アウトドア人気の高まりとともに、地方自治体も注目している「グランピング」。全国各地にグランピング施設がオープンしていますが、ちょっと豪華な常設テントではホテル泊とそう変わりがありません。そこでおすすめしたい、気軽に自然を満喫できる”特別な体験”ができるグランピング施設を3つ紹介します。

1泊だからこそホテル泊との違いがほしい

 ご存じのとおり「グランピング」とはグラマラス(魅惑的)+キャンピングを組み合わせた造語で、もともとはセレブが不自由なく冒険を楽しむためのスタイル。2005年ごろにイギリスで言葉が生まれ、欧米では2010年ごろより人気に火がついたとされている。

 2010年ごろの日本のキャンプシーンといえば、サイトデコレーションが当たり前。ちょうど大型コットンテントで知られる「ノルディスク」が日本上陸を果たしたころで、専門誌でグランピングという言葉がちらほら。コットやラグを持ち込み、自分の手でグランピング風の快適サイトを作る人が増えていた。

 諸説あるが、日本で施設・サービスとしてグランピングを提供しはじめたのは「伊勢志摩エバーグレイズ」だ。もともとアメリカのKOA加盟キャンプ場としてスタートしており、朝食サービス、自由に水上散歩を楽しめるカヌー付きのコテージなどほかのキャンプ場にはないサービスで人気を博しており、グランピングの素地は十分。2013年にグランピングプラン、翌年にはサファリテントをオープンしている。

 以降、日本でもいろいろなグランピング施設が誕生しているが、そもそもグランピングとホテルの違いとはなんだろう?

「ホテル並みの豪華設備で気軽に自然を楽しめる」のがグランピングの魅力だが、これはリゾートホテルでもできることだ。最大の違いは「部屋(テント)の目の前でBBQや焚き火を楽しめる」「鳥のさえずりや風の音を感じられる」わけだが、雨だと楽しみが半減するのも事実。セキュリティ面で不安を持つ人もいる。

 おまけにチェックイン/チェックアウト時間はホテルとほぼ同じでそれぞれ午後1〜3時/午前10〜11時。これではバーベキューと焚き火で終わってしまうのだ。

1泊でも満足度の高い国内グランピング施設を紹介!

 2013年、ドイツでのアウトドアギア展示会取材の際に、どうせならとグランピング泊を考えたが大半の施設が「1泊不可。最低宿泊数は2〜3泊以上」で日程的に断念することになった。

 その後もスウェーデン、オーストラリアを訪れる際に問い合わせたものの状況は変わらない。聞けば「トレッキングなどのプログラムを楽しんで、その土地の自然をたっぷり味わってほしい」とのことで1泊を断っているのだという。

 もちろん1泊でも受け付けている施設もあるにはあるが、実際に訪れてみると1泊だけだったのは自分だけ。まとめて休暇を取りやすいお国柄でもあり、みな連泊して釣りやカヌー、ワイナリー巡りなど思い思いに楽しんでいたのが印象的だった。

 国によって休日事情は異なるので他国流を見習うべきとは言えないが、雨が多い日本での1泊グランピングではよほどのことができなければホテル泊で十分という烙印を押されかねない。

 そこで、特別な体験ができ1泊でも満足度が高いと評判の、3つの国内グランピング施設をご紹介しよう。

新鮮野菜を丸かじりできる農園リゾート「THE FARM」

 千葉にある「THE FARM」は、収穫体験を中心に、ジップラインや温泉、散策など里山の魅力がいっぱい詰まった農園リゾートだ。

「当施設の理念は”農ある暮らしをすべての人に”。農業体験だけでなく、農園に泊まる、収穫した野菜を食する体験をしていただくため2016年よりグランピングを開業しました」(THE FARM)

 宿泊はエアコン付きのテントや広いデッキ付きコテージで、いずれも「季節の野菜収穫体験」「温泉入浴」付き。

 チェックイン前よりアクティビティや温泉などの施設利用が可能で、宿泊ラウンジではチェックイン前に温泉入り放題のパスカードを渡してくれる。チェックイン 14 時〜15時/チェックアウト 10時〜11時(部屋により時間が異なる)だが早めに到着しても十分楽しめるというわけ。

動物園に泊まる「The Bamboo Forest」

 千葉・市原の「The Bamboo Forest」は動物園に併設したグランピング施設。

 宿泊はキリンをイメージしたツリーハウス、断熱性にすぐれたドームテント、かわいいロータスベルテントの3種類でそれぞれに「エレファント」「カピバラ」など動物名がついているのが楽しい。いずれもベッド+エアコン完備、タオル、スリッパ、ガウンなどホテル泊と変わらないアメニティも自慢だ。

「弊社では、事業を計画・運営する上で想いをカタチにすることを目指しています。The Bamboo Forestは市原ぞうの国園長の”日本に、人間と共存する幸せなぞうの楽園をつくりたい”という想いのひとつをカタチにしようとしたもの。動物とふれあうことのできる、癒やし・学び・交流の場を作るために、姉妹園であるサユルワールドにThe Bamboo Forestを開設しました」(株式会社バンブーフォレスト)と言うとおり、宿泊料金にはサユリワールド1日入場券が含まれておりたっぷり動物とふれあえる。

 しかも4〜10月末までの限定だが、希望者にはキリンといっしょに朝食ができるオプション(大人2500円・子ども1000円)を用意しているのだからたまらない。開園前の動物園でえさやりも可能で、宿泊者でしか体験できないスペシャルな時間を過ごせる。

1組限定で瀬戸内海の無人島を満喫!「KUJIRA-JIMA」

 岡山・宇野港より送迎船で約30分移動した場所にある無人島「KUJIRA-JIMA」。

「瀬戸内国際芸術祭の島々を巡る観光が盛り上がっています。そして現在のアウトドアブーム。これらを背景に、代々所有していた無人島を観光事業に活用することになりました。居心地の良い設備を整えて、一日一組限定の貸切無人島体験ができるようになっています。キャンププランもありますが、アウトドア初心者の方や女性にも楽しんでいただけるようグランピング、コテージのプランもご用意いたしました」(KUJIRA-JIMAを運営する宇野港土地株式会社)

「KUJIRA-JIMA」の楽しみはなんといってもマリンアクティビティだ。

 シーカヤックやSUP、釣り、サンセットクルーズなどの海遊びを中心に、テントサウナや五右衛門風呂、焚き火&スモアなどをたっぷり用意。これらはオプションだが、コテージ&グランピング(夕朝食&アクティビティ付き)や人気アクティビティをあつめた「アクティビティ4点セット」を利用すればオトクに瀬戸内海の休日を満喫できる。

これら以外にも、地域の自然や文化を生かしたプログラムを用意したグランピング施設が各地に点在している。どうせならとっておきの体験ができるプランを選んではどうだろうか。