プレミアリーグ第28節、アーセナルとトッテナムによるノースロンドン・ダービーが14日にエミレーツ・スタジアムで行われ、ホームのアーセナルが2-1で逆転勝利した。
 
現在、10位のアーセナル(勝ち点38)は前節、バーンリー相手に主導権を握ったものの、ミス絡みの失点が響き1-1のドローに終わり、1試合未消化ながらチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内の4位チェルシー(勝ち点50)との勝ち点差は12ポイントに広がった。それでも、直近のヨーロッパリーグ(EL)ではオリンピアコス相手に3-1の勝利を収めてホームでの大一番に向けて弾みを付けた。
 
そのオリンピアコス戦からは先発3人を変更し、ベジェリンとウィリアンに代えてセドリックとスミス・ロウ、さらに規律違反を犯したオーバメヤンがベンチとなり、ラカゼットが最前線で起用された。
 
対する7位のトッテナム(勝ち点45)は前節、クリスタル・パレス相手に4-1の快勝を収めてリーグ戦3連勝。再びトップ4レースの主役の一角に返り咲いた。また、直近のELディナモ・ザグレブ戦もケインの2ゴールによって2-0で勝ち切って公式戦5連勝でシーズンダブルを狙う敵地でのダービーに臨んだ。
 
ディナモ・ザグレブ戦では一部主力を温存した中、アルデルヴァイレルト、ホイビュルク、ベイル、ルーカス・モウラらがスタメンに復帰し、前節のパレス戦と同じメンバー構成となった。
 
共に[4-2-3-1]を採用し、予想通りの立ち位置、戦い方を選択した中、アーセナルがボールを握り、トッテナムが堅守速攻の形で迎え撃つ。
 
アウェイチームの前からの圧力が弱いこともあり、最後尾のダビド・ルイスのフィードを起点にティアニー、スミス・ロウの左サイドから幾度か良い崩しを見せるアーセナル。16分には前線からのプレスでショートカウンターに転じ、ボックス手前からスミス・ロウが強烈なミドルシュートを放つが、これは惜しくもクロスバーを叩く。
 
一方、敵地で慎重な入りを見せたトッテナムにアクシデントが発生。スプリントした際に左ハムストリングを痛めたソン・フンミンがプレー続行不可能となり、急遽ラメラが投入されることに。これにより、ラメラがトップ下、ルーカスが左ウイングにポジションを変えた。
 
以降も攻守にプレー強度、連動性で上回るアーセナルの時間帯が続くが、トッテナムも25分を過ぎた辺りからボールを持てるようになり、ルーカスやラメラの個人技で局面の打開を図る。
 
すると、30分過ぎにはノースロンドン・ダービー史上に残る驚愕のゴールが決まる。33分、右サイドでボールを受けたベイルが絶妙なサイドチェンジを送ると、これをボックス左のレギロンがダイレクトで折り返す。中央で足元に収めたルーカスが丁寧に落とすと、ここでラメラがトーマスの股間を抜く左足のラボーナでゴール右下隅の完璧なコースへシュートを流し込んだ。
 
ラメラの2014年ELのアステラス戦以来となる圧巻のラボーナ弾によってこの試合最初のシュートを先制点に繋げたトッテナム。ゴール直後には前線からの圧力を強めてGKレノのキックミスを誘うなど、畳みかける姿勢を見せる。
 
一方、ショッキングな形からビハインドを背負ったアーセナルだが、序盤から機能しているティアニーとスミス・ロウの左サイドを起点に攻勢を仕掛けていく。37分にはボックス左に抜け出したスミス・ロウのマイナスの折り返しを、後方から猛スプリントでボックス付近まで走り込んできたセドリックが右足ダイレクトで合わせるが、これは惜しくも右ポストを叩く。
 
この試合2度目の枠直撃のシュートとツキに見放された感もあったホームチームだったが、前半終了間際に序盤からの攻勢がようやく実を結んだ。44分、左サイドの高い位置でボールを持ったティアニーが対面のDFドハーティを縦への仕掛けで置き去りにして丁寧な折り返しを入れると、ボックス中央でうまく浮いたウーデゴールが左足でダイレクトシュート。これがゴール前のDFアルデルヴァイレルトの慌てて閉じようとした足に当たってコースが変わり、ゴール右隅に決まった。
 
そして、ウーデゴールの公式戦2試合連続となるアーセナルのこの試合最初の枠内シュートが試合を振り出しに戻し、白熱のダービーは1-1のイーブンで折り返すことになった。
 
迎えた後半、動きを見せたのは追いついたアーセナル。サカに代えてペペをハーフタイム明けに同じ右ウイングの位置に投入した。
 
後半は互いに前半の戦いから修正を施したことでより拮抗した展開が続くが、ボールの主導権は引き続きホームチームが握る。56分にはボックス付近でウーデゴールからパスを受けたラカゼットが鋭い反転から両チームを通じて最初の枠内シュートを放った。
 
少しリズムを変えたいトッテナムは57分にベイルを下げてムサ・シソコ、62分にエンドンベレを下げてデレ・アリを続けて投入。この交代でラメラを右ウイング、デレ・アリをトップ下、シソコを右のセントラルMFに配置。ドハーティに負担がかかっていた右サイドの守備にテコ入れを図る。
 
だが、皮肉にも一連の交代直後に意外な形からアーセナルに逆転ゴールが生まれる。64分、相手陣内右サイドで縦パスをカットしたペペが鋭いパスをボックス中央に走り込むラカゼットに繋ぐ。すると、ラカゼットの右足のシュートはミートせずも、遅れて守備対応にあたったDFダビンソン・サンチェスがレイトチャージの形となり、PKが与えられる。これをラカゼット自ら冷静に右隅へ流し込んだ。
 
この試合、初めてビハインドを背負うことになったトッテナムはバランス重視の戦い方からより攻撃的な戦い方にシフト。70分にはボックス手前右からケインが入れた際どいクロスにデレ・アリが飛び込むが、わずかに合わない。
 
ここから攻勢を強めたいアウェイチームだったが、この試合2度目のアクシデントが発生。76分、ボールキープの際に相手をブロックしようとしたラメラの右手がティアニーの顔面に当たってしまい、やや不運な形ながら2枚目のイエローカードが掲示されて退場処分となった。
 
1点のリードに加えて数的優位まで手にしたアーセナルは直後にスミス・ロウを下げてウィリアンを投入。キープ力とカウンターの起点役となれるベテランにゲームを落ち着かせる役割を託す。ただ、優位なはずのこの展開もバタつきを見せるホームチームは不用意なミスから相手に付け入る隙を与える。83分にはルーカスのFKをケインに頭でゴールネットに流し込まれるが、ここはオフサイドの判定に救われる。
 
これまでの展開とは打って変わって試合終盤にかけてはトッテナムが10人とは思えない厚みのある攻めでアーセナルを攻めたてていく。そして、89分には大きな見せ場が訪れる。ボックス手前左の好位置で得たFKをケインが右足の鋭いグラウンダーのシュートで狙うと、GKレノの反応の逆を突いたシュートがゴール右隅に向かう。だが、このシュートは惜しくもポストを叩く。さらに、こぼれ球に詰めたD・サンチェスのシュートもDFガブリエウの決死のゴールカバーに阻まれ、土壇場での劇的同点ゴールとはならなかった。
 
そして、改めてダービーの難しさを感じたアーセナルだったが、何とかこのまま逃げ切りに成功。白熱の一戦を2-1の逆転勝利で飾り、アルテタ体制では初となる5試合ぶりのダービーでの白星となった。一方、28年ぶりのシーズンダブルを逃したトッテナムはリーグ4戦ぶりの敗戦となり、トップ4争いにおいて痛恨の黒星に。

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