シトロエンのCセグメントEV「e-C4」「e-C4 X」に、新たなモーター&バッテリーを搭載した改良モデルが欧州で登場しました。従来モデルよりもよりパワフルで、航続距離も長くなっています。

新開発のモーターは従来より20馬力アップの156馬力

 ステランティスの仏ブランド、シトロエン(CITROEN)は2023年5月2日、コンパクトSUV型EV(電気自動車)「e-C4」およびクーペSUV型EV「e-C4X」の改良モデルを欧州市場で発表しました。

 C4は2004年に初代が登場した、シトロエンのCセグメントモデルで、現行型は2020年に登場した3代目。現行型から内燃機関(ICE)のC4に加え、EVのe-C4を用意しています。日本でも2022年1月に登場、EVは「E-C4 ELECTRIC」との車名で展開しています。

 C4 Xは、C4をベースとしたファストバックスタイルを持つSUVで、シトロエンのラインナップの中ではハッチバックの「C4」と最上位SUVモデルの「C5 X」の間に位置するモデルになります。2022年6月に欧州で登場、ICEのC4 Xと、EVのe-C4 Xが用意されます。日本ではまだ展開されていません。

 C4 Xのボディサイズは全長4660mm×全幅1800mm×全高1525mm、ホイールベースで、ハッチバックの新型C4よりも全長が285mm長いのが特徴です。ホイールベースはC4ハッチバックと同じで、どちらも「CMPプラットフォーム」を採用しています。

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 今回欧州市場で登場したe-C4、およびe-C4 Xは、パワートレインを変更。モーターは新開発のハイブリッド同期電気モーターを採用しています。最高出力は156馬力と、従来のモーターよりも20馬力向上。最大トルクは260Nmと、従来と変わりません。

 また搭載するリチウムイオンバッテリーは、容量54kWhと従来よりも4kWh増加。この新型バッテリーはコンパクトで、液体温度調整機能と急速充電用のヒートポンプを標準装備しており、102個のセルと17個のモジュールで構成されます。従来よりもニッケル比率が高く (ニッケル80%、マンガン10%、コバルト10%)、エネルギー密度が向上し、バッテリー寿命が長くなるといいます。

 この結果、一充電での航続可能距離(WLTCモード)は従来の360kmから最大420kmと、およそ17%向上。平均エネルギー消費量は12kW/hとよりエネルギー効率が向上しています。

 バッテリー容量が増えても、充電時間は長くならず、急速充電(100kW)を使うと20%から80%に30分以内に充電できます。

 改良モデルe-C4の日本導入時期は未定です。C4 X、およびe-C4 Xの導入時期も未定です。