かつてリバプールやレアル・マドリー、ニューカッスルなどで指揮を執り、現在は中国スーパーリーグの大連人職業を率いるラファエル・ベニテス監督が、ヨーロッパへの帰還を検討しているようだ。イギリス『インデペンデント』がスペイン人指揮官の中国での現状を伝えている。

2004-05シーズンにリバプールでチャンピオンズリーグ(CL)を制し、その後も欧州のビッグクラブを渡り歩いたベニテス監督は、2019年に欧州を離れ大連人職業(当時は大連一方)の指揮官に就任。

途中就任となった昨シーズンは6勝6敗3分けの戦績で最終的に9位フィニッシュとなったが、就任2年目となった今シーズンは大きく低迷。新型コロナウイルスの影響で7月に開幕がずれ込み、レギュレーションが通常の16チームによるホーム&アウェイ制から、蘇州と大連の2都市で2グループに分けてのグループステージ方式に変更となった中、グループAで2勝7敗5分けと大きく負け越し、7位で残留プレーオフに回ることになった。

そして、10月17日にはグループBで6位の石家荘永昌と残留をかけたプレーオフ初戦に臨むことになる。

『インデペンデント』によると、ベニテス監督はこうしたクラブの現状に不満を抱いているという。現在、中国スーパーリーグでは12人の外国人監督が指揮を執っており、そのほとんどが高額のサラリーを大きな目的としている。

一方でベニテス監督は月給100万ポンド(約1億3000万円)のサラリーに魅力を感じたことは事実であるものの、それと同時に同クラブにタイトルをもたらすことを真剣に求めているという。

ただ、サラリーキャップの導入や名門クラブの既得権を守るための様々な政治的問題など、新興クラブである大連人職業が広州恒大など強豪クラブと渡り合うことは困難であり、それがスペイン人指揮官の大きな不満に繋がっているようだ。

そのため、現在ベニテス監督はトップチームを残留に導くという、当初のタイトル獲得という大きな目標から考えると、不本意な仕事に挑みつつ、自身が去った後のためのインフラ構築に尽力している。

昨年には数名のスペイン人コーチを招き、アカデミーの指導にあたり、2億5000万ポンド(約340億円)をかけて建設されたトレーニング施設の監修にあたってきた。

そのクラブのレガシー構築の仕事には満足しながらも、肝心のトップチームでの苦戦に加え、新型コロナウイルスの影響により家族のいるイギリスとの間を自由に行き来出来なくなったことも、中国でのキャリアを続けるうえで大きなマイナスになるだろう。

現在60歳のベニテスだが、あと10年は指導者キャリアを続けられると考えているという。大連人職業との契約は2021年末までだが、仮に今シーズンに降格となった場合、それよりも早い時期に欧州へ帰還する可能性もあるかもしれない。