ヤマハはアドベンチャーバイク「テネレ700」のカラーバリエーションを変更した2023年モデルを発表しました。ダカール・ラリーを想起させる配色や、アウトドアシーンにマッチするマットなカラーなど多彩なカラバリに注目です。

オフロードの走破性を高めたアドベンチャーバイク

 近年、日本だけでなく世界的にも人気を集めているアドベンチャーバイク。同カテゴリーに属すヤマハの「テネレ700」が、2023年のニューカラーにまとって登場しました。

 設定されるカラーは3種類で、砂漠を走るダカール・ラリーのシーンを想起させる「ヤマハレーシングブルー」を基調としたカラーや、アウトドアシーンにマッチする高い質感を備えた「マットグリーニッシュグレー」、そして、歴代のヤマハのレースシーンをイメージさせるスピードブロックを配した「ホワイト」がラインナップされます。

 アドベンチャーバイクといえば、高速域で効果を発揮するウインドスクリーンを装備し、長距離ツーリングを快適にこなせるのが人気のポイント。なかでも「テネレ700」はオフロードでの高い走破性を実現し、道を選ばずツーリングを楽しめるモデルです。

 そんな「テネレ700」の魅力について、2輪車を中心に取材・執筆をおこなっているライターの増谷茂樹さんは次のように話します。

「フロントに21インチ、リアに18インチというオフロードモデルと同じホイール径を採用しており、サスペンションのストロークも長いためオフロードで乗っても高い走破性を実感できます。アドベンチャーバイクにはオンロード向けのモデルと、オフロード性能を重視したモデルとがありますが、『テネレ700』は後者の筆頭に挙げられるモデルです」

●トラクション性能に優れたエンジンを搭載

 オフロードでの走破性に貢献しているのは足回りだけではありません。

 エンジンは688ccの並列2気筒ですが、270度クランクを採用。ヤマハが得意とする、スロットル操作に対してリニアなトルクを生み出す設計思想“クロスプレーン・コンセプト”に基づいて開発されたエンジンで、トラクション性能が高くすべりやすい未舗装路でも車体を前へと進めることができます。

 デザインはラリーで活躍した「テネレ」シリーズの伝統を受け継ぐもので、ラリーマシンを思わせるプロポーション。2023年モデルでは、レーシングシーンを思わせるカラーのほか、アウトドアイメージの強いグレーも加わったことで、キャンプツーリングなどを楽しみたいライダーにも選びやすくなりました。

 オフロード性能を重視した設計のためシート高は875mmと高く、足つき性には慣れが必要ですが、車体はスリムで車重も205kgとこのクラスとしては軽めなので、支えやすくなっています。オフロードを含めたロングツーリングを楽しみたいライダーにとっては、理想的な1台といえるでしょう。

●製品仕様
・価格(消費税込):134万2000円
・サイズ:2370×905×1455mm
・車両重量:205kg
・エンジン:688cc水冷並列2気筒
・最高出力:73ps/9000rpm
・最大トルク:69Nm/6500rpm