万年筆でおなじみのモンブランは、じつは上質なレザーアイテムでも高い人気を誇ります。定番“サルトリアル”の2023年モデルは、ミニマムを極めたエレガントなバッグに、鮮やかカラーの小物を組み合わせた「色で遊べる」コレクションです。
●モンブランの定番レザーコレクション“サルトリアル”が装いも新たにリフレッシュ
モンブランといえばいわずと知れた筆記用具の世界的な名門ブランドだが、じつは時計やステーショナリーなど幅広いラインナップを揃えたライフスタイルブランドとしても多くの顧客に支持されている。
なかでも筆記用具とも相性のいいレザーアイテムは比較的初期から手掛けられていたもので、1926年にはすでにサフィアノプリント入りのレザー小物やアクセサリーの制作をスタートさせている。
1935年頃にはレザーの専門技術で有名なドイツ・オッフェンバッハ近郊に初のレザー工房を設立、さらにその約半世紀後には、レザーの本場であるイタリア・フィレンツェで自社工房が操業を開始。筆記具において培ってきた卓越したクラ
フツマンシップへのこだわりは、レザーアイテムの製造においても遺憾なく発揮されている。
さて、そんな歴史あるモンブランのレザーアイテムのなかでも定番として位置づけられているのが、“モンブラン サルトリアル”コレクション。来る2023シーズンはこのアイコニックなモデルに、さまざまな組み合わせを楽しめるラインナップが登場。来年2023年2月より順次発売予定となっている。
●シックなバッグにヴィヴィッドなミドル/スモールレザーを組み合わせるモジュールシステム
新たに登場する“サルトリアル”では、まず新採用となる独自のモジュールシステムに注目したい。これはベーシックなスタイリングのトートバッグやドキュメントケースに、カラフルなミドルレザーの小物類を組み合わせることでアレンジやコーディネイトを楽しむというものだ。
もちろんバッグと小物類はそれぞれ単体で使うこともできるが、小物類には共通仕様として背面側にストラップが備えられており、このストラップをベースとなるバッグのハンドル部分に通して装着させれば、実用性の高い外付けポケットに早変わり。ちょうどキャリーケースのハンドルにブリーフケースのスリーブを通して一体化させるようなイメージだ。
ベースとなるバッグには、メインカラーとしてブラックとフォージッドアイアンといった、落ちつきのあるカラーを採用。一方でポーチなどのミドルレザーと、ウォレット、カードホルダーなどのスモールレザーには、レッドやブルー、ブリティッシュグリーン、モスト(バーガンディ)、アイボリーといったヴィヴィッドなカラーを豊富に揃える。ダークなトーンと鮮やかなカラーを組み合わせることで、ひとつのバッグでさまざまな表情を楽しめるというわけだ。
さらにベースとなるバッグのデザインも、ミドルレザーの装着を想定して、よりミニマムかつエレガントなものへとリニューアル。ふっくらと先端の広がったハンドルのデザインは、名品として名高い靴型インクボトルの形状に着想を得たもの、また2枚の革を重ねたバッグ側面は封筒の形状を想像させたりと、ブランドの原点である文具にインスパイアされたデザインコードを随所にちりばめている点もチャーミング。
シンプルで軽やかなスタイリングはスーツのみならず、ジャケット&パンツのカジュアルな装いにも似合いそうだ。
またこれもコレクション全体に通底する仕様として素材調達や製造工程における環境負荷の低減を徹底、材料として使用するレザーはCO2ニュートラルななめしプロセスで製造されたものを使用している。伝統のクラフツマンシップを継承しつつ、今の時代にふさわしい配慮と合理性、モダンなセンスが光る新しいスタンダードの誕生だ。