【CLラウンド16プレビュー】ミラン優位も闘将再帰還を追い風にスパーズが逆転狙う
約3週間前にサン・シーロで行われた1stレグは、試合開始7分にMFブラヒム・ディアスが奪ったゴールでホームチームが先行。以降はボールを握って攻めるトッテナム、堅守速攻で応戦するミランという構図の下で堅い展開に。その中でホームチームがカウンターやセットプレーでより多くの決定機を作ったが、決め切るまでには至らず。1-0で先勝したミラン、傷口を広げなかったトッテナムと互いにある程度納得感のある形で初戦を終えた。
当時、守備が崩壊しかけていた相手に予想以上に攻撃が機能しなかったものの、2失点目を回避して逆転の可能性を残したトッテナム。以降はウェストハム、チェルシーとのダービーをいずれも2-0の快勝で飾り、見事にバウンスバックに成功。しかし、ターンオーバーを行ったFAカップで2部のシェフィールド・ユナイテッドに敗れて流れを失うと、直近のプレミアリーグのウォルバーハンプトン戦では前後半で異なる側面をみせ、試合終盤の失点によって0-1の敗戦。逆転突破へ最低2点が必要な大一番を控える中、2試合連続無得点での敗戦により、大きな不安を抱える形となった。
ただ、先月初めに胆嚢摘出手術を受け、ミランとの1stレグ後に2度目の療養期間に入ったコンテ監督が5日にロンドンへ再帰還。6日のトレーニングから約3週間ぶりにチームを直接指揮し、完全復活の闘将はチームに溢れるエネルギーを注入。大きな後押しが期待されるホームサポーターと共に逆転に向けた起爆剤としての役割を担う。
一方、ミランは追加点こそ奪えなかったものの、対スパーズ初勝利を挙げて小さくないアドバンテージを手にした。以降のセリエAの戦いではモンツァ、アタランタにいずれも完封勝利を収め、公式戦4試合連続クリーンシートでの4連勝を達成。だが、直近のフィオレンティーナ戦ではサスペンションのFWレオン不在による攻撃の停滞に加え、5試合ぶりの失点を含む2失点によって1-2の敗戦となった。
全体的なパフォーマンスは決して悲観すべきものではないが、この久々の失点と敗戦がチームに与える影響は軽視できないところ。ピオリ監督やFWジルー、MFトナーリらを中心に課題修復とメンタル面を切り替えて敵地での大一番に臨みたいところだ。
◆トッテナム◆
【3-4-3】
予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:フォースター
DF:ロメロ、ラングレ、ベン・デイビス
MF:エメルソン、スキップ、ホイビュア、ペリシッチ
FW:クルゼフスキ、ケイン、ソン・フンミン
負傷者:GKロリス、MFセセニョン、ベンタンクール、ビスマ
出場停止者:DFダイアー(1/1)
ダイアーが累積警告によって出場停止となる。負傷者に関しては今季絶望となったベンタンクールに加え、守護神ロリス、セセニョン、ビスマが引き続き欠場となる。
スタメンに関しては直近のウルブス戦からペドロ・ポロに代えてエメルソンを復帰させる以外、同じメンバーの継続を予想。3バック中央で不安定なパフォーマンスだったラングレ、不振続くペリシッチ、ソン・フンミンのポジションに関してはテコ入れの可能性もある。その場合、ダビンソン・サンチェス、リシャルリソンの起用が濃厚だ。
エメルソンを3バックの右、ロメロを中央、左右のウイングバックにポロ、ベン・デイビスを配置する形も見てみたいが、さすがにぶっつけ本番での起用はないと思われる。
◆ミラン◆
【3-4-2-1】
予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:メニャン
DF:カルル、チャウ、トモリ
MF:メシアス、ベナセル、トナーリ、テオ・エルナンデス
FW:クルニッチ、レオン
FW:ジルー
負傷者:DFフロレンツィ、MFブラヒム・ディアス、FWジルー
出場停止者:なし
出場停止者はいないが、イブラヒモビッチやデスト、ヴランクスらが登録メンバー外で起用できない。負傷者に関してはフロレンツィが引き続き不在となる一方、ヒザに軽傷を抱えるブラヒム・ディアス、インフルエンザから回復したジルーは起用可能だ。
スタメンは直近のフィオレンティーナをベースにサスペンション明けのレオン、クルニッチの起用を予想。バックラインではケアー、コンディション次第でブラヒム・ディアス、ジルーが難しい場合はデ・ケテラエルやレビッチ辺りに出番があるかもしれない。
★注目選手
◆トッテナム:FWハリー・ケイン
Getty Images
逆転突破に導くエースの仕事を期待。前回対戦では主審のファウル基準の問題もあり、徹底したマンツーマン気味の守備に手を焼いて攻撃の起点として機能し切れなかったイングランド代表FW。ただ、以降の試合では安定したパフォーマンスを披露しており、ペリシッチやソン・フンミン、リシャルリソンに加え、クルゼフスキといったアタッカー陣が揃って精彩を欠く中、コンテ監督にとって最も頼りになる存在だ。
フットボールIQが非常に高い万能型ストライカーは、前回対戦を通じてミランの守備の仕方を理解しており、攻略の道筋をしっかりと定めているはずだ。その中で前線の相棒、ウイングバックにチャンスを提供しつつ、前回対戦ではそのシーンを作れなかった自らが攻撃の終着点となる形を増やし、ゴールに絡みたい。
◆ミラン:FWラファエル・レオン
Getty Images
前回対戦同様にカウンターの脅威に。逃げ切りを図る形となる今回の一戦では復帰した守護神メニャンやチャウら守備陣のパフォーマンスが重要となるが、前回対戦以上の守勢が見込まれる中でカウンターのけん引役となるエースの働きは非常に重要だ。
年明け以降はゴールペースが著しく下がっているものの、テオ・エルナンデスと縦関係で並ぶロッソネリの左サイドは常に対戦相手の脅威となっており、前回対戦でも相手守備の要であるロメロを圧倒するプレーでMOM級の存在感を放った。
今回の試合ではディストリビューションに優れるメニャン、配球力が高いベナセルの復帰によって前回対戦以上にカウンターシチュエーションで良い形でボールを受けられる可能性が高く、持ち味のオープンスペースでの鋭い仕掛けからゴールを陥れたい。たとえ、ゴールに絡めなかったとしても、背後への脅威を見せ続けることで相手のライン設定や後方の選手の攻撃参加を牽制できるため、守備陣を助ける意味でもそのパフォーマンスは非常に重要だ。
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