明治安田生命J1リーグ第22節、FC東京vsジュビロ磐田が17日に味の素スタジアムで行われ、ホームのFC東京が2-0で勝利した。

前節、浦和レッズに敵地で0-3の大敗を喫した7位のFC東京。2週間の中断期間を前にバウンスバックが求められるホームゲームでは、1週間前の試合から先発2人を変更。梶浦、ディエゴ・オリヴェイラに代えて紺野と負傷明けの安部を起用した。

一方、今季ワーストの3連敗、且つ3試合連続無得点で最下位に沈む磐田は、連敗ストップと共に5戦ぶりの白星奪取を目指して敵地へ乗り込んだ。0-1で敗れたヴィッセル神戸戦からは先発4人を変更。大井、山本康、上原に加え、突発性難聴が完治した大津が復帰を果たした。

共に直近の試合を落としていることで、慎重な入りも予想されたが、思わぬ形からいきなりスコアが動く。開始4分、相手陣内右サイドの深い位置でFKを得たFC東京はキッカーのバングーナガンデがクロスを供給。中央でDFが頭で触ったボールが浮き球の形でゴール前に向かうと、中途半端な対応となったGK三浦に競り勝った木本が頭で流し込み、今季初ゴールとした。

ミスを突く形で先手を奪ったホームチームは、動揺が見えるアウェイチームに畳みかける攻めを見せる。紺野が積極果敢にシュートを放てば、長友も積極的な攻撃参加でサイドアタックにアクセントを付ける。

すると、一気呵成の攻めを見せるFC東京は14分、相手のビルドアップに強い制限をかけると、GK三浦のパスをボックス付近でカットした渡邊凌がそのままボックス内に持ち込み、GKの股間を抜く左足のシュートを流し込んだ。

試合開始15分ほどで2失点を喫する最悪な入りとなった磐田は、何とか前半の内に1点を返そうと、ここから攻撃に出ていく。19分には鋭いカウンターから鈴木がサイドネットを叩く惜しいシュートを放つと、FC東京のペースダウンもあって、ここから相手陣内でのプレータイムを増やしていく。

25分にはボックス内で大津に良い形でシュートシーンが訪れると、29分には遠藤の左CKの二次攻撃からゴール前で混戦を作り、ゴール至近距離から鈴木がワンタッチシュートを狙うが、これはGKの好守に遭う。

前半半ばの守勢を冷静に凌いだFC東京は、終盤にかけてカウンターで3点目を狙っていく。レアンドロ、渡邊凌を起点に幾度か良い形を作ると、42分にはビッグチャンス。ボックス中央で渡邊凌からのラストパスを受けた松木が得意の左足を振り抜くが、このシュートは惜しくもクロスバーを叩いた。

結局、2点ビハインドで試合を折り返した磐田は、山本義を下げてジャーメイン良を投入。この交代で並びを[4-2-3-1]に変更し、ジャーメインが最前線、大津がトップ下の位置に入った。この攻撃的な交代策で流れを引き寄せたい磐田だったが、前半同様に後半の入りもいまひとつ。押し込まれる時間帯が続く。

それでも、大津に加えて相手バックラインと駆け引きできるジャーメインの投入によって背後を狙ったボールやクロスが増えると、56分にはゴール前に飛び出したジャーメインが際どいヘディングシュートを放つ。その直後には相手のミスパスを奪ったショートカウンターから上原が強烈なシュートを枠に飛ばすが、これはGKスウォビィクの好守に阻まれる。

時間の経過と共に試合が拮抗し始めると、両チームのベンチが動く。磐田は66分に遠藤、大津、大森のベテランを下げて松本、吉長、金子とフレッシュな若手を投入する3枚替えを敢行。対するFC東京は渡邊凌、紺野の両ウイングを下げて、ディエゴ・オリヴェイラ、三田と異なる特徴を持つアタッカーをピッチへ送り出した。

一連の交代と厳しいコンディションによる運動量の低下から、試合はよりオープンな展開に。そして、両チームに決定機が訪れる。

まずは78分、ディエゴ・オリヴェイラからの斜めスルーパスに抜け出したレアンドロがボックス右でシュートを狙うが、ここはDFに触られて枠の右に外れる。

直後の79分にはボックス付近で縦パスに反応したジャーメインが絶妙な浮き球のワンタッチパスをボックス内のスペースに流すと、これに吉長が反応。だが、ダイレクトシュートは惜しくも枠の右に外れた。

その後、リスクを冒して前に出る磐田がジャーメインを起点に幾度も決定機を作り出したが、最後のところで粘るホームチームの守備をこじ開けることはできず。試合はこのままタイムアップを迎えた。

木本の移籍後初ゴールとなる、2017年8月以来5年ぶりのリーグ戦ゴールが決勝点となったFC東京が、浦和戦の敗戦を払しょくする2-0の勝利を手にした。敗れた磐田は4試合連続無得点での4連敗となった。

FC東京 2-0 ジュビロ磐田
【FC東京】
木本恭生(前4)
渡邊凌磨(前14)