Jリーグは5日、「声出し応援運営検証」についての報告を行った。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が始まった2020年からJリーグはガイドラインを作成。感染状況の変化に伴い、リーグ戦の中止に始まり、無観客試合、リモート応援、観客動員の制限緩和など、段階をおって規制を緩和してきた。

その中で大きなテーマとなっていたのが「声出し応援」。コロナ禍になる前の状態に戻すために必要なファン・サポーターによる「声出し応援」に関して、6月から段階的に認められた試合の認められたエリアでのみ実施されてきた。

その「声出し応援」も、ステップ1〜ステップ3に分け、観客動員の数やエリア内の席の配置などを変化させ、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)などの調査機関と連携し、運営検証を行ってきた。

コロナ禍に入ってから基本的に隔週で行われているNPB(日本野球機構)とJリーグによる「新型コロナウイルス対策連絡会議」において、「感染対策を適切に行うことで声出し応援エリアと声出し応援をしないエリアの併存運営が可能である」と報告。専門家チームからも同様の見解が得られたとのことだ。

運営検証は6月11日から8月14日に行われ、「調査機関による現場計測からガイドラインが概ね守られている状況を確認」と報告。マスクの着用率に関しては、声出し応援席でも94.8%以上と高い着用率だったとのこと。また、二酸化炭素濃度は声出し応援席エリアで平均450-550ppm(最大で758ppm)程度と十分に換気されていたと報告された。

さらに、音声量の解析の結果、「声出し応援エリア以外から声出し応援している状況はない」と評価されたとのこと。しっかりとエリアを守って観戦が行われていることが確認できたという。

一部では、密になる応援、エリア外でのマスクなしでの発声等のガイドライン違反報告が数件あったものの、いずれも違反者の特定やスタッフの指導によりその場で改善され次試合以降の再発は生じなかったとのことだ。

また、声出し応援による感染拡大については、「7月上旬、感染収束期から急激な拡大期に移行する間に行われた首都圏の2試合で、声出し応援席の利用者からのが5名以上出、追加調査を実施(クラスター認定はされていない)。聞き取りの結果、声出し応援ガイドライン遵守に違反する行為は無く、試合日以外で出社、外食、買い物等、他者との接点がある行動があった」とし、スタジアムでの感染拡大の事例はないとした。その他にも6試合で1件以上の陽性報告があったが、いずれも3件以下であり座席間隔が2m以上離れていることや行動履歴等からスタジアムから拡大した状況は見られていないという。

利用者の反応についてもJリーグは報告。アンケート調査では、声出し応援席利用者では回答者の95%、声出し応援禁止エリアの利用者は85%以上が声出し応援の継続を希望したとのこと。「声出し応援体験への肯定的な傾向がうかがえた」と、ルールを守っての声出し応援は肯定的な意見が多区集まった。

これにより、8月15日以降は全ての会場で、希望があれば声出し応援席を設置することが可能に。ルールを守った上で、「声出し応援」も含めたスタジアム環境が整うこととなった。

なお、今後は「より多くの人数の来場を実現と併行して声出し応援エリアの拡充を目指し、本検証結果やアンケート調査の結果を関係各所と共有のうえ、段階的な制限の見直しを含む早期の正常化に向けた働きかけを継続していく」としている。