを確認することが目的だ」と、選手たちが発したメッセージ自体は尊重している。

なお、前述の4選手のうち、試合中にイエローカードを出されたのはサンチョのみだったが、その警告理由はあくまでユニフォームを脱いだことに対するもので、政治的なメッセージを示したことは警告対象ではなかったという。

そのため、前述の4選手に何らかの処分が科される可能性は極めて低く、今後DFBは人種差別撲滅に向けたキャンペーンという形で、選手たちが試合中にそういったアクションを起こさなくてもいい環境作りを検討しているようだ。