セルティックの選手引き抜きに横浜FMのマスカット監督「フラストレーションではない」、クラブの方針は「チャンスを掴みステップアップすることが誇り」
2021年夏、アンジェ・ポステコグルー監督の後任として横浜FMの指揮官に就任したマスカット監督。シーズン途中にチームを引き継ぐと、最後まで優勝争いを繰り広げ、自身が1シーズン指揮を執った2022シーズンは見事に3年ぶりのJ1優勝を果たした。
その魅力的なアタッキングフットボールで近年のJリーグを牽引する横浜FM。一方で、そのチームを支える才能は多くの関心を集め、FW前田大然、MF岩田智輝がポステコグルー監督率いるセルティックへと2年続けて移籍していた。
かつての指揮官にチームの主軸を引き抜かれる形となっている横浜FM。マスカット監督はポステコグルー監督とはよく知った仲であるが、引き抜かれることに怒りはないようだ。
「フラストレーションという言葉は適切ではない」
「私は理解しているし、クラブのモデルも理解している。18カ月前にここに来た時に理解した」
「我々クラブと親会社は、まず最初に選手たちにチャンスを与え、自分たちのサッカーをプレーさせることに誇りを持っている。そして成功すれば、それがどのように定義されるにせよ、次のステップに進む機会を得ることができる」
「それは今後も続くだろう。それはクラブのモデルであり、それを受け入れ、それに向けて努力しなければならない。成功に次ぐ成功を望むのであれば、それらのことは全てプラスになる。でも、私はそれを見て、何でも可能だろうと思っている」
前田、岩田にはじまり、Jリーグを知るポステコグルー監督は、ヴィッセル神戸からFW古橋亨梧とDF小林友希、川崎フロンターレからMF旗手怜央、ガンバ大阪からMF井手口陽介(現在はアビスパ福岡へレンタル中)を獲得した。
また、スコットランドではセルティックの影響もあり、ハート・オブ・ミドロシアン(ハーツ)はFW小田裕太郎(ヴィッセル神戸)を、マザーウェルはMF檀崎竜孔(北海道コンサドーレ札幌)を獲得。また、プレミアリーグではDF冨安健洋(アーセナル)、MF三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)、ラ・リーガではMF久保建英(レアル・ソシエダ)がプレー。ドイツやフランス、オランダ、ベルギー、ポルトガルなど各国で日本人選手がプレーしている。
かつてはシント=トロイデンで指揮を執ったこともあり、メルボルン・ビクトリー時代にはMF本田圭佑も指導したマスカット監督は、日本が注目を集める市場になりつつあるとした。
「ベルギーにいた時でさえ、ベルギー、ドイツ、オランダなどには多くの日本人選手がいた。しかし、イギリスや他の地域への進出はそれほど多くはなかった」
「そしてプレミアリーグが数選手を獲得すると、世界最大のリーグでプレーすることにより、明らかに露出が10倍になる。そしてドイツでは、10人、12人、15人、ベルギーでは20人の日本人選手が活躍し、突然スポットライトを浴びることとなった」
「ワールドカップの効果もあり、我々がどのような数字を残せるか楽しみだ。でも、セルティックやプレミアリーグに行った選手たちが、みんなの心の最前線にもたらしたのだ」
「今日に至るまで、宣伝するようなことではないが、ヨーロッパにとってはまだ比較的安い市場だ。そして、我々は常に選手を失っており、少し不本意ではある」
「ただ、それは次世代の選手にチャンスを与えるものだ。我々のチームには、次のオリンピックのキャプテンがいる。我々はそれを受け入れ、愛している」
「親会社である日産は、選手たちがマリノスに来てここでチャンスを掴み、いつか自分自身をステップアップさせる機会が得られることを誇りに思っている」
すでに2人を引き抜かれたマスカット監督だが、ポステコグルー監督からの電話はチェックしないのか?と聞かれると「毎回じゃないよ!」と笑ってコメント。「彼が私を悩ませているというよりも、私が彼を悩ませている。だから私はしないよ」とコメント。親密な関係にある2人だからこそ、分かり合える部分も多いようだ。
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