サッカーにおいて、1試合で3得点以上を決めることを表す「ハットトリック」。元々はクリケットで打者を三者連続アウトにすることをそう呼んでいた。(クリケットにおいて打者を連続でアウトにすることは相当難易度が高い)

サッカー選手にとって、「ハットトリック」は実力を証明する功績でもあるが、そう簡単にはお目にかかれない。この企画『HAT-TRICK HEROES』では記憶に残る「ハットトリック」を紹介していく。

今回は、バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが決めたハットトリックだ。


13歳でバルセロナの下部組織に入団したメッシは、2005年にファーストチームデビューを飾ると、天才的なパフォーマンスを続け、チームの象徴へと成長。世界屈指の人気と実力を誇るバルセロナの顔として活躍を続けている。

これまでも記憶に残るパフォーマンスの数々を披露してきたメッシだが、中でも2010年3月14日に行われたラ・リーガ第26節のバレンシア戦では、圧倒的な活躍を見せている。

前半を0-0のままで折り返して迎えた56分、MFチャビからのパスをボックス手前右で受けたメッシは、反転しながらのトラップで素早く前を向くとドリブルで仕掛ける。相手DFに囲まれながらも、鋭いターンと緩急自在のボールタッチで次々とDFを抜き去ると、ゴール右に侵入し、左足の強烈なシュートを近距離からゴール右に突き刺した。

このゴールで均衡を破ったバルセロナ。68分にバレンシアが退場者を出し、バルセロナが数的有利の状況となると、迎えた80分、右サイドでボールを受けたメッシが、ファーストタッチでマークに来たDFを置き去りにすると、そのままボックスに侵入。鋭いカットインからシュートコースを作り、狙いすましたシュートをゴール左に決めた。

完全に勢いに乗ったメッシは、直後の82分、再びスルーパスに抜け出してボックス内でボールを持つと、飛び出してきたGKに対して今度は右足で股抜きシュート。あっさりとハットトリックを達成してしまった。

試合は、メッシの全得点を叩き出す活躍で、バルセロナが3-0で勝利。乗ってしまったメッシの手の付けられなさを改めて証明する試合となった。