プレミアリーグ第9節、アーセナルとトッテナムによるノースロンドン・ダービーが1日にエミレーツ・スタジアムで行われ、ホームのアーセナルが3-1で勝利した。なお、アーセナルのDF冨安健洋は89分から途中出場した。

マンチェスター・ユナイテッド戦で今季初黒星を喫したアーセナルだが、その敗戦からのリバウンドメンタリティに注目が集まったブレントフォードとのアウェイゲームでは3-0の完勝。精神面でのタフさを示し、見事なバウンスバックを果たした。そして、首位を維持してインターナショナルマッチウィークの中断期間に入ったアルテタのチームは、ここから真のタイトルコンテンダーとしての資質が試されるトッテナム、リバプール、マンチェスター・シティとの3連戦に挑む。その3連戦の初戦となったホーム開催のダービーではブレントフォード戦から先発2人を変更。ティアニーとファビオ・ヴィエイラに代えてジンチェンコ、ウーデゴールが復帰した。

対するトッテナムはマンチェスター・シティと並んでリーグ戦無敗を継続。今季公式戦初黒星を喫したチャンピオンズリーグ(CL)のスポルティングCP戦からのバウンスバックを図った直近のレスター・シティ戦ではソン・フンミンが今季初ゴールを含む圧巻のハットトリックを記録して6-2の大勝。こちらもバウンスバックを果たした。リーグ次節に難敵ブライトン戦、混戦模様のCLでフランクフルトとの連戦を控える中、敵地でのダービーではレスター戦から先発3人を変更。ダビンソン・サンチェス、セセニョン、クルゼフスキに代えてロメロ、エメルソン、ソン・フンミンの主力3人が復帰した。

首位のガナーズと3位のスパーズが1ポイント差で対峙する、激戦必至の今季最初のダービーマッチは、コンディション面で大きく勝るホームチームが勢いを持った入りを見せる。開始3分には波状攻撃からボックス左でサカのクロスをファーで受けたマルティネッリがニア下を狙ったシュートでゴールに迫るが、ここはGKロリスが見事な反応で触って左ポストを叩く。

以降はアーセナルが安定したボール保持に加え、守備時は相手のビルドアップに強い制限をかけてハーフコートゲームに近い形を作り出す。だが、それも織り込み済みで虎視眈々とロングカウンターを狙うトッテナムも10分を過ぎた辺りから自分たちの流れで攻撃に転じていく。そして、13分にはソン・フンミンのFKからゴール前に抜け出したダイアー、リシャルリソンの連携で決定機を創出。だが、ここはGKラムズデールの好守に遭う。

互いに1度ずつ決定機を作り合い動きが出始めた中、より優勢に試合を進めていたホームチームが先手を奪う。20分、右サイド深くでタメを作ったサカがDFを引き付けてサポートに入ったホワイトにマイナスで繋ぐと、ホワイトがペナルティアーク右で完全に浮いたトーマスに出した横パスをガーナ代表MFが見事な右足のダイレクトシュートでゴール右上隅に突き刺した。

徐々に問題が生じ始めていた押し込まれた際の守備の穴を突かれて失点を許したトッテナムは、早い時間帯の同点を目指して前に出ていく。そして、自慢のトリデンテに良い形で縦パスが入り始め、狙いとする縦に速い仕掛けが増えると、前半の内にスコアをタイに戻す。

29分、ソン・フンミンとケインの見事な連携で一気に局面を変えてボックス右に走り込むリシャルリソンにパスが通る。リシャルリソンのクロスはDFサリバに頭で撥ね返されるが、ボックス右でジャカのトラップミスをリシャルリソンが奪い返して内側に仕掛けると、DFガブリエウが足をかけて倒してPKを獲得。これをノースロンドンの王様であるケインがきっちり中央に決めて31分のゴールとした。

1-1のイーブンに戻ったダービーはここから俄然ヒートアップしてよりオープンな展開に。追いついた勢いに乗るトッテナムは、ロメロや屈強なセントラルMF2枚のところでボールを奪い切る場面が増え、そこからトリデンテが前向きな仕掛けでチャンスを創出し際どいシーンを続けて作る。

一方、守勢を凌いだアーセナルも前半終盤にかけては押し返し、43分にはボックス左でウーデゴールからパスを受けたガブリエウ・ジェズスが鮮やかな仕掛けでDF2枚を抜き去ってゴール至近距離からシュートに持ち込むが、ここはGKロリスの好守に阻まれた。

互いに狙いとする形を見せながら1-1で折り返した試合は、後半立ち上がりにいきなり動く。49分、押し込んだアーセナルはボックス右で仕掛けたサカがカットインから左足のシュートを放つ。GKロリスが前にはじいたボールがDFロメロの足に当たってゴール方向に向かうと、ロリスがこれをキャッチできず。このこぼれ球にすかさず反応したジェズスが冷静に押し込んだ。

相手のミスを突いて勝ち越しに成功したホームチームはこれで一息つくことなく畳みかける攻めを見せる。53分にはサカとの連携でボックス右ライン際でボールを受けたホワイトの柔らかなクロスをファーでジェズスが頭で合わすが、これは惜しくも枠の左に外れた。

一方、前半同様に時間の経過と共にリズムを作り始めたトッテナムだが、思わぬアクシデントが発生。62分、相手陣内での守備の際にエメルソンが出した足裏がマルティネッリの足首の上あたりに入ってしまうと、不可抗力ながらも危険なラフプレーと判断されてレッドカードが掲示された。

1点リードに加えて数的優位を手にしたアーセナルは、この好機を見逃さずに一気に押し切る。67分、中盤でのルーズボールを制して左サイドから強引に仕掛けたマルティネッリがボックス内に侵入すると、やや大きくなったボールコントロールをジャカがうまくスイッチする形で引き取って左に運びながら左足のグラウンダーシュートを流し込んだ。

これで厳しくなったトッテナムは、今後の過密日程を考慮して代表戦で疲労困憊のソン・フンミン、ペリシッチ、リシャルリソンに加えてラングレを下げてダビンソン・サンチェス、セセニョン、ドハーティ、ビスマを投入する4枚替えを敢行。さらに、75分にはホイビュアも下げて今季初出場のスキップをピッチへ送り込み、これ以上傷口を広げないリスク管理を意識した戦い方にシフトした。

一方、勝利に大きく近づくアーセナルもコンディションに不安を抱えるトーマスやジンチェンコ、ウーデゴール、殊勲のジェズスらをベンチへ下げてティアニー、サンビ・ロコンガ、エンケティア、ファビオ・ヴィエイラと控え選手の投入で試合を締めにかかる。

その後、試合はアーセナルが最後までボールの主導権を握って危なげなく時計を進め、トドメの4点目こそ奪えなかったものの、ホームで3-1の完勝。今季最初のノースロンドン・ダービーを制したアルテタのチームは、2連勝で首位を維持してリバプール、シティとの次節以降の連戦に臨むことになった。

一方、コンディション面でのディスアドバンテージに退場者を出したことで厳しくなったトッテナムは、宿敵相手に悔しい今季リーグ初黒星となった。

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