ルノーの人気Bセグメントハッチバック「ルーテシア」に追加されたのが、「ルーテシア E-TECH HYBRID(E-TECHハイブリッド)」です。フルハイブリッドモデルで、燃費は輸入車ナンバーワンを誇るといいます。そんなルーテシアE-TECHハイブリッドに乗ってみました。

ルノーオリジナルのフルハイブリッド技術を搭載

 Bセグメントハッチバックは魅力に富んだモデルが多く存在します。

 イギリス製の「MINI」は大きな存在ですが、ドイツ製ではVW「ポロ」も実績があります。フランス車ではプジョー「208」とルノー「ルーテシア」は、見ても走っても味があるクルマとして人気があります。

 今回試乗したルーテシアに焦点を当てて見ましょう。

 ルーテシアの魅力のひとつはエクステリアデザインです。

 高級車と同じように細部まで力を抜かずに丁寧に形つくっている感じが見て取れます。Aピラー、ボンネット、フェンダーが交わる辺りは、隙間が大きくなく、ピチッときれいにつくられています。ヘッドライト周辺もフロントバンパー、フェンダーがきれいに組み合わされています。これはデザインだけでなく製造技術も高いということでしょう。コンパクトでも高級感を感じるのはこんなところからでしょう。

 室内もすっきりしたデザインで好感が持てるダッシュボード、ステアリングスイッチ付きの皮巻きハンドルも見た目も手触りも高級感があります。インストルメントパネルはドライブモードによって表示が変わりますが、見やすいデザインになっています。コンパクトカーなのにという表現はおかしいかもしれないですが、大人びた雰囲気のコクピットなのです。

 ADAS(先進運転者支援システム)関連の装備もこのカテゴリーでトップクラスというので、安全性でも高級車並みだということです。

 そのルーテシアにフルハイブリッドモデルが加わりました。「ルーテシアE-TECH HYBRID」と呼ばれ、カテゴリー最高の燃費性能を誇ります。

 それはなんと25.2km/L(WLTCモード)で輸入車ナンバーワンの低燃費です。実は輸入車ナンバー2もルノーで、「アルカナR.S.LINE E-TECH HYBRID」の22.8km/Lです。これは優秀です。

 この2車が使っているのが、ルノー/アルピーヌF1が培ってきた電子制御ドッグクラッチマルチモードATで、今回のハイブリッドシステムの肝の部分です。

 エンジン側4速、モーター側2速の変速が可能です。4速と2速の組み合わせ8速という訳ではなく、これらのギアを組み合わせて12通りの変速比でモーター、エンジンそれぞれからのトルクを切れ目なく、しかも効率よく引き出すことができるといいます。

 このドッグクラッチを採用することで、一般的なクラッチやシンクロナイザーを省くことで軽量化とコンパクト化を図ったハイブリッド車用のギヤボックスなのです。

 F1で使っている技術というのは究極の効率の良さの証明でもあり、ハードな走りでの実績もあるわけです。

 40km/hまでの低速域はモーター、40-80km/hの中速域はモーターとエンジン、80km/hを超える高速域はエンジンというおおよその担当が決まっています。これまでハイブリッド車が得意としなかった高速域も、エンジンからの効率の良い動力を使い、必要なときにはモーターアシストも使って力強い加速が可能です。

高級感と自然なフィールのハイブリッド車

 スタートボタンを押し、ATセレクターをDレンジに入れてアクセルペダルを踏めばスルスルと加速していきます。

ルノー「ルーテシア E-TECHハイブリッド」の走り

 最初はモーター駆動なのでエンジンはかかりません。でも低回転から最大トルクを発生できるモーターなので加速力は充分あります。このEモーターだけで走る領域は意外と広いですが、49馬力/1677-6000rpmと205Nm/200-1677rpmのパワーとトルクで余裕があります。

 じつはもうひとつ、HSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)というモーターがあります。こちらは20馬力/2865-10000rpmと50Nm/200-2865rpmを発揮します。

 そしてエンジンは1.6リッター直列4気筒自然吸気で91馬力/5600rpm、144Nm/3200rpmを発揮し、ハイブリッドとしてのトータル出力は140馬力になります。

 通常の走り方では、ギアチェンジしたことが神経を研ぎ澄ませていてもわからないくらいスムーズです。

 完全に変速ショックを消しています。モーターでギアを回して回転を完全に合わせているために大きな歯と歯が噛み合うドッグクラッチでもショックなしで繋ぐことができるのです。

 またアクセルペダルを踏み込んでいったときの加速感は速度域によらずダイレクトな感じで、いわゆるハイブリッド車の歯痒さがない走りです。

 ただしアクセル全開で走ると、高速域になって緩やかにギアチェンジしているのかなと感じる部分も出てきます。それでもそれはショックではなく、加速が鈍くなる踊り場のような感じで、同乗者には気付かれない程度です。

 もうひとつハイブリッド車らしくないところがブレーキです。踏み応えがとても自然でよかったです。ブレーキペダルを踏んだときに反応にタイムラグがなく、途中で踏み増したときにも追従性が良いのでごく普通のブレーキとして操れます。

 Bセグメントのハッチバックという激戦区ですが、高級感と自然なフィールのハイブリッド車という味はルノー・ルーテシアE-TECH HYBRIDの個性です。さらに走り屋も満足させられる滑らかなハンドリング性能も大きな魅力になるでしょう。

高級感と自然なフィールのハイブリッド車

ルノー「ルーテシア E-TECHハイブリッド」のインパネ

Renault Lutecia E-TECH HYBRID
ルノー・ルーテシア E-TECHハイブリッド

・車両価格(消費税込):329万円
・全長:4075mm
・全幅:1725mm
・全高:1470mm
・ホイールベース:2565mm
・エンジン形式:直列4気筒自然吸気
・排気量:1597cc
・駆動方式:FF
・変速機:電子制御ドッグクラッチマルチモードAT
・エンジン最高出力:91ps/5600rpm
・エンジン最大トルク:144Nm/3300rpm
・メインモーター最高出力:49ps
・メインモーター最大トルク:205Nm
・サブモーター最高出力:20ps
・サブモーター最大トルク:50Nm
・車両重量:1310kg
・WLTCモード燃費:25.2km/L
・タイヤサイズ:205/45R17