2022-23シーズンのプレミアリーグが8月5日(金)に開幕する。11月から12月にかけてカタール・ワールドカップを挟むイレギュラーなシーズンとなる今季。充実の夏を過ごしたクラブやそうでないクラブが見受けられる中、昨季以上に予想困難なシーズンが予想される。

◆世界一のストライカーを携え目指すは3連覇のみ〜マンチェスター・シティ〜Getty Images
昨季のリバプールとの異次元の優勝争いを制し、ここ5年で4度のリーグ優勝を果たしたシティ。攻守において微塵も隙がなく、チームの完成形とも言える中で、唯一欠けていたピースはストライカーだった。アグエロ退団以降、生粋の点取り屋は不在で、今夏はスターリングとジェズスの退団も重なった。

そんな中、ラストピースとして選ばれたのはハーランド。もはや説明不要の世界No.1ストライカーで、知将グアルディオラも垂涎の存在だった同選手は、プレシーズンマッチのバイエルン戦で早速ゴールを挙げている。また、ハーランドの影に隠れがちだが、リーベル・プレートから加入したフリアン・アルバレスの活躍にも注目したい。

身長170cmと小柄ながら得点感覚に優れ、リーベルでは公式戦120試合で53ゴール31アシストを記録。すでにアルゼンチン代表でも9試合1ゴールと出場機会を得ており、同胞のアグエロの再来とも言われている。出番は限られるだろうが、グアルディオラ監督の評価は高く、1年を通して化ける可能性に期待したい。

◆マネの抜けた穴は埋まるのか、新エース候補に注目〜リバプール〜Getty Images
昨季はシティと最後までデッドヒートを繰り広げながらも、あと一歩及ばなかったリバプール。それでも国内カップ戦の二冠を果たすなど、まだまだ2強の時代の終焉は感じさせない強さを見せつけた。

ただ、新シーズンに向けては、クロップ体制以降主力を務め続けたマネが新たな挑戦を決断しバイエルンへ移籍。代わりに獲得したのは、多くのビッグクラブが関心を寄せていたヌニェスだった。ベンフィカでは公式戦84試合で47ゴールと、得点力に定評のある同選手。プレシーズンマッチのライプツィヒ戦でPKを含む4ゴールと早速結果を出したが、他の試合ではイージーなミスも散見され、ここまでの評価は上がりきらず。ただ、サラーやルベン・ディアスといった実力のある選手が両脇を固めているだけに、リズムが合えば量産体制に入ることも期待できる。

なお、プレミアリーグ開幕に先駆けて行われたシティとのコミュニティ・シールドでは、そのヌニェスの活躍もあり、リバプールが3-1で勝利。今季もこの両チームがリーグを牽引するに違いない。

◆補強進捗度はイマイチ、どこまで戦力が整うか〜チェルシー〜Getty Images
昨季はトゥヘル体制2年目を迎え、本格的にプレミアリーグの覇権奪還が期待されたシーズンだったが、蓋を開けるとシーズン半ばあたりで優勝争いからは撤退。早々に目標をチャンピオンズリーグ出場に下方修正していた。また、オーナー交代によるごたつきがチームを不安定にさせたシーズンでもあった。

その問題は移籍市場にも影響し、チームはリュディガーとクリステンセンという守備の要を2人も失ったにもかかわらず、その穴埋めに獲得したのはここまでクリバリのみ。前線ではプレミアリーグで実績十二分のスターリングが加入したが、プレシーズンマッチを見る限りでは、攻撃全体のバリエーションに一抹の不安が残る。ギャラガーやブロヤといった伸び盛りの若手にも期待したいところだが、まずは計算できる戦力の補充が先決か。

◆充実補強でダークホースに〜トッテナム〜Getty Images
CL出場権獲得という結果でコンテ体制1年目を終えた昨季のスパーズ。移籍市場での初動は早く、5月末の時点でペリシッチを獲得すると、その後も資金を出し惜しみすることなく、リシャルリソン、ビスマ、ジェド・スペンスといった実力者と次々と契約。最終ラインではラングレをレンタルで迎え、攻守両面で補強を成功させた。

今季は3シーズンぶりにCLに参戦することもあり、昨季以上の体力の消耗は避けられないが、そこは名将コンテの腕の見せ所。敏腕ディレクターのパラティチ氏によるバックアップを受けた中で、その期待に応える成績を残したい。目標は2季連続のトップ4か、それとも…。

◆絶好調のプレシーズンの勢いを持ち込めるか〜アーセナル〜Getty Images
昨季は土壇場でトッテナムに順位を抜かれ、痛恨のCL出場権逸脱を喫してしまったアーセナル。アルテタ監督就任以降の主なタイトルは2019-20シーズンのFAカップのみで、CLに至っては6シーズン連続で不参加という状況だ。しかし、アルテタ体制4年目となる新シーズンは期待できるかもしれない。

今夏の移籍市場でも奮発したアーセナルは、シティからガブリエウ・ジェズスとジンチェンコを獲得。また、冬の移籍市場でも興味を示していたポルトの攻撃的MFファビオ・ヴィエイラも手中に収めた。とりわけジェズスがプレシーズンマッチから絶好調で、加入後初戦となったニュルンベルク戦で2ゴールの活躍を見せると、続くエバートン戦やチェルシー戦でもネットを揺らし、極め付きだったのはセビージャ戦。開始から15分で2ゴールを挙げると、最終的にハットトリックを達成して見せた。

ジェズスが攻撃を牽引するチームも好調そのもので、この勢いをプレミアリーグ開幕に持ち込むことができれば、悲願を叶えることができるかもしれない。

◆新監督の手腕は通用するのか、わがままエースの去就も注目〜マンチェスター・ユナイテッド〜Getty Images
5年連続無冠となり、ファーガソン時代の威厳は見る影もなくなった赤い悪魔は、テン・ハグ監督の招へいからこの夏をスタート。モウリーニョでもスールシャールでもラングニックでも不可能だった名門再建を託されたオランダ人指揮官は、そのツテを生かして古巣からリサンドロ・マルティネス、同胞のマラシアの獲得を成功させた。また、フリーで実力者エリクセンを迎えるなど、CL出場権無しというハンデがありながらも、補強は概ね滞りなく進めている。

ただ、大エース・ロナウドの去就は大きな気がかり。今夏は移籍を求めてプレシーズン入りを先延ばしにし、合流したと思えば試合中にもかかわらずスタジアムを後にするなど、傍若無人ぶりを発揮している37歳。チームメイトとしては、いかにクリスティアーノ・ロナウドと言えど献身性のない選手と仕事をするのは些か不満があるはずだ。未だ去就不透明の状況だが、ポルトガル代表FWの存在が不協和音にならなければいいが…。

◆日本のエースはどこまで通用するか〜三笘薫〜Getty Images
今季のプレミアリーグで楽しみなのは三笘の存在。昨年8月にブライトンに加入した三笘だが、労働ビザがないため昨季はユニオン・サン=ジロワーズにレンタル。ベルギーリーグで21試合5ゴール4アシストという十分な実績を残し、満を持じて世界一のリーグに挑戦する。

そんな三笘は先月16日に行われたポルトガルのエストリルとの親善試合でブライトンデビュー。すると、味方のクロスに合わせる形でゴールを決め、その後のプレシーズンマッチでも印象的なパフォーマンスを発揮。グレアム・ポッター監督からも称賛されるなど、ファンの期待を膨らませている。