春になり、スギ花粉も舞う時期になりました。北海道や東北地方などはまだ路面に雪が残るところもありますが、非降雪地域に住むユーザーは、そろそろスタッドレスタイヤからサマータイヤへ履き替える季節です。交換して外したタイヤはどのように保管すればいいのでしょうか。

値上げラッシュのタイヤ 保管方法で少しでも長く使い続けたい

 この時期は、北海道や東北地方など降雪地域を除けば、スタッドレスタイヤからサマータイヤへとタイヤを交換する季節です。

 そこで気になるのが、交換したスタッドレスタイヤの保管方法です。タイヤは、保管方法によって劣化具合に差が出るといわれていますが、正しい保管方法はどういったものなのでしょうか?

 最近ではタイヤの原材料や輸送費などが高騰し、それにともない各タイヤメーカーも商品の値上げを発表しています。そんな時代に、購入したタイヤを少しでも長く使い続けるためにはどんな方法があるのでしょうか。

 外したタイヤの保管方法で気をつける点は、まずは直接、太陽の光が当たらない場所に保管するというのが大切になってきます。

 紫外線はゴムの劣化を早め、湿度が高い場所もタイヤに悪影響を与えます。

 自宅にガレージがあればガレージ内に保管、物置などがあるならば、その中に保管したいところです。

 またマンション住まいなどでベランダしか保管する場所がない場合は、そのままタイヤを置いておくのではなく、遮光性のあるタイヤカバーをかけておくのがよいでしょう。

 また、タイヤラックに縦置きで保管する人も多いと思いますが、一番良いのは横にして重ねて置いておく方法になります。これは、タイヤラックに保管すると、タイヤの重みが点や線でかかってしまうため、変形の可能性があるためです。

 横に寝かせて置くと、サイドウオール全体の面でタイヤの重さを受けられるので、変形のリスクが少なく済みます。重ねることで下のタイヤへの負担が気になるかもしれませんが、ホイールに組んである状態であれば問題はありません。

 またタイヤの空気圧は、半分くらいに落として保管することが良いといわれています。保管中はタイヤの空気がどうしても抜けてしまうため、それを嫌って空気圧を高めにして保管をする人がいますが、これはタイヤに大きなストレスを与えることになってしまいます。

マンション住まいでベランダ以外に保管場所がない人はどうする?

 正しい保管方法は理解したけれど、マンション住まいなので外したタイヤを置く場所は、日当たりのいいベランダくらいしかない、という人も多いでしょう。そんな人にオススメしたいのが「タイヤ保管サービス」です。

劣化したタイヤで走行をし続けると、最悪はバーストしてしまうこともある

 これは近年、タイヤショップやカー用品店で実施しているサービスで、これを利用すれば保管場所はもちろん、タイヤ交換時にいちいち運ぶ手間などを省けるだけでなく、プロの目でタイヤの状態を管理してくれるため、交換時期などのアドバイスもしてもらえるというメリットもあります。

 しかもこういうサービスの場合、温度や湿度を管理した倉庫に保管することが多く、直射日光や雨風にさらされることもありません。結果としてタイヤを長持ちさせることにもつながるはずです。

 コスト的には、サービスをおこなっている店や預けるタイヤサイズなどによりさまざまですが、だいたい1か月1000円から1500円というところが多いようです。

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 いうまでもなく、タイヤはゴムでできています。

 なので製造から年数が経っていくと徐々に硬化していきます。これは、サマータイヤでもスタッドレスタイヤでも同様です。

 乗用車用タイヤの場合、タイヤの溝深さが残り1.6mmになると表れる「スリップサイン」というものがあります。スリップサインが出た状態で走行し続けると、道路運送車両法に違反していることになりますし、その状態では車検も通りません。

 ただし、十分に溝が残っているタイヤでも、年数が経ったタイヤはゴムが硬化していることもあり、本来の性能が出せないということがあります。とくに、直射日光にさらされた場所や高温多湿の場所で保管していたタイヤは劣化が早く、結果としてタイヤの寿命が早くなってしまいがちです。

 タイヤは決して安いものではないので、正しい保管方法を知って長持ちさせるのも大切なこと。本来ならまだ使えるタイヤをダメにしないためにも、もう一度保管方法を見直してみてはどうでしょう。