明治安田生命J1リーグ第13節の1試合が13日にノエビアスタジアム神戸で行われ、ホームのヴィッセル神戸が2-0でサンフレッチェ広島を下した。

首位の神戸と3位の広島による上位対決だが、前者は酒井高徳がベンチ外となり、後者も満田誠が負傷欠場。ともに一部主力を欠いての一戦は広島がこの試合でも守りからリズムを作ろうとする相手の陣地に押し上げる入りとなる。

とはいえ、広島が主導権を握るとまでは言い切れず、神戸も鋭いボールの回収から、大迫勇也ら個のスキルを生かして攻撃の形を作り、20分に左CKから佐々木大樹の枠内をとらえるヘッドも。半ば以降も一進一退の攻防が続く。

神戸は徐々にボール保持率でも巻き返すが、がっぷり四つの流れが続いてハーフタイムに。そして、後半から前半にイエローカードを受けた志知孝明とエゼキエウの交代に動いた広島だったが、後半早々に神戸のカウンターが牙を剥く。

47分、左サイド起点に大迫の中継役から右サイドの武藤嘉紀が右足ダイレクトで折り返すと、山口蛍がファーサイド側からゴール前に侵攻。荒木隼人が山口の前で処理を試みるが、オウンゴールとなり、神戸が先制に成功する。

追いかける広島は前に圧力をかけ始めるなかで、60分に出場停止明けのドウグラス・ヴィエイラ、中野就斗を投入。相手ボックス内に人数をかけるが、神戸もスペースを使って速攻を繰り出せるようになり、攻防に激しさが増す。

ややオープンな展開を締めようと、神戸が67分に佐々木大樹と大崎玲央の交代に動いたなか、広島も72分にさらなる交代でナッシム・ベン・カリファを下げて鮎川峻をピッチへ。その鮎川がヘッドでゴールに迫ったりと一定の効果をなす。

そんな広島の反撃を凌ぎ続ける神戸だが、78分の汰木康也とジェアン・パトリッキの交代とともに、67分に入ったばかりの大崎が負傷で井出遥也と代わるアクシデント。それでも、神戸は守備でも集中を切らさず、1点のリードを維持する。

広島も最後のカードで東俊希と山崎大地の交代で何とか追いつこうとするが、追加点を目指す姿勢を失わずの神戸が後半アディショナルタイムにまたもカウンター。バイタルエリア中央から武藤が右足ミドルをゴール左に突き刺した。

武藤の5試合ぶりとなるシーズン4ゴール目で勝負の行方を決した神戸は守りも無失点で凌ぎ切り、4試合負けなしの2連勝で首位の座もキープ。広島は3試合ぶりの黒星で連勝が「2」で止まっている。

ヴィッセル神戸 2-0 サンフレッチェ広島
【神戸】
OG(後2)
武藤嘉紀(後45+5)