日本未導入のメルセデス・ベンツのコンパクトミニバン、新型「Tクラス」をキャンピングカーにするキットが登場しました。全長4.5mの小型ミニバンでも快適な車中泊が可能です。

2人用ベッドとキッチンユニットのモジュールキット

 独メルセデス・ベンツは、2022年8月27日から9月4日までドイツ・デュッセルドルフで開催中のキャンピングカーイベント「キャラバンサロン2022」において、同社のコンパクトミニバンである新型「Tクラス」用キャンピングモジュールキット「マルコポーロ・モジュール」を発表しました。

 新型Tクラスは2022年4月に欧州で世界初公開されたモデルで、メルセデスのミニバンとしては最小のセグメントに位置づけられます。

 ボディサイズは全長4498mm×全幅1811mm×全高1859mm、ホイールベースは2716mmで、乗車定員は5名です。今後、最大7人乗りのロングホイールベースバージョンも追加される予定です。

メルセデス・ベンツ新型「Tクラス」用マルコポーロモジュール

 リアにスライドドアを備え、スライド幅は614mm、開口部は高さ1059mmという「ワイドオープニングスライドドア」で、後席への乗降は子供でも素早く安全におこなうことが可能です。また後席を折りたたむと、荷室の床とほぼフラットにすることが可能です。

 今回登場したマルコポーロモジュールを装備すると、新型Tクラスはマイクロキャンパーに変身します。

 標準装備のベッドユニットは、2m×1.15mのサイズを確保し、2名分のスペースを提供。厚さ10cmの極厚マットレスにより、快適な睡眠を実現、使用時はベッドフレームを前方に引き出します。走行中はマットレスを折りたたみトランクスペースに収納、リアシートはそのまま使用することが可能です。

 すべての窓ガラスには防虫スクリーン付きのベンチレーションを設置するなど、快適な睡眠を約束する装備を標準装備。またCピラーとDピラーの間にはウインドウポケットを左右2つずつ装備しています。

 オプションで用意されるキッチンユニットには、12リッターの水タンクを備えたシンク、15リッターの冷蔵庫、ガスカートリッジ式のコンロを装備しています。また引き出しには食器や食材を収納できるスペースを持っています。さらに2脚のキャンピングチェアとテーブルも搭載しています。

 マルコポーロモジュールは、2人でおこなえば数ステップで新型Tクラスに脱着が可能です。また普段遣いのクルマからマイクロキャンパーへの切り替えはわずか数分で完了します。

 新型Tクラス用のマルコポーロモジュールの価格は未定です。2022年末の受注開始後に発表される予定となっています。

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 2021年8月に欧州で登場した2代目となる新型「CITAN(シタン)」をベースに、インテリアの質感や走りなど、メルセデスらしい作り込みがおこなわれたプレミアム・コンパクトミニバンが新型Tクラスです。新型シタンは3代目となるルノー新型「カングー」をベースにしているため、新型Tクラスは新型カングーと実質的に兄弟車という関係になります。