ドイツ代表DFアントニオ・リュディガー(29)が20日、チェルシーへ別れを告げるエッセイを綴った。

4月末にトーマス・トゥヘル監督から意向が伝えられ、事実上の退団発表となったリュディガー。本人もその後、契約が更新されなかった経緯についてコメントし、チェルシーに対する感謝の言葉を送っていた。

そのリュディガーが今度はエッセイを認めて、改めてチェルシーへの想いを言葉に。面と向かってお別れをするのはあまり得意じゃないという29歳が、この5年間を自らの言葉でチームメイトや監督、ファンとの特別な思い出を振り返りながら、感謝の気持ちを伝えた。

「お別れというのはあんまり好きじゃないんだ。でも、今回は心を込めて特別なものにしたい」

「ここで獲得したトロフィー…それは確かに素晴らしいものだ。でも本当にチェルシーを特別な場所にしてくれたのは友情だった。僕たちはチームメイト以上の存在だった。エンゴロやコバ、ツィエクにルカク、他のみんなもほとんどの選手が兄弟みたいなものだった」

「トゥヘルが監督としてやってきて、僕にチャンスを与えてくれた瞬間は新しい人生の始まりだった。実際、彼は多くの監督が手本にすべきことをすぐにやってのけたと思う。それは戦術とは関係のないことだ。彼は僕のところにやってきて『トニ、君のことを教えてくれ』って尋ねてきたんだ」

「大きなことだった。トゥヘルからチャンスを貰った時は、もう絶対にベンチには戻れないというくらいのモチベーションがあった。いろいろ言われても、このクラブ、このエンブレムのため200%の力を発揮しようと心に決めたんだ。僕にとってチャンピオンズリーグ優勝はケーキの上のパイナップルのようなものだったよ」

「ただあの試合は美しかった。シティという信じられないようなチームに対して、一丸となってカウンターで打ち勝つことができたからだ。命がけで戦い、最後にチャンピオンになった。試合終了のホイッスルが吹かれた時、僕は夢中で走り回っていたんだけど、たまたまトゥヘルが僕のところに来て互いに抱きしめ合った。あの瞬間は僕にとって特別なもので、いつも感謝しているよ」

「聞いてほしい。僕は人生であらゆることを経験してきた。貧困、差別、虐待、自分を疑ったりスケープゴートにする人。まったくチームに入れなかったのに、数ヵ月後にはチャンピオンズリーグを制覇したんだよ? よくもまあ、こんな話を書けたものだよ」

「僕の出生もあって少しばかり特別な意味があるんだ。でも、うちのドレッシングルームを見てごらん。多くの選手が同じようなバックグラウンドを持っている。お腹を空かせて寝るのがどんな感じか覚えている人がたくさんいるんだ。なのに、みんなブルーズになった。みんなチャンピオンになったんだ」

「チェルシーはいつも僕の心の中にある。ロンドンはいつも僕の実家だ。ここに来た時は一人だったけど、今では妻と二人の可愛い子供がいる。コバという人生の新しい弟もいる。FAカップ、ヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグのメダルも持っている。そしてもちろん、永遠に残る何百もの思い出もある」

「2019年、エティハドでシティに6-0で負けた試合、終了のホイッスルが吹かれた後、僕はチェルシーファンのところへ行って本気で謝った。ブーイングを浴びせられると思っていた。しかし、彼らは皆、立ち上がって拍手をしたんだ。あんな時でも僕たちの背中を押してくれたんだ。衝撃だったよ。僕は両手を上げて『ごめん、ごめん、ごめん』と謝った」

「その時、ある男が僕に罵声を浴びせてきた。今までにも罵声を浴びせられたことはあったけど、その時は違った。本当に個人的なことだったんだ。私はそいつに叫んだ。『おい、話があるんだったら、ここに降りてきて話をしようじゃないか』って」

「その時驚かされたのが、周りのファンが皆、彼に向かって『おい、何をしてるんだ。彼は謝りに来ているんだぞ』と言ったことだった。そして本当のファンのみんなはさらに大きな声で僕を応援してくれた」

「『ルディ! ルディ! ルディ!』とね」

「あまりの迫力に、その男も拍手し始めた。他のファンはその男に拍手させて謝らせていた。僕はこのことを決して忘れない。絶対に」

「サッカー界に憎しみがあるのは確かだ。それは事実だ。僕はその最悪の事態を経験した。でも、喜びもたくさんある。チェルシーではその両極端を経験したんだ」

「確かに罵声は聞こえた。でも、愛を感じた。一日の終わりには、光は闇より強かった」

「だから僕は常にチェルシーなんだ。ありがとう」

「ルディ」

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