ラ・リーガ第30節、レアル・マドリーとバルセロナによるエル・クラシコが10日にアルフレド・ディ・ステファノで行われ、ホームのマドリーが2-1で勝利した。
 
アトレティコ・マドリー(勝ち点66)を追走する両雄による、首位チームへの挑戦権懸けた今季2度目の伝統の一戦。
 
エルチェ、セルタ、エイバルとの格下3連戦を全勝で飾り、首位アトレティコに3ポイント差に迫る3位のマドリー(勝ち点63)。直近のチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝ではヴィニシウスの圧巻のドブレーテ、アセンシオの公式戦4試合連続ゴールによって3-1のスコアで先勝。ベスト4進出に王手をかけている。
 
公式戦12戦無敗(10勝2分け)という最高のフォームでホーム開催のクラシコに臨んだジダン監督はリバプール戦からアセンシオに代えてバルベルデを右ウイングで起用した以外、同じメンバーと布陣を継続した。
 
一方、バジャドリーとの前節をデンベレの試合終盤のゴールで勝ち切った2位のバルセロナ(勝ち点65)は、直近のラ・リーガ6連勝によって首位アトレティコと1ポイント差に迫る。今節の結果次第で首位浮上のチャンスも出てきた中、前回対戦で1-3の敗戦を喫した宿敵相手にリベンジを狙った。バジャドリー戦からはグリーズマンに代えてアラウホを起用し、[3-4-3]から中盤を厚くした[3-5-2]に並びを変更した。
 
キックオフから数分は互いに相手の出方を窺う慎重な姿勢を見せたが、時間の経過と共に巧さと激しさが入り混じるクラシコらしいハイレベルの攻防が繰り広げられる。9分にはバイタルエリアでうまく浮いたメッシとジョルディ・アルバのホットラインが開通。ボックス左から中央のデンベレを狙った際どい折り返しが出るが、これはGKクルトワが見事な反応ではじき出した。
 
一方、前がかりなバルセロナの攻撃を粘り強く撥ね返していくマドリーは頼れるエースがファーストチャンスをゴールに結びつける。14分、自陣深くでメッシの突破を阻止したロングカウンターから右のハーフスペースで縦に持ち上がったバルベルデがDFジョルディ・アルバをドリブルでかわしてボックス付近まで運び、オーバーラップしてきたルーカス・バスケスに繋ぐ。そして、中央からニアに斜めのランニングを見せたベンゼマを狙った絶妙な折り返しが入ると、見事な右足のバックヒールでニア下を破った。
 
ベンゼマのラ・リーガ5戦連続ゴールによって早い時間帯に動いたクラシコだが、バルセロナも失点直後の16分にはボックス左で仕掛けたメッシの浮き球のクロスからデンベレが惜しいヘディングを放つなど、すぐさま反撃の構えを見せる。
 
以降はバルセロナがボールを握って押し込み、マドリーがロングカウンターで応戦する形で拮抗した時間帯が続く。だが、前半半ば過ぎの28分には絶好調のヴィニシウスの仕掛けで得たボックス手前左好位置のFKの場面でキッカーのクロースが右足を振り抜くと、壁の横に立っていたDFデストの背中にディフレクトして大きくコースが変わったボールがゴール左隅へ向かう。これはゴールカバーに入っていたDFジョルディ・アルバの守備範囲もヘディングで撥ね返すことができず、そのままゴールネットを揺らした。
 
やや幸運な形で追加点まで奪い切ったマドリーはより堅守速攻の色合いを強めると、その戦い方がうまく機能。中央をきっちり締めて相手の手数をかけた攻撃を最後のところできっちり撥ね返すと、34分にはモドリッチの絶妙な縦パスから高速カウンターを発動。ヴィニシウスが快足を飛ばしてボックス付近まで運び右足アウトにかけた絶妙な折り返しを並走するバルベルデに繋ぐ。だが、バルベルデの右足のシュートは左ポストを叩き、その跳ね返りに反応したバスケスのシュートもGKテア・シュテーゲンの好守に遭い、3点目とはならず。
 
その後、前半終盤にかけてはブスケッツとの接触プレーで左ヒザを痛めたバスケスがプレー続行不可能となった中、オドリオソラが43分にスクランブル投入されるアクシデントが発生。その動揺を突きたいバルセロナは前半終了間際にメッシのファーを狙った右CKがクロスバーを叩き、その直後にもセットプレーの流れからボックス右でデンベレのクロスを受けたメッシにシュートチャンスもGKクルトワの好守に阻まれ、前半のうちに1点を返すことができなかった。
 
迎えた後半、2点のビハインドを負うバルセロナはデストを下げて切り札のグリーズマンを投入。この交代に伴い、グリーズマンが2トップの一角に入り、デンベレが右のウイングバックにポジションを移した。
 
前半終盤から急に強くなった暴風雨の中で後半も緊迫感のある攻防が続くが、前半同様にマドリーの堅守と鋭いカウンターが光る。それでも、粘りの対応で3失点目を防ぐバルセロナは伏兵が大仕事を果たす。
 
60分、左サイド深くに抜け出したジョルディ・アルバが低くて速いボールを入れると、ニアのグリーズマンには合わなかったが、中央に走り込んでいたミンゲサが右足ワンタッチで流し込んだ。
 
残り30分余りで1点差に縮まったことで試合はここからよりオープンな展開に。バルセロナが良い形での崩しからジョルディ・アルバやミンゲサの折り返しから際どい場面を作り出せば、マドリーもヴィニシウスを起点としたカウンターからDFアラウホのあわやオウンゴールという場面を誘発するなど、互いにゴールに迫る。
 
さらに、バルセロナはブスケッツ、アラウホに代えてセルジ・ロベルト、イライクスを続けて投入し、[4-3-3]に変更。対するマドリーはバルベルデに代えてアセンシオ、72分にはベンゼマ、クロース、ヴィニシウスを下げてイスコ、マリアーノ、マルセロを投入する3枚替えを敢行。[5-3-2]の守備的な布陣で逃げ切り態勢に入る。
 
その後、バルセロナが81分にデンベレとペドリに代えてトリンコン、ブラースヴァイトと最後の交代カードを切ると、84分には物議を醸すプレーが起きる。ボックス右ライン際でルーズボールに反応したブラースヴァイトがDFメンディに押し倒される。バルセロナサイドはPKをアピールも、マンサーノ主審はノーファウルの判定。VARによるレビューも行われなかった。
 
その後、ダービーらしいカードが増える荒れた展開となった中で試合終了間際にはカゼミロが続けざまのファウルで2枚のカードをもらい退場に。残り時間はわずかながらも数的優位を手にしたバルセロナは後半アディショナルタイムにリスクを冒した猛攻に打って出る。
 
後半ラストプレーとなったハーフウェイライン付近からのFKではGKテア・シュテーゲンも攻撃参加を見せた中、大きな見せ場が訪れる。メッシのFKをボックス右で競り勝ったラングレが頭で折り返すと、これをイライクスが胸トラップから右足ボレーで合わせる。だが、劇的同点ゴールかに思われたこのシュートは惜しくもクロスバーを叩く。さらに、こぼれ球に反応したテア・シュテーゲン、ジョルディ・アルバが連続シュートも枠に飛ばすことはできなかった。
 
そして、試合はこのままタイムアップを迎え、負傷者、退場者を出しながらも粘り勝ちのマドリーが今季2度目のクラシコを2-1で制し、シーズンダブルを達成すると共に2位に浮上した。一方、敗れたバルセロナはラ・リーガ連勝が「6」でストップし、三つ巴の優勝争いから一歩後退となった。