プレミアリーグ第15節、アーセナルとチェルシーによるビッグロンドン・ダービーが26日にエミレーツ・スタジアムで行われ、ホームのアーセナルが3-1で勝利した。
 
直近7戦未勝利(5敗2分け)で15位に低迷するアーセナル(勝ち点14)は、前節エバートンに競り負けると、直近のEFLカップでもマンチェスター・シティに1-4のスコアで大敗し公式戦連敗中。就任丸1年を迎えたアルテタ監督の解任論も囁かれる中、勝ち点3必須のダービーではコロナウイルス陽性反応者の濃厚接触者となったガブリエウ、体調不良のウィリアンらがメンバー外に。代わって今季リーグ未出場のパブロ・マリ、スミス=ロウの2選手をマルティネッリと共に今季初めてスタメンで起用。また、負傷明けのオーバメヤンがベンチ入りを果たした。
 
一方、5位のチェルシー(勝ち点25)はエバートン、ウォルバーハンプトン相手に今季初の連敗を喫したが、直近のウェストハムとのダービーに3-0の快勝。有力なタイトルコンテンダーとして見事にリバウンドメンタリティを示した。上位再浮上に向けて連勝を狙う敵地でのダービーではいずれも軽傷によって欠場の可能性があったリース・ジェームズ、チルウェルの両サイドバックが間に合ったことで、現状のベストメンバーが先発に名を連ねた。
 
ボクシング・デー開催となった今季プレミア最後のビッグマッチはホームチームが積極的な入りを見せる。この試合、最前線にラカゼット、2列目に右からサカ、スミス=ロウ、マルティネッリを並べた[4-2-3-1]の布陣で臨んだアーセナルは開始30秒過ぎにサカとベジェリンの右サイドでの連携から最後はボックス内のマルティネッリがボレーシュートも、これは枠の右に外れる。
 
アーセナルの予想外の並び、アグレッシブなプレーにやや面食らったチェルシーだが、時間の経過と共にジェームズ、コバチッチ、プリシッチが並ぶ右サイドを起点に良い形でボールを動かし反撃に転じていく。13分にはプリシッチの仕掛けで得たボックス手前右好位置のFKの場面でキッカーのマウントが右足で直接狙うが、枠の外側から巻いたシュートは惜しくも右ポストの外側を掠めた。
 
以降はアウェイのチェルシーが長短交えたパスやドリブルと多彩な仕掛けでアーセナルのプレッシャーをかいくぐり、相手陣内の深い位置を取るなど主導権を握る。対するアーセナルはロングカウンターを主体としつつ、要所では強度の高いハイプレスで応戦。25分には相手陣内右サイドでチアゴ・シウバからボールを奪い、ボックス右に抜け出したベジェリンから決定的なボールが折り返されるが、ゴール前に飛び込んだスミス=ロウは合わせ切れない。
 
アーセナルの健闘により、ダービーらしい一進一退の攻防が続く中、先にスコアを動かしたのはホームチーム。33分、左CKの二次攻撃からジャカの局面を変える絶妙なフィードに反応したティアニーが左サイド深くで仕掛けると、深い切り返しでDFジェームズと入れ替わったティアニーが後方から倒されてPKを獲得。これをキッカーのラカゼットがきっちり決めた。
 
この先制点によって完全にノッたホームチームは受けに回ることなく、より相手に対する圧力を強めて果敢に2点目を狙いに行く。すると前半終了間際の44分、サカの仕掛けで得たボックス手前右のFKの場面でキッカーのジャカが得意の左足を振り抜くと、壁の上を越えた強烈なシュートがゴール右上隅の完璧なコースに突き刺さり、3試合の出場停止から戻ってきたばかりのスイス代表MFが禊のファインゴールを決めてリードを2点に広げた。
 
絶不調の対戦相手に油断があったか、2点ビハインドに加えて枠内シュート0で前半を終えたチェルシーはコバチッチ、ヴェルナーに代えてジョルジーニョ、ハドソン=オドイをハーフタイム明けに投入。前から積極的にボールを奪いに行くアグレッシブな入りを見せるが、序盤の攻勢も決定機には繋がらない。
 
一方、後半も大きくアプローチを変えずに戦うアーセナルは最初のチャンスをゴールに結びつける。56分、カウンターから右サイドを持ち上がったベジェリンがタッチライン際に流れたスミス=ロウに繋ぐ。そして、スミス=ロウから短い横パスを受けたサカがボックス右に持ち込み、一度中を確認して上げた右足のクロスがそのままゴール左のサイドネットに決まった。
 
痛恨の3失点目を喫したチェルシーはこれで集中力が完全に切れてしまったか、連携ミスやイージーミスが目立ち、ゴールはおろか枠内シュートを放つことさえできない。逆に、64分にはティアニーにサイドを突破され、ゴール前のマルティネッリに決定機を許すが、ここはGKメンディの意地の好守で4失点目は免れる。
 
後半半ばを過ぎてもプレー強度を落とさないホームチームは65分にスミス=ロウ、71分にマルティネッリと殊勲の若手2人を下げてウィロック、ペペを続けて投入。対するチェルシーは74分にカンテを下げてハヴァーツを最後の交代カードとしてピッチに送り込んだ。
 
その後もアーセナルペースで試合が進む中、試合を決定づける4点目を奪うチャンスが幾度も訪れる。まずは83分、GKメンディのパスミスをカットしたラカゼットに一対一の絶好機もやや慌てて放ったシュートはメンディの好守に遭う。さらにこのプレーで得たCKの流れからエルネニー、ホールディングに決定機もクロスバーとメンディに阻まれた。
 
すると、試合最終盤にはようやくチェルシーに見せ場が訪れる。85分、相手を押し込んで右サイド深くでプリシッチからパスを受けたハドソン=オドイが高速クロスを入れると、ゴール前のエイブラハムが胸で合わせてゴールへ流し込む。一度オフサイドの判定が下されるもVARのレビューの結果、オンサイドに判定が覆ってアウェイチームが1点を返す。
 
これで息を吹き返したランパード率いるチームは90分、ボックス内でマウントがDFパブロ・マリに倒されてPKを獲得。アディショナルタイム5分という残り時間を考えれば、これを決めれば同点に追いつく可能性も出てきたが、キッカーのジョルジーニョが右隅を狙ったシュートはGKレノに完璧に読み切られて痛恨の失敗となった。
 
そして、守護神に窮地を救われたアーセナルはラカゼットに代えてムスタフィをピッチに送り込み専守防衛の構えを見せると、今度はきっちり相手の攻撃を撥ね返してタイムアップの笛を迎えた。
 
サカやマルティネッリ、スミス=ロウと若手の躍動にジャカ、ラカゼットとベテランもきっちり仕事を果たしたアーセナルがビッグロンドン・ダービーに完勝し、リーグ8戦ぶりの白星を手にした。一方、最後に一矢報いたものの、攻守に低調な内容に終始したチェルシーは上位陣の背中が遠のく厳しい敗戦となった。