空冷Vツインエンジンを搭載しながらスポーティなハンドリングを実現し、おだやかな乗り味もあって多くのライダーに愛されたハーレーダビッドソンの「スポーツスター」シリーズ。先ごろ登場したニューモデル「ナイトスター」は、そのシルエットも含めてシリーズのDNAを強く感じさせる仕上がりです。

「スポーツスター」の後継モデルにふさわしいシルエット

ハーレーダビッドソンの「スポーツスター」といえば、スポーティな走りとエンジンの鼓動感が魅力の名車。空冷のVツインエンジンは時代の流れとともに水冷化されましたが、いまもその人気は健在です。

 そんな名車の血統を受け継ぐのが、先ごろ上陸した「ナイトスター」。ルックスからも「スポーツスター」シリーズのDNAを色濃く感じさせるマシンに仕上がっています。

「ナイトスター」を見て、空冷時代の「スポーツスター」に水冷エンジンを搭載したモデルだと勘違いする人もいるかもしれません。それほどまでに、タンクからシートにかけてのシルエットや2本タイプのリアショックアブソーバーなどは「スポーツスター」の歴史を感じさせる仕上がり。エアボックスカバーの形状も「スポーツスター」の血統を感じさせます。

 しかし「ナイトスター」は、エンジンが水冷化されているだけではなく、このエンジンがフレームの一部として機能する構造を新たに採用するなど、基本設計から一新されています。これにより、軽量化と高剛性化を実現。タンクに見えるものは実はダミーで、ガソリンタンクはシート下に配置され、重量マスの集中化も図られています。

 エンジンは、先に登場した「スポーツスターS」や「パンアメリカ」と同系の“Revolution Max”ですが、排気量は975ccとなり、トルク重視のチューニングが施されています。それでも最高出力は、89HPと空冷時代より格段にパワーアップ。切り替え可能なライディングモードやトラクションコントロール機能も追加されています。

●オーソドックスな足回りで軽快なハンドリングを実現

「ナイトスター」のホイール径は、フロント19インチ、リア16インチで、フロントフォークは正立タイプを採用。リアの2本ショックとともに、「スポーツスター」の後継モデルにふさわしいオーソドックスなレイアウトとなっています。

 シート高は705mmとかなり低めで、ボディもスリムなため足つき性は良好。空冷時代に比べて大きく軽量化されたこともあり、取り回しは軽く気負わず乗ることができます。

 走り出してまず感じるのは、軽快さと扱いやすさ。トルク重視のエンジンは街中でもコントロールしやすく、せかされない特性です。排気量が違うとはいえ、同系エンジンを搭載した「スポーツスターS」がかなりのモンスターマシンであるのとは対照的。これなら初級者やリターンライダーでも安心して乗れるでしょう。

 それでいて、アクセルを大きめに開ければ、水冷DOHCエンジンらしく軽快に吹け上がり、その速さはかなりのもの。細めのタイヤにより左右にバンクさせる動きが軽い上、バンク角も十分確保されているため、ワインディングでも楽しめます。

 街乗りやツーリングにも使えて、スピードは出さなくてもスポーティな走りを楽しみたいというライダーにとって、「ナイトスター」は最適な選択肢のひとつといえるでしょう。

●製品仕様
・価格(消費税込):195万4700円〜
・全長:2250mm
・ホイールベース:1545mm
・重量:221kg
・エンジン:975cc水冷V型2気筒
・最高出力:89HP/7500rpm
・最大トルク:95Nm/5750rpm