マスク着用も個人の判断に任せることになり、コロナ禍も収束の兆しが見えてきた2023年の春。全国の観光地は賑わいを取り戻しています。ただし物価高が続く現在、できるだけドライブにかかる出費を抑えたいというのも本音ではないでしょうか。高速道路各社が用意する、ETCによる割引プランとはどんなものなのでしょうか。
「周遊」と「発着+周遊」の2タイプがある各社のETC周遊割引プラン
長かったコロナ禍もようやく収束の兆しが見え、旅行やレジャーを楽しむ人々の動きは活発化しています。そして全国の観光地は、コロナ禍前を思わせる賑わいを取り戻してきました。
2023年2月10日には、政府が「マスクの着用は、3月13日から屋内屋外を問わず個人の判断に委ねる(医療機関の受診、通勤ラッシュなどで混雑した電車やバスに乗る際は着用を推奨)」との方針を決定。また3月なかばには「全国旅行支援」の延長も決まり、暖かくなる行楽シーズンのお出かけを楽しむ環境はいっそう高まっています。
ただインフレで諸物価が高騰する現在、お出かけにかかる費用をできるだけ抑えたいというのが、多くの国民の本音ではないでしょうか。
そこで活用したいのが、NEXCO各社が販売するETCを使った高速道路料金の割引プラン「ETC周遊割引」です。
これはNEXCO東日本が「ドラ割」、NEXCO中日本が「速旅」、NEXCO西日本が「みち旅」というブランドでそれぞれ展開しており、利用手順に細かな違いはありますが、「希望のプランを選び、利用日を指定して申し込む」という内容は共通です。
プランは基本的に「発着地エリアと周遊エリアまでの1往復と、周遊エリア内での乗り放題」「周遊エリア内での乗り放題」の2タイプで、いずれも通常の高速道路料金を支払う場合に比べ割安となるような価格に設定されており、うまく利用すれば、高速道路料金の負担を半分近くに減らすこともできます。
ではこれから春のレジャーシーズンに向けて、「ドラ割」「速旅」「みち旅」から、使いやすい、またはオトク度が高いと思われるプランをいくつかご紹介しましょう。
まず「ドラ割」では、「東北観光フリーパス 東北6県周遊プラン 首都圏発着」の周遊エリアの広さが光ります。
周遊エリアは東北6県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)すべてで、発着エリアは圏央道あきる野IC〜下総IC、関越道練馬IC〜花園IC、東北道川口JCT〜羽生IC、東北道三郷IC〜土浦北ICとなっています。
価格は普通車が1万6000円、軽自動車等が1万2800円ですが、たとえば東北道浦和ICから青森道青森ICまでの片道料金が、通常1万4000円、ETC深夜割引でも9800円であることを考えると、単純に往復するだけでも大幅な値引きとなっていることがおわかりいただけると思います。
事前にインターネットから利用日を指定しての申込みが必要
NEXCO中日本の「速旅」は、高速道路料金だけでなく、他のサービスと連携したプランが魅力です。

そのひとつ、「ニッポンレンタカーバウチャー券付ドライブプラン」は、東京都および神奈川県内にある「ニッポンレンタカー」でのレンタカー料金の支払いに使えるバウチャー券1万円分が付いています。
たとえば「<発着付き>首都圏⇒南信州・静岡プラン3日間」は普通車1万6300円、軽自動車等1万5000円ですが、バウチャー券をのぞく実質価格では、普通車6300円、軽自動車5000円で、長野道は安曇野ICまで、中央道は伊北ICまで、新東名は遠州森町スマートICまで、東名は掛川ICまでという広いエリアを周遊利用できます。
都内、神奈川県在住者はもとより、空路や新幹線で東京に来てレンタカーを借り、長野県や山梨県の観光を楽しもうという人にとって、使わない手はないプランと言えるのではないでしょうか。
NEXCO西日本の「みち旅」は、関西、中国、四国、九州の各エリアで使いやすい周遊プランを用意しています。
たとえば「ぎゅぎゅっと九州まんきつドライブパス2022」(2023年4月1日からは「ぎゅぎゅっと九州まんきつドライブパス」)は、「九州全域」「西部九州」「北部九州」「南部九州」という4つの乗り放題プランを設定。価格は普通車が5600円から8900円、軽自動車等が4500円から7100円と手頃です。
九州には各地に観光名所が点在するため、高速道路利用が“小間切れ”になりがちですが、その際でも料金負担を一定額に抑えることができるのです。
※ ※ ※
なおこのようにオトクづくめのETC周遊割引ですが、注意点もあります。
まずいずれもインターネットから、利用日を指定しての事前の申し込みが必要です。
また発着エリアが指定されてるプランでは、「発着エリア外からの連続利用」が適用になるプラン、適用にならないプランが混在するなど、商品性にわかりにくさがあるため、利用する際に確認を怠ると、通常の高速道路料金が適用される可能性があります。
さらに利用日や利用区間によってはETCの「深夜割引」「休日割引」を使ったほうが割安になるケースも考えられます。
利用にあたっては、これらの注意点をしっかり考慮の上、申し込みましょう。
なお「ドラ割」「速旅」「みち旅」の詳細情報は、NEXCO各社それぞれのウェブサイトに掲載されていますが、「NEXCO高速道路周遊パス検索サイト」にアクセスすれば、こうしたETC周遊割引の情報を地域や条件により検索できます。ドライブプランの立案に、ぜひお役立てください。