プレミアリーグ第25節延期分、チェルシーvsアーセナルが20日にスタンフォード・ブリッジで行われ、アウェイのアーセナルが2-4で勝利した。なお、アーセナルのDF冨安健洋はベンチ外となった。

先週に行われたチャンピオンズリーグ(CL)ではレアル・マドリーに延長戦の末に敗れ、大会連覇の夢が潰えたトゥヘル率いるチーム。それでも、FAカップ準決勝ではクリスタル・パレスを2-0で破り、ファイナル進出と共にバウンスバックに成功したリーグ3位のチェルシー(勝ち点62)は、トップ4フィニッシュを確実なモノとするため、連敗中の公式戦連敗中のホームでダービー勝利を狙った。

パレス戦からは先発4人を変更し、負傷のコバチッチに加え、コンディションの問題でリュディガーがベンチ外となり、サール、ロフタス=チークが代役に。また、ジョルジーニョとハヴァーツに代わってカンテ、ルカクが起用された。システムは[3-5-2]継続もマウントのトップ下ではなくカンテをアンカーに置き、中盤を逆三角形にした。

一方、暫定5位のアーセナル(勝ち点54)はクリスタル・パレス、ブライトン、サウサンプトンとボトムハーフの相手にまさかの3連敗。3ポイント差の宿敵スパーズに4位の座を明け渡している状況だ。次節からマンチェスター・ユナイテッド、ウェストハムとのトップ4ライバル対決連戦を控える中、難所ブリッジでは連敗ストップと共に勝ち点3奪取を狙った。アルテタ監督は0-1で敗れたセインツ戦から先発3人を変更。セドリック、サンビ・ロコンガ、マルティネッリに代えてホールディング、エルネニー、スミス・ロウを起用した。

今季2度目のビッグロンドン・ダービーは立ち上がりから相手のビルドアップに強い圧力をかけるダービーらしい展開に。アーセナルは試合の入りは[3-4-2-1]の形を取ったが、相手の出方を見て[4-2-3-1]にすぐさま並びを変更した。

入りはホームチームがボールを握って押し込む状況が続く。そして、セットプレーの流れから幾度か際どいシーンを作り出す。しかし、立ち上がりの守勢を凌いだアーセナルが相手のミスを突いて先手を奪う。

13分、自陣ボックス内でのヌーノ・タヴァレスの長いクリアに対応したDFクリステンセンがやや難しい体勢でバックパスを試みると、短くなったボールがGKと味方DFサールの中間のスペースへ。これに抜け目なく反応したエンケティアが先にボールをかっさらい、冷静にGKメンディとの一対一を制し、待望の今季リーグ戦初ゴールとした。

痛恨のミスから先にゴールを許したチェルシーだったが、好調のストライカーがすぐさま同点ゴールをもたらす。17分、エンケティアからジャカへの短い落としに猛プレッシャーをかけたロフタス=チークが高い位置でボール奪取。これを引き継いだヴェルナーが左サイドからカットインしてボックス手前左から右足を一閃。ブロックに入ったジャカの足にディフレクトして大きくコースが変わったシュートがゴール左下隅に決まった。

1-1のイーブンに戻った試合は以降もホームチームがボールを握る時間が長いものの、アーセナルも効果的に相手のプレスを剥がして右サイドのオープンスペースで果敢に仕掛けるサカの個人技を生かしてチェルシーを背走させ、際どいシーンを作り出す。

一進一退の攻防が続く中、先にゴールをこじ開けたのはまたしてもアウェイチーム。27分、自陣ボックス内での守備からジャカが縦にボールを運んで局面を打開。そこからウーデゴール、サカと右サイドへスムーズに展開して一気に攻撃をスピードアップ。相手ボックス付近でサカ、ウーデゴールと内側へボールを繋ぎ、ボックス内で足元にボールを呼び込もうとするエンケティアをオトリに斜めのランニングでボックス内に侵入したスミス・ロウが絶妙な右足のダイレクトシュートをゴール右隅へ流し込んだ。

これで再び追う展開となったチェルシーだったが、またしても早い時間帯に追いつく。32分、相手陣内左サイドでのスローインの流れからヴェルナーとマウントのコンビで球際の勝負を制すると、マウントからの右足インスウィングの絶妙なクロスに対して、大外のアスピリクエタがDFヌーノ・タヴァレスの死角からゴール前に飛び出して右足アウトを使った難度の高いダイレクトボレーシュートを左下隅に突き刺した。

アクシデンタルな1点目、個人技光る2点目と呼応するような攻撃から2点ずつを奪い合った両チームは、前半終盤にかけても見応えのある攻防を見せる。前半終了間際の45分にはボックス付近でウーデゴールからパスを受けたスミス・ロウが鮮やかなボールタッチで複数のDFを振り切って右足のシュートを放つが、これは惜しくも枠の右に外れた。

2-2のイーブンも前半の攻防ではより課題が見えたチェルシーは、失点に絡むミスを含めて精彩を欠いたクリステンセンを下げてチアゴ・シウバをハーフタイム明けに投入。智将トゥヘルが早速テコ入れを図った。

後半はチェルシーの修正もあって互いに決定機まで持ち込めないクローズな展開となるが、前半同様に相手のミスを突いたアウェイチームが三度勝ち越しに成功する。57分、内側にポジションを取ってリース・ジェームズからの縦パスを右サイドに流したアスピリクエタのパスがずれると、これをヌーノ・タヴァレスがカット。ボックス手前のエンケティアにパスが繋がると、一度DFチアゴ・シウバに引っかけられたものの、DFサールに当たってゴール前にこぼれたボールをDF2枚に挟まれながらもエンケティアが左足でシュート。これがGKメンディの手を弾いてゴール左隅に決まった。

後半もビハインドを追う展開となったチェルシーは60分、存在感を欠いたルカクを下げてハヴァーツを投入。アスピリクエタとリース・ジェームズの立ち位置を変えるなど、より攻撃的な布陣で3度目の同点ゴールを目指す。ハヴァーツの投入で攻撃に流動性とリズムが出てくるが、早い時間帯のゴールとはいかない。

一方、前半から飛ばしてきたツケか徐々に疲れが見え始めるアーセナルは殊勲のエンケティア、スミス・ロウのゴールスコアラー2人を下げてマルティネッリ、セドリックを続けて投入。[5-4-1]の守備的な布陣で今度こそリードを守り切ろうと、割り切った戦い方にシフトした。

試合終盤にかけては攻めるチェルシー、堅守速攻で耐えるアーセナルという構図が明確に。なかなか攻め切れないチェルシーに対して、アーセナルは要所で良い形のカウンターアタックを仕掛けて4点目に迫る場面を作り出す。

すると、試合終了間際にはクロスへの対応のためにゴール前で掴み合ったアスピリクエタとサカの競り合いの場面でディフェンス側のファウルが取られてアウェイチームにPKが与えられる。これをサカが冷静に右隅へ流し込み、前半のスミス・ロウに続く今季リーグ戦10ゴール目とした。

そして、このまま逃げ切ったアーセナルが今季2度目のビッグロンドン・ダービーでリベンジを果たし、連敗を「3」でストップすると共に4位トッテナムに勝ち点57で並んだ。一方、守備陣のターンオーバーが機能せず、今季最多タイの4失点を喫したチェルシーはホームで公式戦3連敗となった。