【プレミア注目プレビュー】浮上のキッカケ探るレッズvsブルーズ! リバプールはクロップ1000試合目のメモリアルゲーム
現在、消化が1試合少ないものの、トップ4圏内と10ポイント差の9位に低迷するリバプール(勝ち点28)。相変わらず多くの負傷者に悩まされるマージ―サイドの雄は、リーグ再開後も調子は上がらず。直近ではブレントフォードに1-3、ブライトンに0-3で惨敗。今季2度目の連敗を喫している。
直近のFAカップ3回戦再試合ではウォルバーハンプトン相手にエリオットの鮮烈なゴール、公式戦8試合ぶりのクリーンシートを達成する1-0の勝利を収めてバウンスバックに成功。ただ、今後の再浮上に向けては2023年のリーグ戦ホーム初戦となるチェルシーとのビッグマッチをモノにする必要がある。なお、このビッグマッチはクロップ監督にとって監督キャリア通算1000試合のメモリアルゲームに。リバプールでの通算411試合目となる一戦を白星で飾れれば、新年リーグ初勝利と併せて浮上のキッカケに繋がるはずだ。
対するチェルシーは対戦相手より1試合消化が多い中、同じ勝ち点28の10位に低迷。昨年10月のポッター新体制移行後は3連勝を含め5戦無敗と上々のスタートを切ったが、以降の8試合では3連敗と2連敗を含む2勝1分け5敗と大失速。リバプール同様負傷者の多さが影響しているが、システムと用兵において最適解を見いだせずにいる印象だ。
ハヴァーツの虎の子の1点を泥臭く守り切った直近のクリスタル・パレス戦で、公式戦連敗を「3」でストップすると共に2023年初勝利を掴んだチームは、ここに来てムドリク、マドゥエケと前線に若手逸材2人を獲得。大幅な世代交代を図りつつ、今冬6人の新戦力での巻き返しを狙う中、今回の一戦では敵地で難敵撃破を目指す。
昨年9月18日に開催予定だった第7節がエリザベス女王崩御の影響で延期となっており、今回の一戦が両者の今季初対戦に。昨季はEFLカップとFAカップの決勝をいずれもリバプールがPK戦勝利でモノにしているが、リーグ戦含めた4度の対戦はすべて実質ドローの結果に終わっている。ちなみにクロップ監督とポッター監督の直接対決の戦績はドイツ人指揮官の3勝2分け1敗となっている。
◆リバプール◆
【4-3-3】
予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:アリソン
DF:アレクサンダー=アーノルド、マティプ、コナテ、ロバートソン
MF:ナビ・ケイタ、バイチェティッチ、チアゴ
FW:エリオット、サラー、ヌニェス
負傷者:DFファン・ダイク、MFアルトゥール、FWルイス・ディアス、フィルミノ、ジョタ
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては前述の5選手が引き続き不在となる一方、直近の公式戦2試合を欠場していたヌニェスの復帰が確実だ。
スタメンは前述の11人を予想。守護神アリソンと共にディフェンスラインはブライトン戦のメンバーを継続し、中盤は直近のウルブス戦で好パフォーマンスを見せた18歳MFバイチェティッチとナビ・ケイタを抜擢。前線はエリオット、サラー、ヌニェスのトリデンテを採用するとみる。
一方、マティプに代えてジョー・ゴメス、中盤ではヘンダーソンとファビーニョ、前線ではガクポの左ウイング起用という可能性も十二分にある。
◆チェルシー◆
【4-3-3】
予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ケパ
DF:チャロバー、チアゴ・シウバ、バディアシル、ホール
MF:ギャラガー、ジョルジーニョ、コバチッチ
FW:ツィエク、ハヴァーツ、マウント
負傷者:GKメンディ、DFリース・ジェームズ、フォファナ、チルウェル、MFカンテ、ザカリア、FWスターリング、ブロヤ、プリシッチ
出場停止者:FWフェリックス(2/3)
デビュー戦での一発退場で3試合出場停止のフェリックスが引き続き不在に。負傷者に関してはリース・ジェームズとチルウェルが復帰に近づいているものの、依然として10選手近くが不在となる見込み。前述に加入が発表されたばかりのマドゥエケも登録が間に合っていない可能性が高い。
システムに関しては直近の試合で[4-2-3-1]を採用し、[3-4-2-1]のオプションも持っているが、[4-3-3]の布陣を予想。スタメンはパレス戦のメンバーからチュクエメカに代えてコバチッチを復帰させる以外、同じメンバーの継続とみる。ただ、アスピリクエタとクリバリ、オーバメヤンのベテラン起用の可能性も考えられる。注目のムドリクに関しては昨年11月以降、公式戦から遠ざかっていることもあり、スタメンの可能性は限りなく低い。
★注目選手
◆リバプール:FWコーディ・ガクポ
Getty Images
加入4戦目で初ゴールを狙う。サラーやヌニェス、チアゴ、コナテといった主力がビッグマッチの勝敗をカギを握るプレーヤーとなるが、加入後初のビッグマッチに臨む23歳の若武者のパフォーマンスに注目したい。
昨夏からメガクラブの関心を集めた万能型アタッカーは、マンチェスター・ユナイテッド行きが有力視されたが、今冬にそのライバルへ電撃移籍。PSVやオランダ代表で十分な実績を持つものの、本来は時間をかけてチームに順応させたいところだったが、多くの負傷者に悩まされるリバプールでは早くも即戦力としての活躍が求められる。そういった中、ここまでの公式戦3試合ではセンターフォワードと左ウイングでプレー。要所で才能の片りんを示したが、リーグ前節のブライトンを含め決定的な仕事には至らず。
今回のチェルシー戦ではヌニェスの戦列復帰に伴い、左ウイングでの先発か、加入後初めてベンチからの投入という起用法が想定される。その中でカタール・ワールドカップでグループステージ3試合連続ゴールを決めた大舞台での勝負強さが期待されるところ。エリオットやカルヴァーリョの年下2人に加え、今後フィルミノやジョタ、ルイス・ディアスとライバルの戦列復帰が予想されており、個人としては目に見える結果を残して自身のポジション確保に繋げたい。
◆チェルシー:FWミハイロ・ムドリク
Getty Images
注目の逸材が初お披露目か。ガクポ同様に今回のビッグマッチにおけるメインキャストの一人とは言えないが、やはり今冬の移籍市場で最も注目を集めたアタッカーのデビューに注目したい。
昨季にブレイクの兆しを見せ、今季の序盤戦ではレアル・マドリー、RBライプツィヒ、セルティックと同居したチャンピオンズリーグのグループステージでの活躍を含め、シャフタールでの前半戦で18試合10ゴール8アシストの数字を残したウクライナの超新星。
今冬の移籍市場においてはプレミアリーグ首位を走り、同胞ジンチェンコも在籍する相思相愛のアーセナル行きが規定路線と見られたが、アメリカ人オーナーの札束攻勢によって行き先は同じロンドンでもノースロンドンではなくウエストロンドンのチェルシーとなった。
クラブ間の交渉が大きく影響し、個人としてはどうすることもできなかったが、移籍の経緯によって今回のデビュー戦ではその一挙手一投足に注目が集まることに。
今冬の移籍に備えてコンディション調整に余念はなかったものの、最後に公式戦を戦ったのは昨年11月半ばと約2カ月実戦から遠ざかっていることもあり、このリバプール戦では途中出場が濃厚だ。その出場の際にチームがどういった状況になるかは不明だが、多くのメガクラブを魅了した圧倒的なスピード、テクニック、フィニッシュの精度を発揮し、マッチアップが予想されるアレクサンダー=アーノルドを翻弄する姿が期待される。