FAカップ5回戦、エバートンvsトッテナムが10日にグディソン・パークで行われ、4-4のスコアで90分間の戦いが終了。その後、延長戦の末に5-4としたエバートンが準々決勝進出を果たした。

4回戦で共にチャンピオンシップ(イングランド2部)のシェフィールド・ウェンズデイ、ウィコムを破ったエバートンとトッテナムによるプレミア強豪同士の一戦。

直近のプレミアリーグでマンチェスター・ユナイテッド相手に3-3の劇的なドローゲームを演じたエバートンは、その試合から先発2人を変更。負傷のハメス・ロドリゲスに代えてシグルドソン、ホルゲイトに代えてミナを起用した。

一方、ケインとソン・フンミン揃い踏みの活躍でWBA相手にリーグ4試合ぶりの白星を手にしたトッテナムは、今週末にマンチェスター・シティとのビッグマッチを控える中、負傷明けのケインに代えてベルフワインを起用した以外、同じメンバーで臨んだ。

開始30秒過ぎにラメラ、ルーカス・モウラのドリブル突破で相手を押し込んでベルフワインがボックス左で上げた浮き球のクロスからラメラがいきなり決定的なヘディングシュートを放つ。

これは相手GKオルセンの好守に阻まれたが、良い入りを見せたアウェイチームが2度目の決定機をゴールに結びつける。3分、ソン・フンミンの右足インスウィングの左CKをゴール前でバックステップを踏んでDFを外したダビンソン・サンチェスが見事なヘディングシュートを突き刺した。

最高の入りを見せたトッテナムはすぐに引いて構えることはなく、要所で前から圧力をかけて相手のビルドアップをけん制。また、ラメラやルーカスの切り替えの速さを生かしたショートカウンターで畳みかける攻めを仕掛ける。13分にはボックス手前でフリーとなったソン・フンミンが左足のミドルシュートを狙うが、これはややミートし切れず、GKオルセンがキャッチした。

一方、いきなりビハインドを追う展開になったエバートンだが、15分を過ぎた辺りからサイドを起点に良い形の攻めを見せ始める。そして、17分に右サイドバックのゴッドフリーが強烈なミドルシュートを枠に飛ばすと、直後の19分にはボックス右でボールを収めたキャルバート=ルーウィンがニアを狙った右足のシュートを放つ。だが、いずれのシュートもGKロリスのファインセーブに阻まれ、早々の同点ゴールとはならなかった。

守護神の活躍で相手の時間帯を凌いだトッテナムはここから反撃を開始。得意のカウンターとラメラを起点に相手のギャップをうまく使う効果的な攻めで決定機を創出していく。26分、右サイドで高い位置を取ったドハーティからの正確な折り返しを中央のソン・フンミンが右足ダイレクトで合わすが、ここはGKオルセンがビッグセーブ。さらに、カウンターをきっちりフィニッシュで完結させるなど、流れを完全に掴んだ。

再び守勢に回る時間が長くなったエバートンだが、ユナイテッド戦で披露した爆発力をこの試合でも見せる。まずは36分、相手ゴールキックからのビルドアップを前から嵌めてホイビュルクの長くなったボールタッチを右サイドのドゥクレが引っかけてショートカウンターを発動。イウォビ、シグルドソンとスムーズな繋ぎからボックス中央のキャルバート=ルーウィンにパスが通ると、右足の強烈なシュートを放つ。コースは甘かったものの、GKロリスの手を弾いたボールがゴールネットを揺らす。

直後の38分には相手陣内でルーズボールを奪ったディーニュのワンタッチパスをボックス手前のキャルバート=ルーウィンが絶妙なヒールパスでリシャルリソンに繋ぐと、リシャルリソンの腰の捻りが利いた右足のシュートがDFアルデルヴァイレルトの股間を抜き左隅に決まった。さらに、43分にはシグルドソンのラストパスに反応したキャルバート=ルーウィンがボックス内でホイビュルクと交錯しPKを獲得。これをキッカーのシグルドソンがきっちり決め、わずか7分間で3点を奪う圧巻の逆転劇を見せた。

30分までの良い流れから一転、精神面の脆さを露呈したトッテナムだが、前半の内に1点を返して反発力を見せる。48分、ベン・デイビスから縦パスを受けたラメラがソン・フンミンとのワンツーでボックス左に抜け出して得意の左足のシュートをゴール右隅に流し込んだ。

前半だけで5ゴールが生まれる壮絶な撃ち合いとなった試合はエバートンの1点リードで後半に突入。

立ち上がりは中盤での潰し合いが続く中、両チームは対照的な選手交代を行うことに。早い時間帯に追いつきたいトッテナムは53分、ベルフワインを下げて切り札のケインを投入。対するエバートンは56分、足を痛めたキャルバート=ルーウィンを下げてコールマンを投入。リシャルリソンを最前線に置き、右にコールマン、左にイウォビと2列目の配置を変えた。

すると、この交代をキッカケに試合が動く。左サイドにポジションを移したソン・フンミンの仕掛けで得た左CKの場面でキッカーのソン・フンミンが右足インスウィングで入れたクロスを中央で競り勝ったアルデルヴァイレルトがヘディングシュート。これはGKオルセンが触るも、こぼれ球をD・サンチェスがタップインした。

これで流れは追いついたトッテナムに傾くかに思われたが、エバートンの2大エースの1人が見事な個人技でチームにリードをもたらす。68分、ボックス手前左でパスを受けたシグルドソンのスルーパスに絶妙なタイミングで抜け出したリシャルリソンがボックス左角度のないところから強烈な左足のシュートをゴール右隅へ突き刺した。

再び流れに関係なくあっさりとゴールを奪われて追う展開となったトッテナムは77分にルーカスを下げて負傷明けのデレ・アリをピッチに送り出す。リードを奪って以降、完全に後ろへ重心を置いたホームチームの守備に手を焼くが、自慢のホットライン開通でスコアをタイに戻す。

83分、左CKの二次攻撃からボックス左で仕掛けたソン・フンミンが絶妙な左足のクロスを上げると、ファーに飛び込んだケインがダイビングヘッドで合わせた。そして、このまま押し切りたいトッテナムが試合終盤にかけて攻勢を強めるが、エバートンの守備も粘りを見せて4-4のまま後半は終了を迎えた。

壮絶な撃ち合いは延長に入っても継続。そして、先にゴールをこじ開けたのはホームチーム。延長前半の97分、ウィンクスへのプレッシャーをキッカケにボールを奪って波状攻撃を仕掛けたエバートンはボックス手前でボールを持ったシグルドソンからの浮き球パスに反応したベルナールがDFドハーティと入れ替わってボックス内でGKと一対一になると、左足の鋭いシュートを右隅に突き刺した。

三度追う展開となったトッテナムは失点直後にドハーティとラメラを下げてカルロス・ヴィニシウス、ムサ・シソコを同時投入。リスクを冒してゴールをこじ開けにかかる。

延長後半に入ると、圧倒的に押し込むトッテナム、専守防衛のエバートンという構図の下で白熱の攻防が繰り広げられる。その中でケインらに幾度か決定機が訪れたが、ホームチームの身体を張った守備を最後まで破ることはできなかった。

この結果、近年のFAカップ至上でも屈指の撃ち合いを制したエバートンが5-4のスコアで準々決勝進出を果たした。