チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグ、マンチェスター・シティvsレアル・マドリーが17日にシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムで行われ、ホームのシティが4-0で勝利した。この結果、2戦合計5-1としたシティの決勝進出が決まった。

9日にサンティアゴ・ベルナベウで行われた1stレグは、優勝候補対決に相応しい見応え十分の攻防が繰り広げられた中、1-1のドロー決着となった。

最低限のドローで初戦を終えたシティは、先週末のリーグ戦でエバートンに3-0の快勝。一部主力に完全休養を与えるなど、スペイン人指揮官の思い通りの形でリーグ11連勝を達成。自力での3連覇へ残り3試合で2ポイントと、ほぼリーグタイトルを確実なモノにし、王者へのリベンジを期すホームでの大一番を迎えた。グアルディオラ監督はエバートン戦で温存したストーンズやデ・ブライネを復帰させ、1stレグと全く同じスタメンを採用した。

一方、ベルナベウで先勝を逃したものの、試合内容では十分な手応えを掴んだマドリー。すでに消化試合と化したラ・リーガでは、先週末のヘタフェとの自治州ダービーに1-0で勝利。大幅なターンオーバーを敢行した中、きっちりリーグ2戦ぶりの白星を挙げて2位に再浮上した。主力のコンディションをきっちり整えて敵地へ乗り込んだアンチェロッティのチームは、1stレグから先発1人を変更。リュディガーに代えてサスペンション明けのミリトンを起用。また、ヘタフェ戦で負傷交代のカマヴィンガも無事左サイドバックでスタメンに入った。

1stレグから微調整は施したものの、普段通りに後方から細かく動かしながらボールを前進させていくシティ。これに対して、マドリーはマンツーマン気味の強度の高い守備で強い制限をかけていく。

相手の圧力に晒されながらも、各選手が効果的な持ち出しでアクセントを加えて要所で局面を打開するホームチーム。デ・ブライネとハーランドのコンビプレーで際どいシーンを作ると、開始7分にはボックス内に侵入したロドリが枠のわずか左に外れる鋭いシュートを放った。さらに、12分にはボックス左で仕掛けたグリーリッシュが意表を突くタイミングでの浮き球クロスを上げると、これをゴール前のハーランドがドンピシャのヘディングシュートで合わす。しかし、この至近距離からのシュートはGKクルトワの圧巻のセーブとDFアラバの素早いクリアに阻まれた。

早い時間帯の先制点を逃したシティだが、相手のプレスを無効化する巧みなボールの循環、良い距離感からの素早い囲い込みで主導権を握り続けてハーフコートゲームを展開。21分には右CKのショートコーナーからデ・ブライネがファーを狙ったクロスをアカンジが頭で折り返し、ゴール前のハーランドに2度目の決定機。だが、競り勝った上に左隅を狙った渾身のヘディングシュートはエル・ブランコの守護神に驚異的な右手のワンハンドセーブで阻まれた。

前回対戦同様に圧巻のベルギー代表GKに手を焼くシティだったが、この直後に見事な連携からゴールをこじ開ける。23分、右サイド深くでストーンズ、ウォーカー、デ・ブライネと細かく繋ぐと、マドリー守備陣の受け渡しのミスで完全に浮いたベルナルド・シウバへデ・ブライネの正確なラストパスが通る。ボックス右でファーポストを匂わせたポルトガル代表MFはクルトワを先に動かして空いたニアポストへ強烈な左足シュートを突き刺した。

防戦一方の状況の中で耐え切れずに先に失点したマドリー。ここから全体を押し上げ、より前からボールを奪いにいく形に。そして、ヴィニシウスの際どい背後への飛び出しやサイドバックの攻撃参加とじわじわと相手陣内深くに侵攻すると、35分にはクロースが強烈な無回転シュートでファーストシュートを記録。だが、このシュートは惜しくもクロスバーを叩いた。

一方、冷や汗をかいたシティだったが、ピンチの後にはチャンスあり。この直後にすかさず追加点を奪った。37分、カウンターの形から左サイドで仕掛けたグリーリッシュから内側でボールを引き取ったギュンドアンがボックス左からシュート。これはゴール前でDFにブロックされるが、浮き球でこぼれたところに反応したベルナルド・シウバがゴール右隅の完璧なコースへヘディングシュートを流し込んだ。

この追加点で余裕が出てきたシティはボール保持を目的としたパスワークでマドリーのプレスをいなしつつ、カウンターや攻撃をスピードアップできる場面ではリスクを冒して3点目を狙っていく。ハーフタイム直前にはベルナルド・シウバのミドルシュートに、ボックス内で浮いたアカンジのシュートで決定機を作り出したが、ここは相手の身体を張った守備に阻まれた。

何とか3失点目を回避して試合を折り返したマドリーは、後半も同じメンバーでスタート。立ち上がりからリスクを冒して前がかりなプレーを見せると、早い時間帯に最初の決定機を創出。51分、ボックス手前右の好位置で得たFKの場面でキッカーのアラバがドライブ回転をかけた鋭いシュートを枠に飛ばすが、これはGKエデルソンの好守に阻まれた。

その後はマドリーがボール支配率でやや上回るが、シティの要所を締める堅守を前に流れの中では全くチャンスシーンを作れない。63分にはモドリッチを諦めてリュディガーを投入し、アラバを左サイドバック、カマヴィンガをアンカーに移した。ただ、この交代も即流れを変える一手とはならず、ベンゼマらの再三のボールロストから相手に引っくり返されて背走する場面が目立つ。そして、70分にはクロースを下げてアセンシオを投入し、[4-2-3-1]の布陣で最後のあがきを見せる。

一方、後半はゲームコントロール優先の戦い方にシフトし、危なげなく時計を進めるシティ。後半はなかなかカウンターシチュエーションで連携がうまくいかずにチャンスを作れずにいたが、73分にはボックス内でギュンドアンの絶妙なヒールパスに反応したハーランドにこの試合3度目の決定機。だが、右足で放ったシュートはGKクルトワに触られた結果、惜しくもクロスバーを叩いた。

エースの3度目の決定機逸でトドメを刺せなかったものの、優勢に試合を運ぶホームチームは意外な形からファイナルに大きく近づくゴールを奪った。76分、相手陣内中央左で得たFKの場面でデ・ブライネが浮き球でゴール前に入れたボールをアカンジが頭で薄く触ると、ゴール前のDFミリトンにディフレクトして大きくコースが変わったボールがゴール左隅に決まった。

これで試合の大勢が決した中、両ベンチは積極的に交代カードを切っていく。何とか一矢報いたいマドリーはボックス内でのセバージョスのシュートでゴールに迫るが、ここはGKエデルソンのビッグセーブに阻まれる。一方、週末のチェルシー戦も睨んで主力を下げたシティは試合終了間際の91分にフォーデンとの途中出場コンビの連携でアルバレスがダメ押しの4点目を決め切って、この日のゴールショーを締めくくった。

この結果、王者マドリー相手に昨季準決勝のリベンジを果たしたシティが2シーズンぶりのファイナル進出を果たし、決勝では悲願のビッグイヤーを懸けてインテルとの初対決に挑むことになった。

準決勝はレアルvsシティのリーグ王者対決にミランvsインテルのミラノダービー
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