青年指揮官ナーゲルスマン監督を招へいしたバイエルンが今季も危なげなく優勝し、節目の10連覇とした。対抗と見られたドルトムントは自滅が多く、最終的には眼前で優勝を決められる始末に。チャンピオンズリーグ出場権争いではフライブルクやウニオン・ベルリンが絡む健闘を見せたが、前述のドルトムントに加えてレバークーゼン、後半戦に復調したライプツィヒら強豪勢が順当に制した。残留争いでは日本人所属のシュツットガルトとビーレフェルトが巻き込まれ、MF奥川のビーレフェルトが自動降格。シュツットガルトはMF遠藤とDF伊藤の活躍で最終節、劇的な逆転残留を勝ち取った。

◆守備陣の不安を補って余りあった攻撃陣〜バイエルン〜
今季も主砲が期待通りの活躍を見せた。昨季ブンデス記録の43ゴールをマークしたFWレヴァンドフスキが35ゴールをマーク。33歳とベテランの域に入ってきたが、衰えを一切感じさせないパフォーマンスを続けた。そして忘れてならないのはそのレヴァンドフスキの相棒であるMFミュラーの存在。8ゴール21アシストを記録し、主砲のゴールを幾度もお膳立てして見せた。

一方で万能DFアラバが流出して不安だった守備陣は、その予想通りの結果となった。鳴り物入りで加入したDFウパメカノはライプツィヒでは見られなかったような凡ミスを連発し、失点がかさんだ。守護神ノイアーをもってしても防ぎきれないシーンが多く、リーグ戦では優勝チームにしては多い37失点を喫してしまった。とはいえ、前述のように守備陣の不安を補って余りあった攻撃陣の活躍で優勝をもぎ取ってしまう辺りは流石王者たる所以だった。

◆ローゼ監督就任も悪癖は変わらず〜ドルトムント〜
ボルシアMGからローゼ監督を引き抜き、バイエルンを王座から引きずり下ろすことが期待されたドルトムントだったが、遠く及ばなかった。怪物FWハーランドがケガによって思うように稼働できなかったのはもちろんだが、それ以上にディフェンスリーダー不在の守備陣が大きな穴になってしまった。DFフンメルスは加齢からかコンディションが一向に整わず、DFアカンジは一本立ちせず。結局、ローゼ監督は期待された結果を残せなかったこともあってシーズン終了後に退団に追い込まれた。若手主体のチームは今季も安定感を生み出せず、バイエルンの独走を許す結果となった。

◆強豪が順当にCL出場権獲得〜レバークーゼン&ライプツィヒ〜
バイエルン、ドルトムントに続いたのは結果的に強豪のレバークーゼンとライプツィヒとなった。レバークーゼンはセオアネ新監督を迎えた中、FWディアビやFWシックら若き攻撃陣が躍動し、シーズンを通して上位をキープした。レバークーゼンらしいダイナミックな攻撃サッカーが復権し、観る者を魅了した。

一方でライプツィヒは後半戦の巻き返しで4位に滑り込んだ。ザルツブルクからマーシュ監督を迎えたライプツィヒだったが、DFウパメカノ、MFザビッツァーら移籍の穴が大きく、低迷してしまった。しかしマーシュ監督に代わって12月に就任したテデスコ監督がチームをV字回復させた。FWアンドレ・シウバが本来の実力を示し始め、MFエンクンクが覚醒。昨季までのアタッキングフットボールを取り戻したチームは前半戦終了時の10位からジャンプアップして見せた。

◆伊藤と奥川が活躍、原口、遠藤航、浅野は及第点、鎌田と長谷部がEL制覇の偉業〜日本人総括〜
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8人が挑戦した今季のブンデスリーガでは、ビーレフェルト2季目の奥川と海外初挑戦のシュツットガルトDF伊藤の活躍が目立った。奥川は降格したチームの中で8ゴールを記録。ゴール前での冷静さ、非凡なシュートセンスを見せ付けた。伊藤に関しては本職のボランチではなくセンターバックで定着。長身を生かした空中戦の強さは当然ながら、正確なロングフィードで攻撃のアクセントともなった。最終節では決勝点となった遠藤のゴールをアシストし、チームを残留に導いている。

ウニオンのMF原口、シュツットガルトのMF遠藤、フランクフルトのMF鎌田はシーズンを通してレギュラーを守り続けた。原口は最終的にEL出場権を手にした躍進のチームの一員として存在感を示した。持ち前のハードワークで惜しみなくチームのために走り続けた。

遠藤航に関しては今季も圧倒的な対人能力を見せ、デュエル勝率で常に上位をキープ。最終節では劇的な決勝弾を奪い、主将としてチームを残留に導いた。

鎌田はグラスナー監督に認められるまで時間がかかったが、信頼を得てからは2シャドーの一角で絶対的スタメンに。バイタルエリアでアクセントを付け、4ゴール3アシストを記録した。圧巻だったのは好相性のELでの活躍。5ゴール1アシストを記録し、優勝に大きく貢献する働きを見せた。

3季ぶりにドイツに戻ってきたボーフムのFW浅野は成長した姿を披露した。シーズン後半はスタメンで起用される機会が増え、スピードを生かしたプレーで相手に脅威を与えることができていた。チームも余裕を持った残留を果たし、充実のシーズンとなった。

一方でフランクフルトのDF長谷部はスタメンの機会を失った。38歳という年齢を考慮すれば当然のこと。とはいえEL決勝では急遽の出場ながら安定したプレーを見せて優勝に貢献と、流石の面も示している。

ウニオンのMF遠藤渓太はシーズンを通してインパクトを残せず。度重なるケガもあり、間が悪かった。完全移籍を昨季勝ち取ったが、チームの期待を裏切る形となってしまった。

【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)
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昨季ブンデス記録の41ゴールを量産したレヴァンドフスキが今季も35ゴールと次元の違いを見せ付けた。33歳となった今季も衰えは一切感じさせず圧巻のパフォーマンスを披露。バルセロナへの移籍の噂が出ているが、バイエルンとしては絶対に手放してはいけない存在だ。

★最優秀監督
◆ドメニコ・テデスコ(ライプツィヒ)
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マーシュ前監督の下で低空飛行を続けていたライプツィヒを救った。12月に就任した時点で11位に沈んでいたチームを急浮上させ、4位フィニッシュ。ライプツィヒに4季連続となるCL出場権をもたらした。さらにDFBポカールを制し、クラブに初タイトルももたらしている。

【期待以上】
★チーム
◆ウニオン・ベルリン
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フライブルクと並んで今季のサプライズを提供したチーム。あと一歩でCL出場権は逃したものの、昨季のヨーロッパ・カンファレンスリーグに続きヨーロッパリーグ出場の偉業を達成。堅守速攻の戦術が浸透しきった好チームが2季連続で欧州への切符を手にした。

★選手
◆MFクリストファー・エンクンク(ライプツィヒ)
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シーズン後半のライプツィヒの快進撃を牽引した立役者。シーズン後半に13ゴールを挙げ、FWアンドレ・シウバと共にライプツィヒの得点源として躍動した。アタッキングサードでアクセントを生み、堅守速攻のチームにアイデアを加える役割を担った。

【期待外れ】
★チーム
◆ドルトムント
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2位フィニッシュのため厳しい評価だが、優勝を期待していた裏返しとして選出。今季も例年通り、勝負所での脆さを露呈し、優勝争いが早々に決着してしまった点を考慮。バイエルン王朝時代に終止符を打てる可能性があるチームなだけに歯がゆい思いをしているファンも多いだろう。

★選手
◆MFマルセル・ザビッツァー(バイエルン)
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同じくライプツィヒからバイエルンに加入したDFウパメカノと迷ったが、より出場機会を得られずインパクトのなかったザビッツァーを選出。昨季はナーゲルスマン監督と共にライプツィヒで好パフォーマンスを発揮していたザビッツァーだったが、バイエルンというクラブの重圧なのか、思うようなプレーはできなかった。ケガ人が多かった中、出場のチャンスもあったが、それを生かせなかった。