スイスを拠点とする超富裕層向けの地下シェルター専門会社がプロモーションしている、地上と変わらない空間が広がるシェルター。住む世界が“文字どおり”違う空間には、きちんと愛車用の駐車場も用意されています。

地上での暮らしと変わらない空間を提案

 スイスにOppidum(ラテン語で城市を意味)という超富裕層向け地下シェルター専門会社があるのをご存じでしょうか?

 地球温暖化にともなう超異常気象、太陽活動の影響を受けるソーラーフレアによる停電リスク、不安定・不確実な社会情勢による暴動や戦争のリスクなどが存在する現代において、安心・安全をお金で買えるありがたい存在です。

「何が起こるかわからない、何をコントロールできるかもわからない今日、我々が思うことはただひとつ、身の回りの愛する人たちを守ること」と、仰々しいオープニングから始まるOppidum社のプロモーション動画。あまりにゴージャスで快適そうな空間で……、地下シェルターではなくフツーの不動産物件案内と勘違いしてしまいそうです。

 超富裕層向けの地下シェルターとあって、Oppidum社は地上での生活と変わらない空間を提案しています。広大かつ天井の高いリビングルームやダイニングルーム、バーコーナーなど、超富裕層の邸宅では“当たり前”の空間が広がっています。

 このシェルターは、ゲストを招いて避難することができるスペースを確保することも可能とのこと。動画を眺めていると、給仕兼お手伝いさん(?)も避難させるんですね。避難中とはいえ、超富裕層には身の回りの世話係は欠かせません。

「外の世界で何が起こっていようと、貴方はゆったり休むことができ、落ち着いた雰囲気の中でリラックスし、家族や友人と時を過ごすことができます」ってナレーションには思わず吹き出してしまいました。住む世界が文字どおり違うんです。

 身の回りの大切なもの(資産)に囲まれて時間を過ごすことができる地下シェルターですから、お気に入りのアート作品を収めるギャラリーを用意することもできます。

 ギャラリーの白い彫刻はギリシャ神話に登場するペリクレスで、台座には彼の言葉「Freedom is the possession of those who have the courage to defend it」が刻まれています。「自由を守る勇気をもつ人間だけが、自由を手に入れられる」といった感じでしょうか? まぁつまりは、Oppidumの地下シェルターを購入するような人たちを指しているのでしょう。正確な英語の文章ではthoseの後にaloneって言葉が入るんですけどね……。

●コレクションも考えた間取りと駐車場

 シアタールーム、プールはもちろんのこと、このシェルターには金塊やプラチナといった貴金属を収める部屋も用意されています。地下シェルターながら“中庭”だってつくることができるようです。

 しかも、超絶富裕層のカーコレクションもしっかり考慮していて、駐車場のイメージも見ることができます。そこに映るセレクションがこれまたニクい。フェラーリ「250GTO」、メルセデス・ベンツ「300SL」、キャデラック「エスカレード」3台、メルセデスAMG「Gクラス」、テスラ「サイバートラック」(未発売)、ブガッティ「シロン」……いかにもなラインナップです。

 放射性物質をも取り除けるエアフィルターつき空調システムに、ディーゼル電源設備や蓄電池なども確保しています。最長でどのくらいの期間、地下シェルターに滞在できるように仕上げるのでしょう? そこも気になりますね。

 Oppidum社ホームページのトップページに流れるイラストの中には、水耕栽培のイメージ図もあったのですが動画では流れませんでした。プロモーション動画はあくまでイメージで、オーナーとの綿密な打ち合わせ後に仕様を決めるのだと思います。

 安心・安全は自分のお金で買うものです、ってお話ですね。地下シェルターはもちろん、住まいの分散化(避難できるよう)、移動手段の分散化(クルマやバイクに限らず、船や飛行機)、資産の分散化(現金、換金性の高いもの、物理的な配置)……。そこまでして生き延びたいと思える飽くなき生への欲求。超絶富裕層はたくましいですね。そして今後、Oppidum社にどのような注文が入るのか……興味津々です。