プレミアリーグ第31節、トッテナムvsマンチェスター・ユナイテッドが11日にトッテナム・ホットスパースタジアムで行われ、アウェイのユナイテッドが1-3で逆転勝利した。
 
現在、トップ4圏内の4位ウェストハムと3ポイント差の6位に位置するトッテナム(勝ち点49)。連勝を狙った前節は残留争いに身を置くニューカッスルとのアウェイゲームで一時逆転に成功も、土壇場で追いつかれて痛恨の2-2のドローとなった。
 
逆転でのトップ4フィニッシュに向けてこれ以上の勝ち点逸は許されない中、今季後半戦で結果が出ていない対ビッグ6相手に初勝利を目指すモウリーニョ監督の古巣対戦ではニューカッスル戦から先発3人を変更。タンガンガ、ダビンソン・サンチェスに代えてオーリエとダイアーが最終ラインに戻り、カルロス・ヴィニシウスに代えてソン・フンミンが復帰。並びも[4-4-2]から[4-2-3-1]に戻した。
 
一方、2位のユナイテッド(勝ち点60)はマンチェスター・シティ、ウェストハムとの上位対決を制するなど、直近3連勝を含むリーグ戦10試合無敗(5勝5分け)としぶとく勝ち点を積み上げてトップ4争いにおいて安全圏に。また、直近のヨーロッパリーグ(EL)のグラナダ戦では敵地で2-0の先勝を収めベスト4進出に王手をかけている。
 
昨季からのリーグ戦アウェイゲームで22戦無敗(14勝8分け)を継続するスールシャール率いるチームは、前回対戦で1-6の大敗を喫した因縁の相手とのリベンジマッチに向けてはグラナダ戦から先発3人を変更。GKをデ・ヘアからヘンダーソンに戻したほか、グリーンウッドとダニエル・ジェームズに代わってカバーニとフレッジが起用され、[4-2-3-1]の2列目は右からラッシュフォード、ブルーノ・フェルナンデス、ポグバという並びとなった。
 
共に[4-2-3-1]を採用も若干立ち位置に変化を施してきた中、先にゴールに迫ったのはホームチーム。開始2分、エンドンベレの中盤での運びからトップ下のロ・チェルソを経由したボールを左サイドのソン・フンミンがワンタッチで逆サイドに大きく展開。スピードに乗ってボックス右に持ち込んだルーカス・モウラの右足シュートはDFのブロックに遭い、コーナーキックとなった。
 
以降は互いに攻守の切り替えが徹底された緊迫感のある攻防が繰り広げられる中、トッテナムがよりボールを保持して能動的な攻めを仕掛けていくが、ユナイテッドも集中した守備で危なげない対応を見せる。逆に、16分にはB・フェルナンデスからのフィードをポグバが競り勝ちサポートに入ったカバーニのワンタッチスルーパスに抜け出したラッシュフォードがボックス右からシュートを放つが、これはDFダイアーの好ブロックに阻まれる。
 
その後は互いに相手の強度の高い守備を上回る攻撃を繰り出せず、フィニッシュの数が増えていかないクローズな展開が続く。その中で30分過ぎには試合の流れを大きく左右するシーンが訪れる。
 
33分、ユナイテッドが押し込んで中央右のマクトミネイから横パスを受けたフレッジがボックス左のポグバの足元に縦パスを繋ぐ。ここでタメを作ってDFの視線を引き付けたポグバからボックス内の密集を抜く絶妙な斜めのショートスルーパスが出る。これに完璧な動き出しで反応したカバーニがGKロリスの股間を抜くシュートを流し込んだ。しかし、トッテナム陣営からソン・フンミンに対するマクトミネイのファウルのアピールが行われると、オンフィールドレビューの結果、マクトミネイがドリブルの際に右手でソン・フンミンの頬を叩いたとの判定が下り、前述のゴールは取り消しとなった。
 
すると、この判定によって失点を免れたトッテナムが動揺の見えるアウェイチームの隙を突いてまんまと先制点を奪う。40分、後方からのビルドアップから中盤でロ・チェルソ、エンドンベレと繋ぎケインへの斜めのパスが出ると、ケインが半身から右足インサイドでコースを変える絶妙なダイレクトパスをボックス右のルーカスに通す。そして、ルーカスは冷静に逆サイドでフリーのソン・フンミンへ折り返すと、韓国代表が左足でニア下に流し込んだ。
 
そして、流れるようなダイレクトプレーでこの試合最初の枠内シュートを先制点に結びつけたトッテナムは前がかったユナイテッドの攻撃をホイビュルク、ロドンらを中心に身体を張った守備で撥ね返し、1点リードで試合を折り返した。
 
互いに選手交代なしで迎えた後半はビハインドを負うユナイテッドが立ち上がりからギアを上げて迫力のある攻めを見せていく。
 
49分には左サイドのショーから右サイド深くで完全に浮いたワン=ビサカに絶妙なサイドチェンジが通り、そこからカバーニを狙ったダイレクトでの折り返しが出るが、これはGKロリスの対応に遭う。続く55分にも同じような展開から浮いたワン=ビサカの落としからマクトミネイが強烈なミドルシュートを枠に飛ばすが、これもロリスの好守に阻まれる。
 
それでも、ようやく相手守備を揺さぶる攻めが出始めたユナイテッドは57分、伏兵のゴールで試合を振り出しに戻す。相手を押し込んでボックス手前中央でボールを持ったフレッジがラッシュフォードとのワンツーでボックス内に入り込み、左で浮いたカバーニにラストパス。カバーニはGKロリスとの一対一を決め切れなかったが、こぼれ球に反応したフレッジが冷静に蹴り込んで今季プレミア初ゴールとした。
 
この早い時間帯の同点ゴールによって試合は前半とは打って変わってオープンな展開に変化していく。60分にはオーリエが意表を突いたインナーラップでボックス内に侵入し、ボックス左のソン・フンミンに繋ぐ。ここでソン・フンミンはDFの股間を抜くシュートを枠に飛ばしたが、GKヘンダーソンが足を使った見事なセーブで阻止。その直後の63分にはB・フェルナンデスがボックス手前から左足のミドルシュートを枠の右隅に飛ばすが、今度は難しいバウンドをGKロリスが左手のワンハンドセーブではじき出した。
 
以降もポグバやケインに決定機が訪れる拮抗した展開が続く中、トッテナムはロ・チェルソ、エンドンベレを下げてムサ・シソコ、ラメラを続けて投入。対するユナイテッドはラッシュフォードに代えてグリーンウッドを投入すると、この選手交代が試合を動かす。
 
79分、ユナイテッドが後方から丁寧にボールを動かして相手を押し込んでいき相手陣内右サイドでワン=ビサカ、B・フェルナンデスと繋ぎボックス手前右角のグリーンウッドにボールが渡ると、ファーで動き出したカバーニを見逃さずに左足で絶妙なクロスを入れると、これをウルグアイ代表FWがダイビングヘッドで合わせ、今度は正真正銘のゴールとした。
 
途中投入グリーンウッドのお膳立てからカバーニの逆転ゴールで試合を引っくり返したユナイテッドは、ここからバランス重視の戦い方にシフト。ベイルを投入して攻勢に出るホームチームの攻撃を冷静に撥ね返す。84分にはトッテナムの右CKの場面でニアのポグバがバックヘッドの形で触ったボールがファーに流れるも、先ほどゴールで大きな貢献を見せたカバーニがシソコの前で身体を張ったヘディングのクリアをみせ、今度は守備でチームを救った。
 
その後、逆転でのトップ4フィニッシュに向けて勝ち点がほしいトッテナムが攻勢を仕掛けていく中、ユナイテッドの若武者が再び決定的な仕事を果たす。96分、最後尾からの長いクリアボールのセカンドに反応したフレッジのボール奪取からポグバが身体を張ったキープから右サイドでフリーのグリーンウッドに繋ぐと、ボックス内で深い切り返しでDFレギロンを外したグリーンウッドが右足のシュートをニア下に突き刺し、試合を決定づける3点目を奪った。
 
この直後にタイムアップを迎え、ベテランFWカバーニと若手FWグリーンウッドのアタッカーコンビの活躍で鮮やかな逆転勝利を収めたユナイテッドが前回対戦のリベンジを果たすと共に、1試合消化が多い首位マンチェスター・シティとの勝ち点差を11ポイントに縮めている。一方、敗れたトッテナムはトップ4圏内とのポイント差が「6」に開き、より厳しい立場に立たされることになった。