チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグ、マンチェスター・シティvsレアル・マドリーが、日本時間17日28:00にシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムでキックオフされる。

9日にサンティアゴ・ベルナベウで行われた1stレグは、優勝候補対決に相応しい見応え十分の攻防が繰り広げられた中、1-1のドロー決着。ピッチ上でのハイレベルのバトルに加え、稀代の戦術家同士による高度な駆け引きが披露された。

戦前の予想通り、アウェイのシティがボールを握って押し込む入りとなったが、序盤のいくつかのピンチをGKクルトワの好守で凌いだマドリーが、MFカマヴィンガを起点とした圧巻の崩しからFWヴィニシウスのゴラッソで先制に成功。後半は先制したマドリーが主導権を握る形となったが、一瞬の隙を見逃さないシティがショートカウンターからMFデ・ブライネのゴラッソで同点に追いついた。その後は、より勝利がほしいマドリーが攻勢を強めたが、GKエデルソンの好守もあって1-1のイーブンでの折り返しとなった。

試合内容でやや分が悪かったものの、最低限のドローで初戦を終えたシティは、先週末のリーグ戦でエバートンに3-0の快勝。残留を争う曲者とのアウェイゲームで前半半ばまで苦戦したが、MFギュンドアンの2ゴールと、FWハーランドのゴールによって完勝。デ・ブライネやDFストーンズらに完全休養を与え、早いタイミングでその他の主力をベンチに下げるなど、スペイン人指揮官の思い通りの形でリーグ11連勝を達成した。さらに、1ポイント差で2位のアーセナルが今節敗れたことで、自力での3連覇へ残り3試合で2ポイントと、ほぼリーグタイトルを確実なモノに。そして、心身ともに充実のシチズンズは今季公式戦27勝1分け1敗と圧倒的な戦績を残すホームで王者へのリベンジを期す。

一方、ベルナベウで先勝を逃したものの、試合内容では十分な手応えを掴んだマドリー。すでに消化試合と化したラ・リーガでは、先週末のヘタフェとの自治州ダービーに1-0で勝利。守護神クルトワとMFバルベルデ、カマヴィンガを除きシティとの初戦から大幅なターンオーバーを敢行した中、90分を通してクローズだった試合展開をFWアセンシオのゴラッソで勝ち切り、リーグ2戦ぶりの白星と共に2位に再浮上した。相手の強烈なチャージを受けたカマヴィンガの負傷交代で冷や汗をかいたものの、主力のコンディションをきっちり整えて敵地へ乗り込む形となった。

◆マンチェスター・シティ◆
【3-2-4-1】
予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:エデルソン
DF:ウォーカー、ルベン・ディアス、アカンジ
MF:ストーンズ、ロドリ
MF:ベルナルド・シウバ、デ・ブライネ、ギュンドアン、グリーリッシュ
FW:ハーランド

負傷者:DFアケ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはアケが引き続き不在となる。

システムは1stレグ同様に可変式の[3-2-4-1]の継続が濃厚だが、デ・ブライネをトップ下に配した[4-2-3-1]の形もオプションとして考えられる。スタメンはマフレズやフォーデン辺りに出番もありそうだが、初戦からメンバー変更はないとみる。

◆レアル・マドリー◆
【4-3-3】
予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:クルトワ
DF:カルバハル、ミリトン、リュディガー、アラバ
MF:モドリッチ、カマヴィンガ、クロース
FW:ロドリゴ、ベンゼマ、ヴィニシウス

負傷者:なし
出場停止者:なし

出場停止者はいない。逆に、1stレグを累積警告で欠場したミリトンが復帰する。負傷者に関しては直近のヘタフェ戦で負傷交代したカマヴィンガも大事に至らず、主力全選手が起用可能だ。

スタメンに関しては、ミリトンの復帰によってバックラインとカマヴィンガの起用法に注目。1stレグで好パフォーマンスを見せたリュディガーを継続起用し、アラバを左に回す形が有力だ。これに伴い、カマヴィンガはアンカーかインテリオールに入ることになりそうだ。

★注目選手
◆マンチェスター・シティ:MFイルカイ・ギュンドアン
Getty Images
“プライム・ジダン”が王者撃破のカギに。プレミアリーグ3連覇が目前に迫るなど、シーズンを通して安定したパフォーマンスが光るシティだが、シーズン序盤戦のFWハーランドや中盤戦のMFグリーリッシュ、終盤戦のDFストーンズと各時期にチームを牽引する絶好調なプレーヤーの存在が印象的。そして、この最終盤にその役割を担っているのが、32歳のキャプテンだ。

今シーズンここまで公式戦47試合9ゴール7アシストの数字を残すドイツ代表MFは、マドリーとの前回対戦の1アシストを含め直近の公式戦3試合で4ゴール2アシストと大爆発中。この活躍を受け、今回の大一番の前日会見に出席したウォーカーは「彼はプライム・ジダンに変身する!」と、ビデオゲーム『FIFAシリーズ』に登場するレジェンドの強力カードを引き合いに出したジョークで、シーズン最終盤に存在感を示す同僚を称賛している。

今シーズン限りでシティとの現行契約が満了し、来シーズンにはマドリーの宿敵バルセロナ移籍の可能性も報じられる万能型MFは、前回対戦では勤続疲労の影響もあったか、不用意なボールロストなどやや振るわないパフォーマンスに終わった。しかし、直近のエバートン戦では再びハイパフォーマンスを取り戻しており、攻撃の要であるハーランドやデ・ブライネ、グリーリッシュらが徹底監視に遭う中、2季連続ファイナル進出のカギを握る存在となるはずだ。

◆レアル・マドリー:FWカリム・ベンゼマ
Getty Images
エースストライカーとして難敵撃破に導けるか。今季は細かい負傷や加齢の影響でやや存在感を欠くものの、3試合でハットトリックを記録するなど爆発力は健在で、ここまで39試合29ゴールと主砲としての役割を果たしているエル・ブランコの新キャプテン。

ただ、シティとの前回対戦を含め、シーズン最終盤の戦いでは全体的に身体の重さや精度の問題が散見されており、主役の座を若きセレソンコンビや、ジョーカー役を担うアセンシオに譲っている印象だ。

それでも、チーム自体はうまく回っており、大きな問題とはなっていないが、CL連覇に向けここからの重要なビッグマッチではモドリッチらと共にエースストライカーの活躍は必須だ。

前回対戦に引き続きボールを握られる展開の中、効果的に縦パスを引き出して自慢の両翼を生かすポストワークやチャンスメーク。ボックス内での巧みな駆け引きによって一発で仕留めるフィニッシュワークと、攻撃面の脇役と主役の両方を演じ切って最強の挑戦者を再び返り討ちにしたい。

準決勝はレアルvsシティのリーグ王者対決にミランvsインテルのミラノダービー
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