サッカーにおいて、1試合で3得点以上を決めることを表す「ハットトリック」。元々はクリケットで打者を三者連続アウトにすることをそう呼んでいた。(クリケットにおいて打者を連続でアウトにすることは相当難易度が高い)

サッカー選手にとって、「ハットトリック」は実力を証明する功績でもあるが、そう簡単にはお目にかかれない。この企画『HAT-TRICK HEROES』では記憶に残る「ハットトリック」を紹介していく。

今回は、元セルビア代表MFデヤン・スタンコビッチ氏がインテル時代に決めたハットトリックだ。


母国の強豪ツルヴェナ・ズヴェズダでプロデビューを飾ったスタンコビッチ氏は、ラツィオで頭角を現すと、2004年夏にインテルに加入。リーグ、カップ戦、チャンピオンズリーグ(CL)の3冠を達成するなど、黄金期を築いたチームの中核を担った選手の1人としてプレーした。

類稀なフットボールセンスに加え、ハードワークを厭わない姿勢を持ち合わせたスタンコビッチ氏は、パンチのあるミドルシュートも武器の1つであったが、2010年11月28日に行われたセリエA第14節のパルマ戦では、豪快なハットトリックを記録している。

開始早々にパルマに先制されながらも、迎えた18分、相手陣内中央でボールを持ったスタンコビッチが、ゴールほぼ正面の位置からロングシュート。相手DFの背中にあたり、急激に進路を変えたシュートはゴール右に決まり、ややラッキーな形で同点ゴールを挙げる。

直後の19分、インテルがボックス内に攻め入ると、FWジョナタン・ビアビアニがボックスの外でフリーになっていたスタンコビッチにマイナスのボールを落とす。スタンコビッチがダイレクトで強烈なシュートを放つと、地を這うようなグラウンダーのシュートがゴール左に決まり、すぐさま逆転に成功した。

最後は4-2とインテルリードの75分、MFヴェスレイ・スナイデルからの鋭いパスをペナルティーアーク内で受けたスタンコビッチは、ファーストタッチで相手のマークを外すと、ボックス内からシュート。強烈なシュートをゴール右に突き刺し、試合を決定付ける5点目を奪い、ハットトリックを達成した。

試合は、スタンコビッチのハットトリックを含む大量5得点を奪ったインテルが、そのまま5-2で勝利している。