長野県白馬村で開催された「ディフェンダーデイ2022」。卓越した悪路走破性を誇るランドローバー「ディフェンダー」の魅力を堪能できる同イベントに参加した人の中には、キャンプを楽しんでいるユーザーの姿を多く見かけました。その中に“珍しい”ディフェンダーを発見。オーナーたちを直撃しました。

オーバーランダー用キャンパーシェルを搭載したディフェンダーが多数参加

「ディフェンダーデイ」は、「『ディフェンダー』の魅力をよりディープに感じてもらいたい」というジャガー・ランドローバー・ジャパンの思いから開催されている体験型イベントです。

 2022年の同イベントでは、ディフェンダーを使った模擬悪路での走行体験や、スキー場のゲレンデを走れるゲレンデドライブ、ハイスピードでダートを駆け抜けるオフロードタクシーなど、多彩なアクティビティやアウトドア関連の展示がおこなわれ、多くの参加者たちが楽しんでいました。

 そんな「ディフェンダーデイ2022」の会場の一角に設けられていたのがキャンプエリア。ディフェンダーはもちろんのこと、「レンジローバー」や「ディスカバリー」といったランドローバー各車でオートキャンプを楽しんでいる人が大勢いました。

 そのほとんどは、テントやキャンプグッズを荷室に積んで来場した“普通”のランドローバーでしたが、なかには遠くからでも目立つ存在感のあるモデルも。ここからはそんな、ディフェンダー界隈でも有名な車両をご紹介しましょう。

 まず1台目は、キャンプエリアで仲間との団らんを楽しんでいた北條さんのディフェンダー。1997年式ディフェンダー130をベースに、フランス・PSI azali社製のキャンパーシェルを載せています。

 PSI azalai社のホームページで確認すると、同社のキャンパーシェルは先代ディフェンダーの110と130のほか、トヨタ「ランドクルーザー」の78、80、100や「ハイラックス」などに対応しています。

 たとえば、先代ディフェンダー110ダブルキャブのスペックを見ると、ボディサイズは全長5380mm、全幅1970mm、全高2500mmで、フル装備状態の車両重量は2.6トン。5人乗りで120リットルの浄水タンクが備わり、オプションで最大200リットルの燃料タンクが用意されています。

 そんな“目立つ”ディフェンダーで来場した北條さんは、複数のディフェンダーやレンジローバー・クラシック、ディスカバリーなどを所有する生粋のランドローバーマニア。ルーフ部にキャンプ道具を積み込み、荒野を走破しながら旅するオーバーランダー向けのキャンパーシェルを載せた車両を探していたところ、5年ほど前に「たまたまe-bayで見つけた」と購入のいきさつを話してくれました。

 PSI azalai社のキャンパーシェルは後方からアクセスします。ディフェンダーは悪路走破性を高めるべくロードクリアランスが大きいため、2段のステップを上って中へと入ります。すると、左側にシンクとキッチン、右側にトイレ(現在は荷物入れとして活用)が機能的に配置されています。

 対座シート部とシェル前方部、さらにポップアップテントを使えば、4〜5名で就寝できるのだとか。

「ヨーロッパではこうしたクルマで長距離を走り、山岳地帯に行ったり、アフリカに渡って砂漠を走ったりする人が一定数いるのでしょう。彼らのニーズに合わせ、こういったモデルが用意されているんですね」と、北條さんはモデルの成り立ちを説明してくれました。

 北條さんは休日になると、このディフェンダーで旅を楽しんでいるのだとか。「どんなところへも行けるディフェンダーの魅力と、どこででも車中泊を楽しめるキャンパーシェルの魅力がミックスした最高の1台です」と、お気に入りのご様子。ちなみに同モデルは、日本を含むアジアエリアでは北條さんの1台しか存在していないとのことです。

●ポップアップルーフつきドモービルでトレーラーハウスをけん引

 そんな北條さんから「珍しいディフェンダーに乗っている人がいる」と紹介してもらったのは渡邊さん。2004年式ディフェンダー110の3ドアバンをベースとするドモービルキャンパー(寝泊りできる設備が備わった旅行用車両)に乗られています。

 前後のどちらかが展開するポップアップルーフが多い中、横開きのポップアップルーフを備えた貴重なモデル。閉じていると普通のルーフと同じように見えますが、ポップアップルーフを展開すると大人2名が寝るのに十分なスペースが広がります。またルーフには、量産車で使われるサンルーフが2個取りつけられており、採光や換気もおこなえます。

 残念ながらキャビン内の撮影はNGでしたが、右側にロングサイドシートがあり、左側にはシンクやキッチンが装備されています。ロングサイドシートを展開すれば2名が就寝可能で、ポップアップルーフ部と合わせれば4名が眠れるそうです。

 しかし渡邊さんは、ポップアップルーフ部の広大なスペースを荷物置き場やペットの居場所として活用。ご自身はハイマー社製の「ERIBA touring GT」というトレーラーハウスで就寝するそうです。

 キャンプ場に着いたらポップアップルーフを展開。すると車内には、立って過ごせるだけの空間が広がります。そこでくつろいだ後、寝るときはトレーラーハウスの広大なベッドで快適に眠るのだとか。

 そんな渡邊さんは、1年のうち120日ほどトレーラーハウスを引っ張りながら旅に出ているとのこと。これからの季節も、スタッドレスタイヤを履いて雪山へ出かけるといいます。慣れればトレーラーも苦もなく引っ張ることができ、気に入った場所があればそこで車中泊できるので、気楽な旅を楽しむのに最適だとか。まさに、ディフェンダーのけん引性能の高さを活用した楽しみ方ですね。

 さらに渡邊さんのディフェンダーには、キャビン前方にラックが備わっています。このラックはキャンプ道具を携行するのにピッタリなのだとか。「ディフェンダーデイ2022」の会場を訪れる前にも、仲間たちとカヤックを楽しんできたという渡邊さんのディフェンダーには、そのラックにカヤックが積まれていました。ランドローバーの世界観にマッチしたキャンピングカーとトレーラーハウスといえそうです。

現行ディフェンダーがベースのレンタルキャンパーも登場

「ディフェンダーデイ2022」のイベント広場には、オーバーランドジャパン社のデモカーが展示されていました。ルーフトップテントを載せた現行ディフェンダー90がそれで、簡単に展開させられるサイドタープを広げてアピールしていました。

 聞けば同社では、テントやサイドタープを備えた車両と、ラゲッジスペースに据え置きされたオリジナルキッチン、その中に入った食器や調理器具、選び抜かれたオリーブオイルなどの調味料、外に置かれているチェアや焚き火台、フカフカのムートン、テント内にあるシェラフなど、すべて一式でレンタルしているといいます。

 価格は、東京都内の拠点発着で1日当たり2万9800円〜(消費税込)。担当者は「着替えや食材だけ持ってきていただければ、オートキャンプに必要な機材がすべてセットになっています。どこへでもいけてどこででも就寝可能。まさにオーバーランド旅に最高の仕様です」と話します。

 確かに、ディフェンダーならどこへでも行ける上、就寝用のルーフテントや調理用キッチンなども用意されており、気軽にアドベンチャー気分を味わえそう。ロマンチックな旅になること間違いなしです。

 ちなみにオーバーランドジャパン社では、ディフェンダー90のほかにディフェンダー110やトヨタ「FJクルーザー」、スズキ「ジムニーシエラ」、フォルクスワーゲン「タイプII“コンビ”」などもレンタルしているといいます。

●レンタルモデルを参考にした快適仕立てのキャンパー

 オーバーランドジャパン社が手がけた車両に魅了されたのは、テントエリアにいた早崎さん。「1年ほど前のイベントで同社のルーフトップテントとタープを見て即決しました」と、2020年式ディフェンダー110にオーバーランドジャパン社のデモカーと同じオーストラリア・THE BUSH COMPANY製のルーフトップテントとサイドタープを装備していました。

早崎さんの2020年式ディフェンダー110は、オーバーランドジャパン社のデモカーと同じルーフトップテントとサイドタープを装備

 ルーフトップテントとサイドタープを広げれば、簡単に居住スペースが完成。早崎さんはリビング用としてもうひとつタープを張り立てることが多いそうですが、車両についているタープの下でも十分快適に過ごせるそうです。

 ただし「レンタルキャンパーについているオリジナルキッチンを装着すると荷室が狭くなる」ため、早崎さんはご自身のクルマには装備せず、ラゲッジスペースにキャンプギアを積載してキャンプへと出かけるそうです。

 月に数回キャンプへ出かけ、ルーフトップテントを装備してからもすでに20泊以上しているという早崎さんですが、いまのところ問題や不満はないとのこと。秋から冬にかけてのシーズンは、雪が降っても薪ストーブなどで暖を取りながらキャンプを楽しむそうです。

 ルーフトップテントとソーラーパネルをつけた結果、全高が高くなり街乗りでは少々気を使うとのことですが、高速道路でも安定して走れるといいます。

* * *

 ディフェンダーの性能の高さと使い勝手のよさを活かし、愛車をカスタムしながらアウトドアレジャーを積極的に楽しんでいた「ディフェンダーデイ2022」の参加者たち。皆さんの所有するディフェンダーは、ディフェンダー乗りもそうでない人も、愛車をアウトドア仕様に仕立てる際の好サンプルになりそうです。