2020年、2021年と新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインでの開催となったものの、10年以上毎年開催され、カングーだけで1700台以上、5000人以上の人が集まる日本最大級のオーナーミーティングが、カングージャンボリーです。2022年は3年ぶりにリアル開催、10月16日におこなわれます。そんなカングージャンボリーに集まる歴代カングーの違いとは!?

フランスのクルマ文化の象徴ともいえる「遊びの空間」

 2020年、2021年とオンライン開催となりましたが、2022年は3年ぶりにリアル開催が決定した日本最大級のオーナーミーティングが「カングージャンボリー」です。

 2022年10月16日に開催が予定されているカングージャンボリーでは、3代目となる新型「カングー」がお披露目になりそうで、ファンの期待も高まっています。

 2019年に開催された第11回では、総参加者数は5011人、総参加車両台数は2422台と、オーナーズイベントとしてはマツダ「ロードスター」のロードスターミーティングなどと並び、日本最大級の規模にまで成長しています。

 カングーだけでなく、ほかのルノー車やフランス車、日本車でも車種を問わず参加できるカングージャンボリーですが、参加車両の半分以上がカングーです。その駐車スペースは圧巻の光景になります。

 どんなカングーが集まるのでしょうか。その歴史を振り返ってみます。

●初代カングー 前期型(2002年〜2003年)

ルノー初代「カングー」前期型

 フランスでは1997年に登場したのが初代カングーです。欧州でも大ヒットを記録、いわゆる「フルゴネット」というカテゴリーの代表的モデルといわれるカングーですが、じつは同様のコンセプトを持つシトロエン「ベルランゴ」の発売は1996年7月と、1年も早く誕生しています。

 日本では2002年3月27日に発表、発売されました。当初はモノグレードで、75馬力・114Nmを発生する1.4リッター自然吸気エンジンに4速ATを組み合わせ、車両価格は175万円(税抜価格。当時の消費税は5%)でした。

 不足感なくきちんと速度を上げていく運転のしやすさが特徴で、これほど背が高くても、コーナーではロール感を与えることなく、粘りながらクリアする走りも人気になったひとつの理由です。またシートが秀逸で、長距離運転しても腰が疲れないとオーナーには評判でした。

 商用車ベースということもあり、インパネなどはプラスチッキーなのですが、その遊び心のあるデザインはカングーの個性に合ったもの。またドアまわりは鉄板むき出しですが、それもまた初代カングーの味になっています。

 全長3995mm×全幅1675mm×全高1810mm、ホイールベースは2600mmと、圧倒的な車高の高さながら5ナンバーサイズに収まっているのも初代カングーの特徴です。

 初代カングーの前期型は、ヘッドライトの下に涙目のようなオレンジのウインカーライトがあるのがエクステリアの特徴。フロントフェイスはグリルレスで、バックドアは跳ね上げ式になります。

●初代カングー 後期型(2003年〜2009年)

 2003年8月に初代カングーはマイナーチェンジをおこないました。

 この際、1.4リッターエンジンに代わり搭載されたのが、95馬力・148Nmを発生する1.6リッター自然吸気エンジンです。このエンジンの搭載により、非常にパワフルな走りを手に入れました。このタイミングでは4速ATのみの組み合わせで、車両価格は跳ね上げ式のハッチバックドアが193万円(消費税5%込、以下同)、ダブルバックドアが195万円でした。

 またこのマイナーチェンジで、従来の跳ね上げ式のバックドアに加え、現在のカングーのアイコンともいえる観音開きのダブルバックドアを選ぶことができるようになりました。さらに5色のボディカラーに加え、受注生産でさらに5色を用意。現在にも続く色とりどりのボディカラーはここから始まっています。

 2004年11月には5速MTが追加されました(車両価格は194万2500円)。これ以来、ミニバンとしては異例の、30%を超えるMT比率を誇っていきます。

 初代カングー後期型の見た目の特徴は、ヘッドライトの下のオレンジライトがなくなり、ヘッドライト自体が大型化されたこと。また前期型ではボンネット上にあったルノーのロゴマークが、フロントグリルに移動しています。

 この初代カングーは前期型・後期型合わせて、全世界で販売台数が250万台を超えるヒット作となりました。

大きくなった2代目は「デカングー」という愛称で親しまれる

●2代目カングー 前期型(2009年〜2013年)

 欧州では2007年にすでにフルモデルチェンジされていましたが、日本では2009年9月に登場したのが2代目カングーです。

 全長4035mm×全幅1830mm×全高1830mm、ホイールベースは2700mmと、先代と比べて全長で180mm、全幅155mm、全高20mm、ホイールベースで100mm大きくなっています。

ルノー2代目「カングー」前期型

 あまりのサイズ拡大に、当時ルノー・ジャポンの担当者も「お客様が新型カングーを認めてくれるかどうか不安でした」と話していたこともありました。ただしフタを開けてみると、初代を上回る勢いで人気となり、大ヒットモデルに成長していきます。

 通常時660リッター、最大で2866リッターにも拡大する荷室は、初代以上にアウトドア趣味のアクティブなユーザーに受け入れられました。また後席を倒すと大人2人が寝ることができるスペースになり、この頃からブームとなり始めた車中泊にオススメの輸入車としても知られるようになります。2代目カングーのバックドアは観音開きのダブルバックドアに統一されました。

 発売当時の車両価格は5速MTが219万8000円(消費税5%込)、4速ATが229万8000円。搭載エンジンは105馬力・148Nmの1.6リッター自然吸気エンジンになります。

 シャープな顔立ちの2代目後期型カングーに比べると、グリルレスで愛嬌のあるフロントフェイスが見た目での特徴。おっとりとした顔が、カングーというクルマの性格にいちばん合うというオーナーはいまでも多くいます。

●カングー ビボップ(2010年〜11年)

 2010年7月に発表された、2代目前期型カングーをベースとしたショートバージョンが「カングー ビボップ」です。

 全長は3870mm、ホイールベースは2310mmと、全長は345mm、ホイールベースは390mmも短縮されたこのモデルは、後席スライドドアを廃した3ドアモデルです。

 後席は独立した2座になり、乗車定員は4名。手動開閉式のフロントグラスルーフと前後スライドさせて開閉可能なリアグラスルーフ、電動でテールゲートに収納できるテールゲートグラスでオープンカーのような開放感を味わうことができる1台になります。

 エンジンは通常のカングーと同じ1.6リッター自然吸気、トランスミッションは5速MTのみで、車両価格は234万8000円(消費税5%込)でした。

 ショートホイールベースのスタイリングは、まるでチョロQのよう。派生モデルだけに、日本で販売された台数も少なく、いまでも中古車市場で高値で取引されています。

●2代目カングー 後期型(2013年〜)

 2013年8月に大幅なマイナーチェンジをおこなって登場したのが2代目カングーの後期型です。

 ルノーのデザイン担当常務ヴァン・デン・アッカー氏による、ルノーの新デザイン戦略に基づくフロントフェイスは、俗に「アッカー顔」と呼ばれるもの。ただし、この際に搭載されたエンジンとトランスミッションは2代目前期型とまったく同じ1.6リッター+4速ATだった。車両価格はゼンが234万8000円、アクティフが214万8000円(すべて消費税5%込)でした。

 後期型の大きな転換点となったのは2014年5月。新たに115ps・200Nmを発生する1.2リッターターボエンジンを搭載したことです。当初このエンジンには6速MTのみが組み合わされ、ATモデルは1.6リッターのまま。価格は6速MTモデル・4速ATモデルともに241万5000円(消費税8%込)でした。

 この1.2リッターターボの出来が秀逸で、ここからまたカングーのMT比率が高まっていきます。

 そして2016年7月に、ようやく1.2リッターターボエンジンに2ペダルの6速EDC(DCT)が追加になり、さらにカングーの人気が再燃しました。この時点では1.6リッター+4速ATモデルも併売され、ゼン(6速EDC)が259万円、ゼン(6速MT)が247万円、ゼン(4速AT)が241万5000円、アクティフ(6速MT)が235万円(すべて消費税8%込)でした。