ベントレーの2022年の世界販売台数が発表され、はじめて1万5000台を超えました。牽引するのはSUV「ベンテイガ」だといいます。
ベストセラーはSUV「ベンテイガ」で総販売台数の42%
英国ベントレーモーターズは2023年1月10日、2022年の総販売台数が1万5174台となり、はじめて1万5000台を超えたと発表しました。
ベントレーでもっとも売れたモデルはSUVの「Bentayga(ベンテイガ)」で、販売開始6年目にして過去最高の販売台数を記録、総販売数の42%を占め、世界でもっとも成功したプレミアムSUVの地位を確立しました。
また「Continental GT(コンチネンタルGT)」と「Continental GT Convertible(コンチネンタルGTコンバーチブル)」も安定して人気を保ち、売上の3分の1となる30%を占めました。さらにベントレー史上もっともダイナミックなロードカーであるパフォーマンス志向の新型「Continental GT Speed(コンチネンタルGTスピード)」は、コンチネンタルGTシリーズのなかで31%を占めました。
4ドアグランドツアラー「Flying Spur(フライングスパー)」は、新型ハイブリッドモデルの導入もあり、全体の28%を占めました。またフライングスパー・ハイブリッドは、フライングスパーモデルの30%を占めています。
世界市場を見てみると、アメリカ大陸は世界最大の販売市場の座を維持、4221台と過去最高の販売台数で全体の28%を占めています。
また中国/香港/マカオ市場は3665台と、前年比マイナス9%ながら世界第2位の市場となり、欧州市場は前年比プラス11%の2809台、アジア太平洋地域が前年比プラス23%の2031台、イギリス市場はプラス12%の1490台、中東/アフリカ/インド市場はプラス6%の968台と続きました。
ベントレーモーターズの会長兼CEOであるエイドリアン・ホールマーク氏は「当社のハイブリッド モデルの市場導入に対する反応、昨年ベンテイガに加わったフライングスパーは、ラグジュアリー セクターが向かっている道を示しており、当社は確固たる最前線に位置しています。これらの数字は、当社が売上高と市場シェアで業界をリードしているだけでなく、電気技術への投資と、2030 年に正味のカーボン ニュートラルを達成するためのコミットメントでもあることを証明しています」とコメントしています。
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2022年は多くの自動車メーカーが、世界的な半導体不足の長期化により工場の休止や減産に追い込まれたことで販売台数を減らしているなか、なぜベントレーは史上最高の販売台数となったのでしょうか。
2019年12月から始まった世界的な新型コロナウイルス感染拡大により、2020年は世界的に経済が停滞しましたが、その反動もあり2021年は高級車市場の需要が高まり、ベントレーも2021年は過去最高の1万4659台という世界販売台数を達成しています。
その景気回復の流れが2022年も続いたことが理由です。ベントレーだけでなく、高級車ブランドのロールスロイスも2022年は6021台と、過去最高の台数を記録しています。
また半導体不足はトヨタやフォルクスワーゲンなど、年間800万台を超えるような自動車メーカーは多大な影響を受けましたが、ベントレーは1万5000台規模のためその影響は最小限で、なお続く高級車の需要の高まりが、ベントレーが史上最高の販売台数となった理由ではないでしょうか。