サッカーにおいて、1試合で3得点以上を決めることを表す「ハットトリック」。元々はクリケットで打者を三者連続アウトにすることをそう呼んでいた。(クリケットにおいて打者を連続でアウトにすることは相当難易度が高い)

サッカー選手にとって、「ハットトリック」は実力を証明する功績でもあるが、そう簡単にはお目にかかれない。この企画『HAT-TRICK HEROES』では記憶に残る「ハットトリック」を紹介していく。

今回は、元フランス代表MFジャン=フィリップ・デュラン氏がマルセイユで決めたハットトリックだ。

トゥールーズでプロデビューしたデュラン氏は、ボルドーでの活躍を経て1991年夏に名門マルセイユに加入。1997年夏に引退するまでの6シーズンを過ごし、1992-93シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)制覇など、タイトル獲得に貢献した。

優れたテクニックを持ちながら高い守備力も備え、中盤の多くのポジションで存在感を発揮したデュラン氏だが、1996年9月3日に行われたリーグ・アン第5節のスタッド・レンヌ戦では、圧巻のハットトリックを達成している。

前半に退場者を出し、数的不利で戦うことを強いられたマルセイユだったが、0-0で迎えた25分、相手陣内でパスカットからデュランがボールを奪うとプレスに来たDFをあっさりとかわし、一気に決定機を作る。デュランは、自ら上に上げたボールに強烈なボレーシュートを合わせると、ゴール左にシュートを突き刺し、見事なゴールを挙げる。

続く32分、マルセイユのコーナーキックのクリアボールをデュランがペナルティーアーク内で拾うと、右足でダイレクトボレー。これまた強烈なシュートをゴール右下に叩き込み、追加点を奪う。

最後は直後の35分、右サイドでFKを得たマルセイユがクロスをボックス内に入れると、相手GKがパンチングでクリアする。しかしこのボールを相手陣内中央で拾ったデュランがまたもやダイレクトボレー。矢のような強烈なシュートをゴールに突き刺し、圧巻のスーパーゴール3連発でハットトリックを達成してしまった。

デュランのハットトリックの活躍により、数的不利ながら前半だけで3ゴールを奪ったマルセイユ。後半は相手の攻勢を凌ぎ切り、3-1で勝利している。