プレミアリーグ第36節、アストン・ビラvsトッテナムが13日にビラ・パークで行われ、ホームのアストン・ビラが2-1で勝利した。

ヨーロッパコンペティションの出場を確定させたい6位のトッテナムは、3ポイント差で8位のアストン・ビラとのシックスポインターに臨んだ。

前節、クリスタル・パレスに1-0で競り勝って9試合ぶりのクリーンシートと共にメイソン新体制での初勝利を飾ったスパーズ。暫定指揮官の採用した可変式の[4-4-2]の機能性や離脱組の復帰と残り試合でのプラス材料は多く、ここに来て2連敗と調子が下降気味のエメリのチーム相手に連勝を狙った。なお、メイソン監督は前節と全く同じメンバーと布陣を継続した。

立ち上がりから主導権争いが続く中、より押し込む形を作り出していたアストン・ビラが早い時間帯にスコアを動かす。8分、左サイドから右サイドへスムーズにボールを展開し、ボックス右で縦に仕掛けたベイリーが右足でグラウンダーのクロスを供給。タイミング良くゴール前に入ってきたラムジーがゴール右下隅へ右足のダイレクトシュートを流し込んだ。

後半戦の課題である前半の入りに失敗したトッテナムは、すぐに反発力を示したいところだが、相手のデザインされたビルドアップに苦戦。マッギンに効果的な持ち運びで局面を変えられるなどなかなか守備が嵌らず、攻撃に出ていけない。

それでも、20分を過ぎた辺りからイーブンの状況に持ち込んだトッテナムは、前々節にマンチェスター・ユナイテッドが攻略した形を参考にしてか、相手のハイラインの背後を徹底的に狙う攻めを見せる。だが、ユナイテッドと異なり、パスの出し手がいないこともあり、相手ディフェンスラインとの駆け引きで劣勢に。前半だけでオフサイド5回に対して、シュートはゼロに終わった。

一方、前半終盤にかけて攻撃のギアを上げたアストン・ビラは、ボックス内でベイリー、ブエンディアと決定的なシーンを作ったが、GKフォースターのビッグセーブとクロスバーに阻まれて2点目を奪い切れず。最少得点差で試合を折り返した。

アウェイチームの修正に注目が後半立ち上がりだが、引き続きホームチームが優勢に試合を進めていく。51分には押し込んだ流れからブエンディアが得意の左足のシュートを枠に飛ばすが、これはGKフォースターの好守に遭う。

一方、トッテナムも思わぬ形から直後に最大の決定機を迎える。52分、相手のビルドアップの局面でホイビュアがボールコントロールを誤ったドウグラス・ルイスを高い位置で潰してショートカウンターを発動。ボックス中央で完全にGKと一対一となったケインだったが、左を狙った右足のシュートはGKマルティネスのビッグセーブに阻まれ、千載一遇のチャンスを逃した。

この試合のファーストシュートを同点ゴールにできなかったが、時間の経過と共に徐々に押し返していく中、62分にはリシャルリソンとスキップを下げてクルゼフスキと長期離脱明けのビスマを同時投入。すると、64分にはそのクルゼフスキがボックス右に抜け出して巧みな切り返しでDFを外して角度のないところから左足シュート。だが、これは惜しくも枠の左に外れた。

この試合初めて守勢を強いられたアストン・ビラは68分、ベイリーとブエンディアを下げてデュランとブバカル・カマラを同時投入。中盤の守備強度を高めると共に、カウンターの脅威を高める。

すると、この交代直後にアストン・ビラが決定的な2点目を奪う。72分、ボックス手前中央の好位置で得たFKの場面でキッカーのドウグラス・ルイスが壁の上をギリギリで越える鋭いシュートを放つと、逆を取られる形で反応が遅れたGKフォースターの手を弾いたボールがゴールネットを揺らした。

痛恨の2失点目を喫して厳しくなったトッテナムは、ポロを下げてダンジュマを投入してリスクを冒して前に出る。すると、88分にはクルゼフスキのスルーパスに反応したケインがボックス内でGKマルティネスと交錯。オンフィールドレビューの結果、PKが与えられる。これをキッカーのケインが冷静に右隅へ蹴り込み、土壇場で1点を返す。

その後、前線の枚数を削って完全に逃げ切り態勢に入ったホームチームに対して、最後の攻勢を仕掛けたトッテナムは試合終了間際にソン・フンミンが裏抜けから冷静にゴールネットを揺らしたが、劇的同点ゴールかに思われたこのプレーはこの試合9回目のオフサイド判定で認められず。

そして、試合はこの直後にタイムアップを迎え、アストン・ビラに連敗ストップの白星を献上したトッテナムは得失点差で暫定6位をキープしたものの、来季のヨーロッパコンペティション出場に暗雲漂う敗戦となった。

準決勝はレアルvsシティのリーグ王者対決にミランvsインテルのミラノダービー
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