今夏の移籍市場を賑わせることが濃厚なドルトムントのイングランド代表MFジュード・ベリンガム(19)だが、あるクラブにとっては難しい話になるかもしれない。

バーミンガム・シティの下部組織で育ったベリンガム。2019年7月にファーストチームに昇格すると、わずか17歳でドルトムントへ完全移籍。今年6月に20歳の誕生日を迎えるが、すでに公式戦121試合に出場し20ゴール24アシストを記録。主軸として高いパフォーマンスを見せている。

イングランドでも重要な役割を担っているベリンガムには、プレミアリーグのクラブが多くの関心を寄せているが、その中の1つであるマンチェスター・ユナイテッドは獲得が難しい可能性がありそうだ。

イギリス『FourFourTwo』によれば、16歳だった当時、バーミンガム時代のベリンガムにも多くのクラブが興味を見せており、ユナイテッドも強い関心を寄せていた。

結果としてドルトムントに移籍したが、当時の監督だったペップ・クロテト氏が、ユナイテッドは会談すら断られたというエピソードを明かした。

「ある日、CEO(最高経営責任者)は『マンチェスター・ユナイテッドとの会談に行くことを許可したので、ジュードは今日ここには来ないだろう』と言ってきたが、ジュードはトレーニングを欠席しないように最後は拒否した」

「彼は自分の成長を促してくれるクラブを優先するとハッキリ言っていた。お金のことは考えていなかった。ドルトムントは、彼がブンデスリーガ、ヨーロッパのサッカーでプレーする機会を提供し、我々のクラブは見事な交渉を行い、全ての関係者にとってWin-Winな結末となった」

当時のユナイテッドは、ベリンガムに対して他の選手の2倍のサラリーを提示。さらにサー・アレックス・ファーガソン元監督やエリック・カントナ氏まで巻き込んで交渉に当たっていたという。

ユナイテッドに行っていた場合にどのようなキャリアを歩んだかは不明だが、ドルトムントへの移籍は成功。ヨーロッパで注目される存在となり、1億ポンド(約163億5000万円)を超える評価を得ている。

移籍先としてはリバプールやレアル・アドリーが浮上しており、ユナイテッドは厳しい状況に。2025年まで契約を残しているが、今夏の移籍市場で動きを見せるのか注目を集める。