ラ・リーガ第35節、アトレティコ・マドリーvsレアル・マドリーが8日にワンダ・メトロポリターノで行われ、ホームのアトレティコが1-0で勝利した。

新旧王者が激突した今季2度目のマドリード・ダービー。

昨シーズンの王者であるアトレティコ(勝ち点61)は、新王者に20ポイント差を付けられる4位に低迷。前節はアスレティック・ビルバオに敵地で0-2の完敗を喫し、2戦未勝利のチームは前回対戦で敗れた新王者相手に3戦ぶりの白星を狙った。シメオネ監督はこの一戦に向け、先発5人を変更。レナン・ロージとエルモソに代えてサビッチ、ヘイニウド、エクトル・エレーラ、ルイス・スアレス、グリーズマンに代えてコケ、マテウス・クーニャ、アンヘル・コレアを起用した。

一方、レアル(勝ち点81)は前節、エスパニョールに4-0で快勝し、サンティアゴ・ベルナベウで2シーズンぶり35度目のプリメーラ制覇を決定。さらに、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグのマンチェスター・シティ戦では試合終了間際の90分からロドリゴの連続ゴールによって土壇場で追いつくと、延長戦ではベンゼマのPKによるゴールで逆転に成功。これぞ“ベルナベウ劇場”という圧巻のレモンターダでファイナル進出を決めた。

アンチェロッティ監督は120分の激闘から中3日の過密日程となった敵地でのダービーに向け、ナチョとミリトン、クロース、カゼミロを除く先発7人を変更。GKに控えのルニンを起用した他、ルーカス・バスケス、バジェホといった控え選手を抜擢。なお、マリアーノのウォームアップ中の負傷でヨビッチが急遽スタメンに入り、3トップは右からアセンシオ、ヨビッチ、ロドリゴという並びとなった。

今季優勝チームを初めて迎えるため、通常であれば、選手入場時にパシージョ(花道)を行うことが通例となっているが、ホームサポーターの心情、ライバル関係を考慮した結果、ロヒブランコスはパシージョ実施を拒否。立ち上がりからバチバチの展開となった。

多数の主力温存でチグハグなプレーが目立つレアルに対して、ホームのアトレティコが強度の高いプレーでペースを握りにかかる。

後方からのロングフィードを積極的に使い、セカンドを効果的に回収するアトレティコは開始4分にボックス右へ抜け出したコレアが枠の左に外れる際どいシュートを放つと、直後の8分にもカラスコが切れ味鋭いカットインでボックス左に侵入し、ニア下を狙った鋭いシュートを放ってゴールへ迫る。

ここ数試合の課題であるフィニッシュの精度に引き続き課題を残して早い時間帯の先制を逃したホームチームだが、以降も攻守両面で相手を上回って優勢にゲームを進めていく。

一方、守備ではカゼミロやミリトンを軸に最後のところで粘りを見せるレアルだが、攻撃面では両エース不在の影響も多分にあり、前線でなかなかボールが収まらず。全体を押し上げることができない上、アセンシオやロドリゴの単騎突破というシーンもほとんど作れない。

前半半ばから終盤にかけてもホームチーム優勢の状況が続く中、その流れ通りにゴールが生まれる。36分、アセンシオの中盤での不用意なバックパスをカットしたマルコス・ジョレンテのスルーパスに抜け出したクーニャがボックス内で2人のセンターバックと交錯。一度プレーは流されたが、オンフィールドレビューの結果、DFバジェホがクーニャの足を踏んだとの判定でPKが与えられる。これをキッカーのカラスコが冷静に右隅へ突き刺し、40分の先制点とした。

これで勢いづくアトレティコは前に出てきたレアルのサイドバックの背後を効果的に突きながら、ボックス内でのコンビプレーで2点目を狙う。対するレアルは好調ロドリゴの個人技に攻め手を見いだそうとする中、前半終了間際にはクロースの強烈なミドルシュートでホームチームのゴールを脅かすシーンを創出。

さらに、前半アディショナルタイムにはバイタルエリアでのアセンシオとロドリゴのパス交換からDFヴルサリコのスライディングでのクリアボールに反応したヨビッチがボックス右でGKと一対一となるビッグチャンスを迎えるが、ここはうまく間合いを詰めたアトレティコ守護神に軍配が上がった。

今季2度目の首都決戦はアトレティコの1点リードで後半に突入。前半の戦いを見れば、何かアクションを起こす必要があるのはアウェイチームだったが、先に動いたのはホームチーム。シメオネ監督はコレアを下げてグリーズマンをハーフタイム明けにピッチへ送り込んだ。

戦い方に大きな変化はないものの、立ち上がりからボールを握ったレアルはヨビッチ、アセンシオと早い時間帯にフィニッシュのシーンを作り出し、後半はよりオープンな形で試合が推移していく。

60分付近にはレアルのカウンターから右サイドを突破したルーカス・バスケスの折り返しを、ペナルティアーク付近に走り込んだカゼミロが右足ダイレクトシュート。直後にはアトレティコのカウンターからボックス左でジョレンテからの丁寧な横パスを、ドフリーのカラスコが右足で狙うが、こちらは枠を捉え切れない。

この直後の61分には攻守に精彩を欠いたヨビッチ、疲労を考慮されたカゼミロがベンチに下がり、ヴィニシウスとバルベルデが同時投入される。この交代でカマヴィンガがアンカー、ロドリゴがセンターフォワードにポジションを変更。

だが、直後の63分にはポジションを変えたカマヴィンガのパスミスとスリップからアトレティコに決定的なカウンターを許し、グリーズマンにクーニャへのラストパスを通されるが、ここはGKルニンの好守で事なきを得た。

その後、レアルは68分にクロース、ミリトンを下げてモドリッチ、メンディを投入。主力を入れ替えて攻撃の活性化を図りつつ、きっちりプレータイムを調整する。一連の交代策で攻撃にリズムが生まれ始めると、70分には直前にも鋭いミドルシュートを放っていたバルベルデが2本目のシュートを枠に飛ばすが、これはGKオブラクの好守に阻まれる。

一方、ヘイニウドの筋肉系のトラブルによってフェリペのスクランブル投入を余儀なくされたアトレティコは、並びを[3-5-2]の形に変更。ウノセロでの逃げ切りを意識しつつ、前がかるアウェイチームに対して、得意のカウンターでトドメを刺しにいく。

すると、70分過ぎには狙い通りの形から続けてチャンスが訪れ、グリーズマンがボックス内で左足を振っていくが、出場13試合無得点のフランス代表のシュートは枠を捉え切れず。さらに、77分にはクーニャのラストパスに抜け出したカラスコが得意の形でボックス内に持ち込んでゴール左下隅を狙った右足のシュートを放つが、今度は左ポストを叩いた。

互いに決定機を決め切れずにダービーは最少得点差のまま後半最終盤に突入。すでに優勝を決めて失うものがないアウェイチームが、攻撃のギアを上げてホームチームのゴールに襲い掛かっていく。流れの中ではなかなか決定機まで持ち込めないが、88分にはボックス手前中央の好位置で得たFKの場面でキッカーのアセンシオが壁の下を抜く鋭いシュートを枠の右隅へ飛ばす。だが、このシュートはGKオブラクのビッグセーブに阻まれた。

そして、レアルの猛攻をチーム一丸となった守備で撥ね返し続けたアトレティコは、2016年2月以来、12戦ぶりのダービー勝利を飾り、昨季王者の意地を見せると共に5位のベティスとの勝ち点差を6ポイントに広げてトップ4フィニッシュに大きく近づいた。

一方、主力温存でリーグ連勝が「5」でストップしたレアルだが、後半の巻き返しによって新王者としての意地は少なからず見せることができた。