メルセデス・ベンツのミドルサイズSUV「GLC」がまもなくフルモデルチェンジ、この春にも日本で登場する予定です。2代目に進化した新型GLCはどのように進化しているのでしょうか。
新型GLCの全長は従来型より60mm長い4716mmに
メルセデス・ベンツのSUV「GLC」が日本でもまもなくフルモデルチェンジ、2代目となる新型が登場する予定です。どのように進化するのでしょうか。
初代GLCは2015年に登場したDセグメントSUVで、「Cクラス」と同じプラットフォームを採用した、いわば「CクラスのSUVバージョン」です。2008年に登場した「GLK」の後継モデルとなります。
日本でも2016年2月に発売されました。ガソリン/ディーゼルモデルだけでなく、プラグインハイブリッド(PHEV)、さらに燃料電池PHEVである「GLC F-CELL」など豊富なパワートレインを用意しました。
初代GLCの世界累計販売台数は260万台を突破。2020年と2021年にはメルセデス・ベンツの乗用車のなかでベストセラーモデルとなり、世界中で大ヒットしました。
そんなGLCがはじめてフルモデルチェンジしたのが、この春日本で登場する2代目となる新型GLCです。欧州では2022年6月に登場しています。
新型GLCのボディサイズは全長4716mm×全幅1890mm×全高1640mm、ホイールベースは2888mm(欧州仕様)となりました。全長は先代モデルより60mm長く、4mm全高が低められています。全幅は変わりません。またトレッドは前1627mm、後1640mmと、前6mm、後23mm広げられています。
全長が長くなりリアオーバーハングが大きくなったことで、荷室容量は通常時600リッターと、先代比プラス50リッターと大幅に増加しています。
また新型GLCの空気抵抗係数(Cd値)は0.29と、先代の0.31よりも大幅に改善しています。これにより燃費が良くなるだけでなく、風切り音なども抑えられているといいます。さらにフロントガラスにはノイズを抑えるフィルムが標準で採用されているため、さらに遮音性が高められています。
エクステリアは、筋肉質のホイールアーチとエッジの効いたボディラインで、エレガントさとオフロードの力強さを両立しています。またオプションでAMGラインも用意されます。
インテリアは、現行メルセデス・ベンツラインナップのデザインを踏襲。12.3インチのメーター部分と11.9インチのセンターディスプレイが組み合わされ、フローティングデザインになっています。
パワートレインはすべて電動化されています。「GLC200 4MATIC」は204馬力・320Nmを発生する2リッターガソリンターボエンジンに23馬力・320Nmを発生するスタータージェネレーター(ISG)が組み合わされる48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載します。
また「GLC300 4MATIC」は258馬力・400Nmの2リッターガソリンターボ+ISG、「GLC220d 4MATIC」は197馬力・440Nmを発生する2リッターディーゼルターボ+ISGとなります。
日本ではどのグレードが導入されるのか、まだ発表されていません。
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さらに欧州市場では、3種類のPHEVも用意しています。第4世代のPHEVシステムを搭載し、100kW(約135馬力)・440Nmを発生するモーターを搭載。WLTPモードでの一充電走行可能距離は100㎞超と、日常のドライブならほとんど電気のみで走行できます。
PHEVにはシステム総合313馬力・550Nmの2リッターガソリンエンジン+モーターの「GLC300e 4MATIC」、システム総合381馬力・650Nmの2リッターガソリンエンジン+モーターの「GLC400e 4MATIC」、システム総合335馬力・750Nmの2リッターディーゼル+モーターの「GLC300de 4MATIC」が用意されます。
組み合わされるトランスミッションはすべて9Gトロニック(9速AT)です。
サスペンションはAIRMATICというエアサスペンションを選択することも可能です。また新型Cクラス同様、後輪も操舵するリアアクスルステアリング(4WS)を用意。後輪のステアリング角度は最大4.5度で、これにより最小回転サークルは10.9mと、通常モデルに比べて90cm小回り性能が向上します。
欧州市場では2022年7月に発売、ベースモデル「GLC200 4MATIC」の価格は5万7631.70ユーロ(日本円で約837万円。ドイツの付加価値税VAT19%込)からとなっています。