チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグ、レアル・マドリーvsマンチェスター・シティが4日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、ホームのマドリーが2-1で勝利。その後、延長戦を制したマドリーが2戦合計6-5で逆転での決勝進出を決めた。

先月27日にシティ・オブ・マンチェスターで行われた1stレグはホームのシティが4-3のスコアで先勝。試合内容ではシティが圧倒も、ベンゼマ、ヴィニシウスの両エースが驚異的な決定力を発揮したマドリーが、リターンレグに望みを繋ぐ格好となった。

ラウンド16のパリ・サンジェルマン戦同様にビハインドを背負ってベルナベウに戻ってきたマドリーだが、先週末のラ・リーガではGKクルトワ、モドリッチ、ロドリゴを除くスタメン全員を入れ替えて臨んだエスパニョール戦を4-0で快勝し、2シーズンぶり35度目のラ・リーガ制覇を達成。逆転でのファイナル進出へ大きな弾みを付けた。なお、アンチェロッティ監督は1stレグから先発2人を変更。アラバとロドリゴに代えてナチョと、負傷明けのカゼミロを起用した。

一方、先勝に成功したものの、試合全体のパフォーマンスを考えれば、やや釈然としない形で初戦を終えたシティ。それでも、先週末のプレミアリーグではリーズとのタフなアウェイゲームに4-0で完勝。1ポイント差で追走するリバプールとの熾烈な優勝争いが続く中、主力の温存は一部に留まったが、消耗を最小限に抑えられた印象だ。2シーズン連続のファイナル進出を懸けた敵地での大一番では1stレグから先発2人を変更。ストーンズとジンチェンコに代えて負傷明けのウォーカー、サスペンション明けのカンセロのレギュラーサイドバックが復帰した。

試合前の荘厳なコレオグラフィを含め、ベルナベウに集った熱狂的なマドリディスタがホームチームを大きく後押しする中、ファイナル進出を懸けた一戦が幕を開ける。開始4分にはマドリーがロングカウンターの形からシティを押し込み、カルバハルからの正確なクロスをゴール前でフリーのベンゼマが頭で合わすが、これは枠を捉え切れない。

開始早々のチャンスはモノにできなかったマドリーだが、モドリッチをトップ下に配した[4-2-3-1]の布陣でシティのビルドアップに強い制限をかけながら優勢に試合を進めていく。そして、初戦とは異なり、ベンゼマとヴィニシウスの両エースが序盤からフィニッシュに絡んでいく。

一方、立ち上がりこそ完全アウェイのベルナベウの空気と相手の圧力によって硬さも見られたシティだが、時間の経過と共に相手守備に生まれるギャップを効果的に使いつつ、守備ではビルドアップにやや難があるミリトンを狙ったハイプレスで押し返していく。

20分にはそのミリトンからボールを奪ったフォーデンの左クロスの流れからこぼれを回収したデ・ブライネの浮き球パスに反応したベルナルド・シウバがボックス右に抜け出して右足のシュートを枠に飛ばす。だが、これはGKクルトワのビッグセーブに遭う。さらに、直後には対マドリー3戦連発中のガブリエウ・ジェズスがボックス手前から右足を振っていくが、このシュートはわずかに枠の上に外れる。

前半半ばから終盤にかけては互いにリスクを回避した攻守のバランスを意識した戦い方を見せ、試合はやや膠着状態に陥る。その流れの中でシティは中央のジェズスと左サイドのフォーデンのポジションを入れ替えてボール保持、中盤での優位性を得ようと微調整を施す。40分にはGKエデルソンのロングフィードをジェズスがマイナスに落としたボールに反応したフォーデンが利き足とは逆の右足のボレーシュートでマドリーゴールを襲うが、ここは目の前でバウンドしたボールをGKクルトワが見事な反応ではじき出した。

打ち合いとなった1stレグとは異なり、緊迫感のあるクローズな攻防が目立ったベルナベウでのリターンレグはゴールレスで後半に突入。

その後半のキックオフではデザインされた形からクロースのロングフィードに完璧なタイミングで飛び出したカゼミロが右サイドから鋭いクロスを供給。これにファーで反応したヴィニシウスが飛び込むも、左足のボレーは抑えが利かず、枠の左に外れる。

電光石火の先制点とはならずも、前半同様に良い入りを見せたマドリーは、左サイドのヴィニシウスを起点に幾度か良い形の攻撃を仕掛けていく。だが、ルベン・ディアスを中心に自陣ボックス付近ではノーミスの対応を見せるシティの堅守に苦戦。逆転に向けてゴールが必要な中、60分を過ぎても枠内シュート0という状況が続く。

時間の経過と共にシティがうまくボールを落ち着かせて試合が膠着し始めると、両ベンチが動く。まずは68分にマドリーがクロースを下げて切り札のロドリゴを投入し、バルベルデをインテリオールに下げる。対するシティは72分に足を痛めたウォーカー、疲労が見えるデ・ブライネを下げてジンチェンコ、ギュンドアンを同時投入した。

この交代策で流れを引き寄せたのはシティ。74分、自陣でのジンチェンコとギュンドアンのパス交換で相手を左サイドに寄せ、ギュンドアンから中央で浮いたベルナルド・シウバにパスが渡る。そのままボックス付近までドリブルで運んだポルトガル代表MFはミドルシュートを匂わせ相手守備の視線を引き付け、ボックス左でフリーのマフレズにラストパス。これをマフレズが強烈な左足のダイレクトシュートでニア上に突き刺した。

2戦合計スコアで2点差を付けられたマドリーは直後にモドリッチとカゼミロを下げてアセンシオ、カマヴィンガを同時投入。フレッシュな選手の投入で前がかる。一方、シティはジェズスに代えてグリーリッシュ、殊勲のマフレズを下げてフェルナンジーニョを投入し、試合を締める作業に入る。

前からボールを奪いに来るマドリーをうまくいなしてカウンターを繰り出すシティは、86分にカンセロの強烈なミドルシュートで決定機を創出。さらに、87分には左サイドで鮮やか仕掛けを見せたグリーリッシュが2度のビッグチャンスを創出。だが、1本目はDFメンディのスーパーなゴールカバー、2本目はGKクルトワのビッグセーブに阻まれてトドメのゴールとはならず。

すると、望みを繋いだ守備陣の見事な献身にここまで沈黙していた攻撃陣が土壇場で応える。まずは90分、相手を押し込んでボックス手前のカマヴィンガが浮き球で入れたパスをボックス左に走り込むベンゼマが丁寧にダイレクトで折り返すと、ボールをキャッチしようとしたGKエデルソンの目の前に飛び込んできたロドリゴが右足のダイレクトシュートを流し込む。

さらに、6分が加えられた後半アディショナルタイムの91分にはミリトンらが前線に攻め残るパワープレーに出た中、右サイド深くでカルバハルが入れたクロスをゴール前のアセンシオが薄く頭で触ると、その後方に控えていたロドリゴが渾身のヘディングシュートをゴールネットに突き刺し、最後の最後で2戦合計スコアをタイに戻した。

準々決勝のチェルシー戦に続く救世主ロドリゴの活躍でまたしても死の淵から蘇ったエルブランコは、2ラウンド連続で延長戦を戦うことになった。

その延長戦では土壇場でパリへの切符を紛失したシティと、驚異の粘りで追いついたマドリーの勢いの差がいきなりスコアに反映される結果に。

延長前半立ち上がりの93分にGKクルトワから自陣でボールを引き取ったカマヴィンガの果敢な持ち上がりから攻勢に転じたマドリーは右サイドでロドリゴが入れたグラウンダーのクロスに中央のベンゼマが反応。DFルベン・ディアスの寸前でボールに触り相手のチャージを受けると、このプレーでPKが与えられる。これをエース自ら右隅へ突き刺し、2戦合計スコアで逆転に成功した。

一方、今ラウンドで初めて追う展開となったシティは、ロドリを下げてスターリングをピッチへ送り出し、ゴールを奪いに行く。すると、延長前半のラストプレーではカンセロの正確な右足のクロスをゴール前のフォーデンがヘディングで合わせるが、GKクルトワのビッグセーブに阻まれる。さらに、こぼれにフェルナンジーニョが詰めたが、このシュートも枠の左に外れた。

その後、延長後半では消耗激しい主力を次々に下げてルーカス・バスケスに加え、セバージョス、バジェホと出場機会が少ない選手をピッチに送り込む総力戦で逃げ切りを図るマドリーが、ホームの大歓声を後押しにシティの決死の反撃に食らいついていく。

そして、チーム一丸となった守備でエースのゴールを守り抜いたマドリーが大会最多王者の所以たる驚異的な勝負強さでシティを逆転で撃破し、リバプールが待つファイナル決勝進出を決めた。

なお、2017-18シーズンのファイナルの再現カードとなる決勝戦は29日にパリのスタッド・ドゥ・フランスで行われる。